人類学者・森丑之助をモデルに石原燃が描く、Pカンパニー「フォルモサ!」

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Pカンパニー 第44回公演『フォルモサ!』 ~シリーズ罪と罰CASE13~」が3月13日から17日まで東京・吉祥寺シアターにて上演される。

Pカンパニー 第44回公演「フォルモサ!」 ~シリーズ罪と罰CASE13~ビジュアル

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Pカンパニーが主催する「フォルモサ!」は、石原燃が作劇、小笠原響が演出を手がける公演。本作では明治後期の台湾を舞台に、人類学者の百木太郎を巡る物語が展開する。手つかずの自然が残り、人々がそれぞれの文化を守って暮らしていた台湾は、百木にとって夢のような生活だった。が、総督府によって事態は一変し……。

上演に向けて石原は「この物語は実在する人類学者・森丑之助をモデルにしたフィクションです。森は日本では無名ですが、台湾では多くの人に慕われた人物です。いまも、深い親しみを込めて、森の名前を口にする人に出会うことがあります。森は、台湾における原住民の研究に大きく貢献しましたが、その根底には植民地支配があり、当時の人類学も、植民支配した場所に暮らす人々や先住民を記録するもので、とても差別的な色合いを伴ったものでした。にも関わらず、いまも人々が森を慕う理由が知りたい。それが、この作品を書き始めた最初の理由です」と思いを述べ、「日本の植民地政策は、台湾の近代化に貢献したとよく言われます。当時、首狩りの習慣を持つ原住民は、『野蛮』な民族として、『蕃族』と呼ばれており、彼らの暮らしを近代化させることもまた、植民地支配のお題目のひとつでした。近年、環境問題の深刻化などによって、近代化とはなにかということが問い直されつつあります。そうした中にあって、台湾における日本の植民地政策を見つめ直す作品になればと思っています」と作品への意気込みを語った。

出演者には林次樹、須藤沙耶、劇団青年座の松田周、内海裕真、水野ゆふ、宮川知久、内田龍磨、森源次郎、山田健太、秋田遥香が名を連ねた。

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Pカンパニー 第44回公演「フォルモサ!」 ~シリーズ罪と罰CASE13~

2025年3月13日(木)〜17日(月) ※公演終了
東京都 吉祥寺シアター

スタッフ

作:石原燃
演出:小笠原響

出演

林次樹 / 須藤沙耶  / 松田周 / 内海裕真 / 水野ゆふ / 宮川知久 / 内田龍磨 / 森源次郎 / 山田健太 / 秋田遥香

※65歳以上割、U-25チケットあり。

公演・舞台情報

読者の反応

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keiko ibi @stomatitis777

Pカンパニー『フォルモサ』観劇。日本統治時代の原住民討伐を巡る物語…こんなに気持ちをざわつかせてくれるドラマに久々出会った。知り合いと色々モヤモヤしたね〜と話しながら帰路につく。劇中衝撃を受けたエリ・リャオさんの歌声が素晴らしくCDを買った。楽しみ♪
(お名前誤記にてあげ直しました💦) https://t.co/08QNyAT0x0

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