加藤シゲアキが“書けない作家”演じる「エドモン」開幕、加藤自身は「書けずに困ることはない」

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加藤シゲアキが主演するパルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」が昨日4月7日に東京・PARCO劇場で開幕した。これに先駆け同日昼、フォトコールと開幕前会見が行われた。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より、加藤シゲアキ扮する劇作家エドモン・ロスタン。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より、加藤シゲアキ扮する劇作家エドモン・ロスタン。

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パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」開幕前会見より。左から瀧七海、安蘭けい、加藤シゲアキ、村田雄浩、マキノノゾミ。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」開幕前会見より。左から瀧七海、安蘭けい、加藤シゲアキ、村田雄浩、マキノノゾミ。[拡大]

本作は、フランスの劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクが2016年に初演し、2018年にはミシャリクが監督を務めて映画化(「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」)したコメディ作品。劇中では1897年のパリを舞台に、実在した劇作家エドモン・ロスタンが「シラノ・ド・ベルジュラック」の上演に向けて奮闘する姿が描かれる。日本ではマキノノゾミの上演台本・演出、加藤の主演により2023年に初演された同作が、このたび再演される。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より、加藤シゲアキ扮する劇作家エドモン・ロスタン。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より、加藤シゲアキ扮する劇作家エドモン・ロスタン。[拡大]

フォトコールで披露されたのは、さまざまな事態が発生する中、「シラノ・ド・ベルジュラック」の初日公演が行われるシーン。スピーディな場面転換とキャストによる複数役の演じ分けにより、幕が上がる前の混乱や、本番中の舞台上と舞台裏の対比がにぎにぎしく描かれた。加藤はキリリとした目つきで、木の棒を力強く床に打ち付けて開演を合図し、エドモンの決意を示す。エドモンが本番の行方を見守る中、観客から笑いが起こる場面では、加藤の顔つきが不安げなものから驚きに満ちた表情に変わり、確かな手応えを感じたエドモンの興奮が生き生きと伝えられた。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

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開幕前会見にはキャストの加藤、村田雄浩瀧七海安蘭けい、上演台本・演出のマキノが登壇した。加藤は「2年前の初演では物語さながらにカンパニーがドタバタしていたので、あのドタバタをまたやるのかという楽しさと不安が同時に押し寄せていますが、このドタバタの勢いが逆に面白くお客様に伝わるのでは」と笑顔で話す。初参加となる村田は「最初の顔合わせのときに(続投の)みんなから『地獄へようこそ』と言われました(笑)。映画の台本かのようにテンポが速く、セリフの量が本当に多いです。加藤くんのセリフ量がむちゃくちゃ多いのでなかなか言えないですけど」と大変さを明かした。マキノは「“出演者の地獄はお客様の天国”」と不敵な笑みを見せつつ「エドモンがひどい目に遭えば遭うほど面白い作品。映画と違うのは生であることと、舞台では無理だとされるような場面転換を人間の力で成し遂げること。体力勝負ですが珍しいタイプのコメディ」と本作の魅力をアピールした。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

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安蘭は「今回は芝居を練り込められて、『エドモン』という作品が分厚くなっている」と語り、「前回はコロナ禍の最中だったのでお客様と出演者の距離をちょっと遠く感じたのですが、今回はお客様も笑いや拍手で参加していただけたら」と期待を込める。本作が舞台初出演となる瀧は、加藤や村田に成長の速さを褒められ頬を緩めつつ、「稽古場では皆さんがにぎやかにお話されている様子を見るのが密かな楽しみでした」と振り返る。加藤は稽古場での過ごし方について「すごく身体が疲れる作品なのでマッサージをしたり、『どこのストレッチ器具が良い』とか話したり。あと、ずっと誰かが何かを食べています(笑)。そうしないと乗り切れない」と話した。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

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エドモンが筆が進まず苦悩する劇作家であるのに対し、加藤は小説家として「書けずに困ることはないんですよね」と言い、「書けないというより時間がない。今も1つ締切が近いものがあって、『エドモン』の稽古をやりながら書いている」と明かした。また舞台脚本を書くことについて、加藤は過去に自身の小説「染、色」を戯曲化した経験を振り返り「自分の書いたセリフをキャストの方が言ってくれて、すごく楽しかったんですよね。またいつか書きたいなと思ってはいる」と意欲を見せる。すると村田が「そのときは絶対出演したい」と前のめりになり、マキノも「役者として出る」と宣言。加藤は「(『エドモン』のように大変な)めちゃくちゃ動き回るキャラクターにします(笑)」と応じ、カンパニーの仲の良さをのぞかせた。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

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会見では、ミュージカル「ホリデイ・イン」に出演中のNEWSのメンバー・増田貴久についての話題も。加藤は「すぐ近く(の東京・東急シアターオーブで)でやっているので差し入れしたいですね」と言い、観劇予定があるかと記者から問われると「観たいんですけど、下手したら疲れていて寝てしまう可能性もあるじゃないですか。万全な体調で行けるかスケジュールを見直します」と真摯に回答した。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。[拡大]

最後に、加藤は「劇作家が無茶ぶりされてドタバタするコメディですが、きっと劇作家のみならず多くの方が、上司やら先輩やら会社から無茶ぶりされる日々を過ごしていると思いますので、本作は憂さ晴らしにもなるし、励みにもなるんじゃないかなと(笑)。キャスト12人を観ながら『こんなに苦労している人たちがいるんだな』と優越感にひたってもらえたら」と冗談混じりに述べ、「間違いなくチケット代以上の価値があるのでお越しいただけたらうれしいです」と力強く呼びかけた。

パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」より。

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上演時間は約2時間5分。東京公演は4月30日まで。本作はその後、5月9日に大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール、17日に福岡・福岡市民ホール 大ホール、24日に愛知・豊田市民文化会館 大ホールにて上演される。

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パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」

2025年4月7日(月)〜30日(水)
東京都 PARCO劇場

2025年5月9日(金)・10日(土)
大阪府 東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール

2025年5月17日(土)・18日(日)
福岡県 福岡市民ホール 大ホール

2025年5月24日(土)
愛知県 豊田市民文化会館 大ホール

スタッフ

作:アレクシス・ミシャリク
上演台本・演出:マキノノゾミ

出演

加藤シゲアキ / 村田雄浩 / 瀧七海 / 細田善彦 / 福田転球 / 三上市朗 / 土屋佑壱 / 枝元萌 / 佐藤みゆき / 阿岐之将一 / 堀部圭亮 / 安蘭けい

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