「言の葉の庭~The Garden of Words~」東京公演の取材会が昨日10月25日に東京都内で行われ、出演者の
本公演は、2013年に公開された新海誠監督による劇場アニメーション「
劇中では、年上の女性・雪野百香里(谷村)と出会い、雨の日だけの逢瀬を重ねるようになった高校生の秋月孝雄(岡宮)を中心とする物語が展開。原作の劇場アニメーションを観ていたという岡宮は、舞台出演にあたり小説版を読んだそうで、「小説では登場人物のバックボーンがより鮮明に描かれていて、寂しさやつらさがありました。でも今は、孝雄と雪野の関係にはただの恋心ではない“支え”のようなものがあるんだなと、稽古をしながら感じています」とコメント。谷村は「雪野には“ミステリアス”という言葉ではカッコ良く収まりすぎるくらい、つらい背景があって、この役を演じる重さを実感しています」と話す。
また、舞台版では孝雄と雪野以外にもさまざまなキャラクターが登場する。岡宮は“場を引き締めるような人にならなければいけなかった”伊藤先生を例に挙げ、「いろいろな人に当てはまるような登場人物ばかり。僕は長野の田舎でのほほんと育ったので当てはまらないかもしれませんが(笑)、“自分だけじゃない”と思える、救いになるような作品になるのでは」と述べた。
クリエーティブスタッフと出演者が意見を交わし合うワークショップを経て、稽古場では日々、脚本が変更され、常に新しい作品に生まれ変わっているという。岡宮は演出のラターについて「一緒に作り上げているという感覚があって、温かい方。だからカンパニー自体も温かく、たまにぽかぽかして眠くなる瞬間がある」と岡宮節で語り、記者たちを笑わせた。一方、谷村は「セリフを話している間に音楽がかかるお芝居の経験があまりなくて、イチからスタートするような心境」と明かしつつ、「身体を使った表現や、パフォーマンスのような場面転換なども新鮮で、そのリズムを未だにつかめていません(笑)。慣れないまま本番が始まってしまいそうですが、そんな状況に飲み込まれながらも楽しんでいます」と微笑んだ。
ロンドン公演では1・2幕ものとして上演されたが、東京公演では休憩なしの1幕ものとして構成される。岡宮によると見どころはOHP(オーバーヘッドプロジェクター)を使用したシーンで、舞台上で描かれた絵がリアルタイムでさまざまな映像に重ねられて投影される。ロンドン公演の映像を観た谷村が「その場面は孝雄の脳内という印象でしたが、東京公演では違う雰囲気になりそう」と声を弾ませると、岡宮は「ダイナミックな演出のシーンもあれば、息をのむような瞬間もある。僕は舞台上と客席が静寂に包まれる瞬間が大好きで、今回もそんな神秘的なシーンがたくさんあるんじゃないかなと思います」と話した。
最後に岡宮が「原作をリスペクトして一生懸命作っています。一緒に苦しく、つらくなってほしいですし、その気持ちを心に留めながらこれからを過ごしたいと思えるような、温かみのある作品になると思います。ぜひ期待して観に来てください」と呼びかけ、谷村は「お稽古をしながら、雪野さんとリンクするみたいに『人間はこれだけできるのか』と思い、皆さんで作り上げていく過程が本当にまぶしい。胸いっぱいになりそうだなと今は感じています」と公演への期待を語った。「言の葉の庭~The Garden of Words~」は11月9日から19日まで、品川プリンスホテル ステラボールで上演される。
舞台「言の葉の庭~The Garden of Words~」
2023年8月10日(木)~9月9日(土)※公演終了
イギリス Park Theatre
2023年11月9日(木)~19日(日)
東京都 品川プリンスホテル ステラボール
原作:劇場アニメーション「
演出:アレクサンドラ・ラター(Whole Hog Theatre)
共同翻案:スーザン・もも子・ヒングリー
出演(ロンドン公演):Hiroki Berrecloth、Aki Nakagawa ほか
出演(東京公演):
※山崎紫生の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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新海作品PRスタッフ @shinkai_works
【会見レポート】ぽかぽかして眠くなるほど“温かい”カンパニーで臨む舞台「言の葉の庭」に岡宮来夢・谷村美月が自信 https://t.co/TznnQxv7zV