5月1日に開幕したKOKAMI@network「ウィングレス(wingless)ー翼を持たぬ天使ー」のリモート合同取材会が本日19日に行われ、主演の
新作となる本作では、人間の女性に惚れて天使をやめた元天使(福田)の物語が、歌やダンスを交えながら描かれる。失恋した元天使は「もう一度天使に戻りたい」と神様に頼み込むが、神様は「1人の人間を本当に救う」ことを交換条件に出した。そんなとき元天使は、スピリチュアル的陰謀論“宇宙の声”にハマった母親を持つ小学生・麻衣と出会う。元天使は麻衣を救うため、“宇宙の声”の代表と戦い始め……。
鴻上は「最近の世の中は陰謀論を含め、何が正しくて何が正しくないかがすごく混沌としている。芝居の中でも出てくるのだけど、この国の僕たちは神秘的なことは受け入れるのに、宗教に対してはすごく警戒心がある。そういったことを考えながら『混沌とした時代に“本当に人を救う”とはどういうことだろう』と思ったのが始まり」と本作を書いた背景を語る。
本作と同様に、人間になった天使“元天使”が登場する1988年初演作「天使は瞳を閉じて」との関連があるかを問われた鴻上は、「意識はしていなかった」と言いつつ、「『天使は瞳を閉じて』は人間になってがんばろうとする元天使の話だけれど、今回は天使に戻るためにあがく話。ベクトルとしては真逆ですよね」と言い、「当時はカルト宗教が話題になった時代だったけど、今もまた同様。無意識に元天使という題材を思い付いたのかもしれません」と振り返った。
公演の面白さについては「放し飼い状態の(渡辺)いっけいさんと、それを受け止め打ち返す福ちゃん(福田)」と楽しそうに述べ、「渡辺いっけいという人は日々変化球を投げてくるんだよね。俺だったら『ちょっとあんた、いい加減にしなさいよ』と思うところを福ちゃんは『そこまでする?』というくらいしっかり受け止めていて。演劇に達者な人たちに満ち満ちている空間の楽しさを味わってもらえるとうれしいです」とアピールした。
そんな福田は鴻上作品にかねて出演してみたかったと言い、その理由を「鴻上さんの“エキス”が欲しかった」と答える。鴻上から「ちょっと意味がわからないですね(笑)」とツッコまれながらも、福田は「今お芝居がすごく楽しくて。鴻上さんがどんなふうに作品を作り、どう演出するのかを自分の肌で感じたかった」とにこやかに話した。
実際に鴻上の描き出す作品世界に入ってみた感想として、福田は「鴻上さんが作品を通じて問いかけている“本当の意味で人を救う”とは何かという疑問が、自分の中でリアルに膨らんでいく感じがしています。自分の人生の課題になりそう」と語り、大阪公演に向けて「簡単でないテーマの作品を、軽やかに演じるためには体力が要るので、充実感と共に疲労感もあります。ただ本作ではそんな疲労感も生かすことができるので、大阪公演までにもっともっと良いものになると思います」と意気込んだ。
東京公演は5月21日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで行われている。大阪公演は27・28日に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。
KOKAMI@network vol.19「ウィングレス(wingless)ー翼を持たぬ天使ー」
2023年5月1日(月)~21日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2023年5月27日(土)・28日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
作・演出:
出演:
※三上さくらと中川陽葵はWキャスト。
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舞台『ウィングレス(wingless)ー翼を持たぬ天使ー』【公式】 @wingless2023
舞台『ウィングレスー翼を持たぬ天使ー』
我らが天使役👼 福田悠太さんと作・演出の鴻上尚史のインタビュー記事がステージナタリーさんに掲載されました!
東京公演もあと2日!
27日〜は大阪公演!
ぜひお見逃しなく!
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