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文士劇は、専門俳優以外の文人、劇評家、画家などによって演じられる芝居。今回は、東野圭吾のデビュー作「放課後」を
さらに生徒指導部長の村橋役に黒川博行、体育教諭の竹井役に百々典孝、理事長・校長の栗原役に木下昌輝、教頭の松崎役に小林龍之、国語教諭でバレーボール部顧問の堀役に澤田瞳子、養護教諭の志賀役に黒川雅子、英語教諭・英会話クラブ顧問の麻生恭子役に玉岡かおる、校務員のバンさん役に朝井まかて、刑事の大谷役に門井慶喜、前島の妻・裕美子役に一穂ミチがキャスティングされた。ビジュアルには、出演メンバー16名がセーラー服や詰襟の学生服や、体操服に身を包んだ姿が収められている。
公演は、11月16日に大阪・サンケイホールブリーゼにて。チケットの一般販売は9月1日12:00にスタート。村角、黒川、朝井、湊、東山のコメントは以下の通り。
村角太洋コメント
東野圭吾さんの原作は、読み込めば読み込むほど発見があり、これを文章のスペシャリストである皆さんと、一本のお芝居にするのはとてもプレッシャーがあります。でも、普段私がやっているコメディと同じで、色々なところに伏線がはられ、最後のどんでん返しに向けて物語が集約されていくところが似ていると実感。東野さんは「どうぞ自由に」と言ってくださっているのですが、やはり強固なミステリーの面白さはしっかりと出したいです。そのうえで作家の方々がお芝居をする文士劇の面白さ、楽しさも出していけたら。キャスティングは皆さんの声質や佇まいから直感で決めました。普段、登場人物の心情を文章で表され、感情面を熟慮されている皆さんが、お芝居でどのような表現をされるのか。それこそが文士劇の面白さでしょう。僕は舞台上では誠実さが大切だと思っているのですが、皆さんのこの舞台に誠実に向き合う熱量がすごい。そこをお客様にうまく伝えられるように演出していきたいです。また、十何年芝居をしてきた僕としては、皆さんが本番を迎え、「演劇って楽しいじゃないか!」と思っていただけたら嬉しいですし、お客様は不思議な入り口に立つ気分だと思うのですが、同じく演劇の楽しさを感じていただきたいです。
黒川博行コメント
作家は基本的に孤独やから、みんなでワイワイ言いながらこの文士劇を創っていくのは楽しいです。ただ実行委員長をしてみて、舞台は実現するまでのプロセスが大変なのだとよく分かりました。周りのプロのスタッフにはとても助けてもらっています。最初は盛岡文士劇のように時代劇をしようという話もあったのですが、衣装や小道具など費用がかさむので、それなら学園ものでいこう!となり、ふと浮かんだのが東野圭吾くんの「放課後」。彼に相談すると「どんなふうに変えてくれてもいいですよ」と承諾してくれて、有難かったです。僕は日本推理作家協会の文士劇に出たことがあり、教師の頃は文化祭でシェイクスピア劇も経験。お芝居の楽しさを少しは知っているつもりですが、やはり素人ですから一生懸命自分の役をまっとうするだけです。できれば早く殺される役にしてほしい(笑)。基本的に文士劇はユーモアがあり、作家たちが真面目に演技しているのが面白いのでしょう。健康第一に本番を迎えたいですね。
朝井まかてコメント
数年前、先輩作家の葉室麟さんのお墓参りで澤田瞳子さんと九州へ行き、高樹のぶ子さん、東山彰良さんも合流した食事の席で、ふと「文士劇やりたいね」「やろう!」となり、黒川博行さんに委員長をお引き受けいただきました。そして、周りに声をかけたら、あっという間に16人集まりました。私は頭だけでなく全身を使って小説を書いている自覚があり、例えば暑いシーンは実際に暑く感じるなど、実感があって言葉になり、演出、装置などすべて一人でやっているわけです。それがこんなにチームワークが大事なことに踏み出し、普段使わない筋肉を使っているのですが楽しいです。高校時代は演劇部で、今も文楽や歌舞伎を観るのが好きですが、実行委員をするなかで文芸界との常識の違いに驚くことも多々。ミステリーを文士劇として見せるのは難しいかもしれませんが、脚本・演出の村角さんが原作の魅力を損なわず、お芝居でしかできないことを考えてくださっているので楽しみです。
湊かなえコメント
この文士劇に声をかけていただいたのは、それまで当たり前にできていたことが、コロナウイルスでできなくなっていた頃。その閉塞感を突き破り、今までを取り戻すのではなく、もっと楽しいことをするんだ!と思って、お誘いいただきとても嬉しかったです。私は執筆中には頭の中に物語の映像があるのですが、恐らくほかの作家の方も台詞を声に出す出さないは別にして、一人芝居をしているようなもので、物語を監督のように俯瞰していると思います。そんな皆さんが役や物語をどう解釈し、どんな表現をするのか楽しみです。「放課後」は初めて読んだ東野さんの作品。ちょうどテレビドラマ版が放映されていて、その緻密なトリックをきちんと確認したくて読みました。舞台ではあのトリックをどう見せるのでしょうか!? 私は(撮影時の)三つ編みが似合う役なのかまだ分からないのですが(笑)、どの役になっても作品を読み込み、キャラクターの役割を感じてもらえるように頑張りたいです。
東山彰良コメント
ずいぶん前から、東京ではなく地方から何か発信できないかと、作家の皆さんは思っていたと思います。この文士劇の企画が持ち上がると、黒川さんや朝井さんを筆頭に本気で動き出してくださって。もう後に引けないですから、僕は大阪に長期滞在する覚悟で誠心誠意、全身全霊でやりますよ。実は以前、岩手に根ざしている盛岡文士劇を観に行ったことがあり、触発されたところはあります。僕らは芝居については素人なので、脚本の面白いところも真剣なところも変な色気は出さず、脚本通りにやるしかない。きっとどれだけ自分を捨てられるかでしょうね。僕は全部捨てるつもりです! 東野さんの作品は謎が二転三転し、ひとつのトリックだけを切り札とせず、早い段階で違う札も出してきて、ずっと読者を惹きつけるところが魅力。「初めまして」のメンバーも多いなか、これからの稽古で新しい発見をし、みんなでぶつかり合いながら高みを目指していけたら最高でしょうね。
澤田瞳子コメント
私は大学生のとき、日本推理作家協会さんがなさった文士劇「ぼくらの愛した二十面相」をテレビ放送で観て、すごく楽しそうだなと思っていたので、この企画が持ち上がったときはすぐお話に乗りました。今回参加してくださった方は気持ちの優しい方ばかりで、実行委員もしている私としては、皆さんが楽しそうにしているのを、はたから見られてとても嬉しいです。セーラー服や学ランを着ての撮影では、みんな高校生のノリでしたね。人間は服装や格好で属性が決まるんだなと思いましたし、同じ高校時代を過ごしたように心がひとつになって驚きました。私は大学生のとき能楽部でお能をやっていて、「それなら今回大丈夫だね」と朝井まかてさんに言われるのですが、演劇自体は初心者ですし、それとこれとは違うぞ、と思っています(笑)。西日本での文士劇は珍しいですが、観客の皆さんと距離があるからこそ、作家にこんな展開があることを知っていただければと思います。
なにげに文士劇2024 旗揚げ公演「放課後」
2024年11月16日(土) ※公演終了
大阪府 サンケイホールブリーゼ
スタッフ
原作:東野圭吾「放課後」(講談社文庫)
脚本・演出:
出演
黒川博行 / 朝井まかて / 東山彰良 / 澤田瞳子 / 一穂ミチ / 上田秀人 / 門井慶喜 / 木下昌輝 / 黒川雅子 / 小林龍之 / 蝉谷めぐ実 / 高樹のぶ子 / 玉岡かおる / 百々典孝 /
※U-25チケットあり。
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龍谷ミュージアム元館長のつぶやき @tirisawa
関西在住の作家16名による文士劇が11月16日に開催されます。楽しそう https://t.co/y0azrRPmXY