中谷美紀「猟銃」ニューヨークで上演、相手役にミハイル・バリシニコフ

「猟銃」が、3月16日から4月15日までアメリカ・ニューヨークのバリシニコフ・アーツ・センターで上演される。

これは、フランソワ・ジラールが中谷を主演に起用し、井上靖の同名小説を舞台化した作品。2011年にカナダと日本で初演され、2016年に日本で再演された。本作で初舞台初主演を果たした中谷は、初演時に読売演劇大賞優秀女優賞、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。このたびバレエダンサーのミハイル・バリシニコフを共演に迎え、約7年ぶりに本作に挑む。演出は引き続きジラールが務める。

劇中では、1人の男・三杉穣介の13年間にわたる不倫の恋が、妻、愛人、愛人の娘からの3通の手紙によって暴かれていく。中谷は3人の女性を1人で演じ、彼女たちの中にある愛と憎悪をモノローグ芝居を通じて浮かび上がらせる。一方、手紙の断片が映し出されたスクリーンの奥にいるバリシニコフは、肉体を駆使して、三杉の苦悩や行動を表現する。禅の美学を織り交ぜた演出や美術も本作の特徴だ。