「養生」は、
百貨店の内装作業を行う夜勤のバイトで出会った橋本と阿部は、数年後、その職場で正社員になっていた。橋本はあるとき、人気作家になった同期の展示が百貨店の画廊エリアで開催されることを知り……。
上演に際して池田は「今回のキャストスタッフから生まれるだろう、新たな旅路を存分に描きたいと思います」とコメントした。
なお本作は「第34回下北沢演劇祭」の上演演目にラインナップされている。
池田亮コメント
日雇いの夜勤を沢山していた頃、価値観が大きく変わりました。例えば、当時好きだった人気アーティストのライブだからという理由で連日参加した夜勤の設営で「命がけでやれやー!」「帰さねぇぞー!」と叫ぶ管理者や、蹲ったアルバイトスタッフのメットを「サボんなやー!」と叩き、同じく叫ぶアルバイトスタッフもいて、何名か失踪した後、やっと設営が終わった後に舞台に立って「やさしさが世界を救うー!」のような歌を叫ぶアーティストがおり、結構な世界でした。今になって、あれに感動してしまった自分とは何かと考えました。で、今はどうなのだろうと気になって、調べるため最近また行ってみました。結果、また結構な世界でした。集団で何かのために働くこと、その「何か」とは何かを考えつつ、今作、自分は日雇いの現場へ通いながら、お金を稼ぎながら研究と稽古と体験をしながら、日々変化し続けるクリエイションを行います。危険と感じたら当然直ぐに辞めます。無事本番を迎える予定です。過去と最近の日雇い現場で出会った全ての人たちとアーティスト含め、全員に観ていただきたい何かを作る所存です。
別の話ですが、主宰の田中祐希が働いているバイト先で痛い目にあったそうです。自分としましては辞めていただくことを推奨したのですが「もしかしたら、俺がこのバイト先をなんとかできるかもしれないから続けてやりますわ!」と謎な意気込みを話していました。辞めていただくことを引き続き推奨中ですが、そんな主宰の想いも作品に込めます。今作は、彼と二人だけの稽古場から立ち上げていった、ゆうめいの旗揚げ公演「俺」を今一度振り返るようなクリエイションにする予定です。
ゆうめいに何度も参加していただいております黒澤多生さんにも重要な役を担っていただきます。東京外への旅公演でも、よく寝どころを一緒にしながら作品を作り続けてきました。共に体験した様々なことを振り返り、それらを取り入れて作っていきます。
そして今回、「ウンゲツィーファ」主宰の本橋龍さんにご出演いただきます。ウンゲツィーファの作品を自分は大好きでして、プライベートでもいろいろ話した本橋さんの生き方や考え方に共感し、影響され、もっとよく知りたいと思い、今回主演を担っていただきたくオファーしました。
今回のキャストスタッフから生まれるだろう、新たな旅路を存分に描きたいと思います。
下北沢演劇祭、ザ・スズナリにて心よりお待ちしております。
一野篤 @atsvshi
こんなもん絶対おもろいやん https://t.co/1j5ROjMtAy