東京・TBS赤坂ACTシアターで上演中の
舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」は、小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者J.K.ローリングが、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンと共に舞台のために書き下ろした「ハリー・ポッター」シリーズ8作目。劇中では、小説の最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」から19年後、父親になった37歳のハリー・ポッターとその息子アルバスの関係を軸にした冒険が繰り広げられる。
本作の舞台手話通訳付き公演の実施は、昨年7月に決定。その後も舞台手話通訳を務める田中結夏と江副悟史、手話監修の森田明と打ち合わせを重ね、担当者たちは台本を受け取ってから約3カ月の準備・稽古を重ね、本番を迎えた。
舞台手話通訳付き公演当日は、ロビーや客席に手話通訳スタッフが配置されたほか、場内アナウンスでも手話通訳を実施。字幕機器の貸し出しスペースや、筆談ボードやコミュニケーションボードも追加設置された。本番中は、舞台に向かって左側のエリアに舞台手話通訳対象席を設置。客席エリアに設置された台の上で、キャストと同じグリフィンドールのローブを着用した通訳者により、舞台手話通訳が行われた。
また舞台手話通訳対象席の一部に設けられた“抱っこスピーカー対象席”では、観客が持参したスピーカーが音響機器と接続され、音の振動も客席に届けられた。カーテンコールでは、ハリー・ポッター役の吉沢悠が手話で通訳者を紹介。最後は出演者全員が手話で挨拶した。
第1幕の舞台手話通訳を担当した田中は「2025年に入ってからは舞台手話通訳付き公演をご覧くださるお客様の人数自体が圧倒的に増えたことを実感じ、背筋の伸びる思いでいっぱいです。引き続き、より良い舞台手話通訳のかたちを追求し、お客様に心から作品を楽しんでいただけるようなアクセシビリティとなるよう、一つ一つ課題と向き合ってまいります」とコメント。第2幕の手話通訳を務めた江副は「今年、大きな舞台で相次いで舞台手話通訳が実現し、ろう者のお客様から『楽しかった!』『手話で見て楽しめるっていいね!』などの言葉をいただけて、幼い時、『(ろう者が)もっと楽しめる時代がいつか来ると信じて』と励まされた記憶を思い出しました。まだ障がいのある観客が100%楽しめる時代とは言えないと思いますが、ようやくスタートラインに立てたかなと思います」と思いを語った。
なお舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」では通常公演でも、字幕機器の貸し出しや筆談ボード、コミュニケーションボードの設置など、さまざまな鑑賞サポートを実施している。詳細は公式サイトで確認しよう。
田中結夏コメント
本作品の舞台手話通訳付き公演は日本では前例がないため、それぞれのキャラクターのサインネーム(手話で表現するあだ名)や、劇中で使用される固有名詞、呪文等のより良い表現を求めて、ペアである江副さんや手話監修の森田さんと共に何度も検討を重ねました。お客様の「ハリー・ポッター」シリーズの知識量には個人差があるので、マニアの皆様も初見の皆様にも楽しんでいただけるような翻訳のレベル感をチーム内で一致させることも重要なポイントでした。
作品や出演者の皆様を好きになっていただきたい一心で通訳しているので、お客様のこれからの観劇体験に繋がるきっかけになればとても嬉しいです。2025年に入ってからは舞台手話通訳付き公演をご覧くださるお客様の人数自体が圧倒的に増えたことを実感じ、背筋の伸びる思いでいっぱいです。引き続き、より良い舞台手話通訳のかたちを追求し、お客様に心から作品を楽しんでいただけるようなアクセシビリティとなるよう、一つ一つ課題と向き合ってまいります。
江副悟史コメント
「ハリー・ポッター」はファンが多いので、呪文はどう表現するのか、それぞれのキャラクターをどう演じていくのか、本作品ならではの名言(教訓)もきちんと解釈を理解し、どう手話で表現していくか、田中さんと監修の森田さんと一緒にかなり悩みました。準備がとても大変だったので、終えた時はまず、「はぁ……楽しかったぁ」と思いました(笑)。
お客様から多くの拍手をいただいた時は、舞台関係者皆の、「ろう者のお客様にも楽しんでもらいたい」という思いが一つの形になったことを実感し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
今年、大きな舞台で相次いで舞台手話通訳が実現し、ろう者のお客様から「楽しかった!」「手話で見て楽しめるっていいね!」などの言葉をいただけて、幼い時、「(ろう者が)もっと楽しめる時代がいつか来ると信じて」と励まされた記憶を思い出しました。
まだ障がいのある観客が100%楽しめる時代とは言えないと思いますが、ようやくスタートラインに立てたかなと思います。
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舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」
2022年7月8日(金)〜2025年10月31日(金)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
スタッフ
オリジナルストーリー:J.K.ローリング
脚本・オリジナルストーリー:ジャック・ソーン
演出・オリジナルストーリー:ジョン・ティファニー
振付・ステージング:スティーヴン・ホゲット
演出補:コナー・ウィルソン
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norikichishio @norikichishio
最後は吉沢悠らキャスト全員が手話であいさつ、ハリポタ舞台で手話通訳付き公演を実施(コメントあり) https://t.co/hy8GF2WcbK ●PR→ https://t.co/DZvYAUwGz6 #ファッション #メンズファッション
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