山田太一のドラマ「岸辺のアルバム」倉持裕の脚色、木野花の演出で舞台化 主演は小林聡美

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山田太一が原作・脚本を手がけたテレビドラマ「岸辺のアルバム」を原作とした舞台「岸辺のアルバム」が、来年4月に東京、5月に大阪で上演される。

舞台「岸辺のアルバム」出演者

舞台「岸辺のアルバム」出演者

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テレビドラマ「岸辺のアルバム」は1977年に放送され、ギャラクシー賞やテレビ大賞を受賞した作品。今回は同作が、倉持裕の脚色、木野花の演出で舞台化される。出演者には小林聡美杉本哲太細田佳央太芋生悠前原滉伊勢志摩夏生大湖田辺誠一が名を連ねた。

多摩川べりに一軒家のマイホームを構える田島家は、商社マンの父・謙作(杉本)、専業主婦の母・則子(小林)、大学生の娘・律子(芋生)、受験を控える高校生の息子・繁(細田)の4人家族。一見平凡で幸せそうに見える家族だが、実はそれぞれが問題を抱えており……。

脚色の倉持は「全15話のテレビドラマを舞台に置き換えるのは至難の業ですが、その痛みや生傷は決して省かずに脚色したいと思います」、演出の木野は「『岸辺のアルバム』、満を持しての舞台化です。素晴らしい名作に、魅力的な役者たちが花を開かせます。演出も全力で挑戦する覚悟です」とコメント。

主演を務める小林は「思いもよらぬ波紋にもがく家族とそれを取り巻く人々の、人間臭さ、愛。まさに舞台に台風が巻き起こります! 昭和のひとつの家族のドラマから、いろいろなメッセージを感じていただけますように」と思いを語った。

公演は来年4月3日から26日まで東京・東京芸術劇場 シアターイースト、5月に大阪・松下IMPホールにて。

倉持裕コメント

山田太一作品には幼い頃から触れてきましたが、今回改めて脚本を読んでみて、登場人物たちが、映像で観ていた印象よりも実際ははるかにしつこく、粘り強く語り合っていたことに驚きました。対面はおろか電話ですら敬遠される現代から見ると、信じられないほどの接近戦、肉弾戦の連続です。全15話のテレビドラマを舞台に置き換えるのは至難の業ですが、その痛みや生傷は決して省かずに脚色したいと思います。

木野花コメント

本作「岸辺のアルバム」は一見家庭劇のようですが、ひとりひとりの人間像や生き様をきちんと書き込んでいて、ただの家庭劇というよりも「どうやって生きていくのか」を問う人生劇のようにも受けとれます。

今作に出てくるのは高校生から働き盛りの中年までですが、それぞれがその世代の人生を必死に生きているのが非常にドラマチックです。ひとつの家庭の中でそれぞれが台風の目を持っていて、いつ台風が発生するのかという怖さを抱えながら毎日を生きています。最後には本物の大自然の台風が襲ってきて、家族の台風との戦いになるわけですが、それをいかに演劇的に舞台に乗せられるかが今回の挑戦の一つです。また、この作品は50年以上前の時代を描いていますが、昭和という時代を振り返る事で、今、私達がどういう時代を生きているのか、改めて発見できる事に気づかされます。

台風と戦う家族が、令和の私たちに何を伝えられるか、リアルに届けられたら幸いです。

「岸辺のアルバム」、満を持しての舞台化です。素晴らしい名作に、魅力的な役者たちが花を開かせます。演出も全力で挑戦する覚悟です。

どうぞ皆さまもご期待ください。

小林聡美コメント

誰よりも熱い演劇人木野花さんの演出、圧倒的信頼の倉持裕さんの脚色、そして、期待感しかない昭和平成混合キャスト。そんな面々で、山田太一さんの代表作のひとつ「岸辺のアルバム」を、舞台の上でどんなふうに表現できるのか今から楽しみにしています。思いもよらぬ波紋にもがく家族とそれを取り巻く人々の、人間臭さ、愛。まさに舞台に台風が巻き起こります! 昭和のひとつの家族のドラマから、いろいろなメッセージを感じていただけますように。

杉本哲太コメント

山田太一先生の作品は1995年の「切ない春」というドラマに出演させていただきました。先生の台本はとても綿密に計算されていて素晴らしく、行間の「...。」に何が込められているのか想像して演じるのは、スリリングで緊張感がありつつ芝居をすることの楽しさや面白さを感じられたことを今でも鮮明に覚えています。

私の演じる田島謙作は、ザ・昭和のど真ん中に生きているお父さんです。真っ直ぐで、愚直で、不器用な頑固おやじ。

誰よりも馬鹿純粋なんじゃないかと思っています。これから少しずつそのお父さん像を作っていきたいです。

小林聡美さんとは約30年ぶりの夫婦役になります。そして私自身は10年ぶりの舞台、木野さんの演出を受けるのは初めてになりますので、緊張もしていますがとても楽しみです。皆さんも是非楽しみにしていてください。

細田佳央太コメント

田島繁を演じます、細田佳央太です。

今回、これだけのベテランの方々に囲まれて舞台という場でお芝居をできることが本当に楽しみです。約50年近く前に放送されたドラマの舞台化ということで、非常にワクワクとした気持ちがありますし、時代が変わったからこそ新たに見えてくる家族像があると思っています。

舞台という場所での経験値はまだまだ足りておらず至らない点もあるかと思いますが、多くを吸収しながら、より良い作品をお届けできる様頑張ります。

芋生悠コメント

律子という役にこれから出会えること、

そして、ずっとご一緒したかった木野花さんの演出のもと、素敵な演者の皆さまと同じ空気を吸いながら、あらゆる可能性を探っていけることが楽しみでなりません。

日々変化する感触を大切に、この身体のすべてで体現できるよう努めます。

“家族”の在り方を断言できないように、田島家がどんな景色を見据えるのかは未知数ですが、だからこそ、その計り知れなさに賭けてみたいと思っています。

行く末を見届けていただけたら幸いです。

前原滉コメント

堀先生役を務めさせていただく前原滉です。

舞台のお仕事で日本の方の演出を受けた経験があまりなく、初舞台のような気持ちでとても緊張します。

演出の木野花さんをはじめ、キャストの皆様も素敵な方々ばかりでワクワクと不安と恐怖といろんな感情がごちゃ混ぜになっております。

まだ始まってないのに。始まったらどうなってしまうんでしょうか。

とにかく頑張ります。是非劇場に見に来てくださいませ。

伊勢志摩コメント

ドラマが放送されていた当時、母親は見ていたような気がします。テーマ曲の「Will You Dance?」もこのドラマで初めて耳にしたのか? スタンダードだからか? 自分でもこのドラマを見たことがあるのか、ないのか? 再放送だったのか? もうよくわからないけれど知っていて、なんだか自分の中では馴染んでいました。

舞台のお話が決まったとき、改めて全話観ました。号泣でした。55歳にして泣けました。今見直してよかった、今、演れてよかったです。

夏生大湖コメント

ついに!!!と思いました。やってみたかったけど臆病な僕はどこか避けたかった舞台でのお芝居。

その初めてがついにきたか、と思いました。テイク2の無いその場、その時限りのお芝居をお客様に届けることが怖くもあり楽しみです。初舞台なので初めてだらけですが、今の全力を出してより成長していけたらと思っています。

不安は大きいですが、初めてだから仕方がない!と腹を括り、たくさん吸収していきたいと思います。

頑張ります!!!

田辺誠一コメント

子供の頃は多摩川の河川敷で釣りをしたり野球をしたり自転車に乗ったりして遊んでいました。その僕の地元から上流に自転車で15分走ると、その場所があります。51年前の1974年の出来事、1977年のドラマですが、今でもその現場近くを車で通ると、必ずその出来事を思い出します。人生とは、家族とは、幸せの種類、いろんな感情が湧き上がる色褪せない物語を、素晴らしいキャスト・スタッフと共に作りあげるのが今から楽しみです。

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舞台「岸辺のアルバム」

開催日程・会場

2026年4月3日(金)〜26日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト

2026年5月
大阪府 松下IMPホール

スタッフ

作:山田太一
脚色:倉持裕
演出:木野花

出演

小林聡美 / 杉本哲太 / 細田佳央太 / 芋生悠 / 前原滉 / 伊勢志摩 / 夏生大湖 / 田辺誠一

公演・舞台情報

読者の反応

2分でだいたい分かるニュース @koto_tsumu

八千草薫→小林聡美
杉浦直樹→杉本哲太
国広富之→ 細田佳央太
中田喜子→ 芋生悠
津川雅彦→ 前原滉
竹脇無我→田辺誠一
原知佐子&沢田雅美→ 伊勢志摩
村野武範→ 夏生大湖

風吹ジュンの役は今回無さそう

#岸辺のアルバム https://t.co/ETUvXLOSEv

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