“今できる”「ダブル・トラブル」に！浜中文一＆室龍太、上口耕平＆水田航生の稽古場公開

12月12日に東京・自由劇場で開幕する「ミュージカル『ダブル・トラブル』2022-23冬」のオンライン公開稽古と取材会が本日2日に行われた。

「ダブル・トラブル」は、2人の俳優が10人余りの登場人物を演じ分ける、アメリカ・ブロードウェイ発のミュージカルコメディ。劇中では、アメリカ・ハリウッドにやって来た兄ジミーと弟ボブが、2人の夢だった映画音楽を書くチャンスをつかむも、次々と訪れる人々に翻弄される様子が描かれる。本作は昨年日本で初演され、今回で3度目の上演を迎える。公演はTeam D・Team E・Team Fの3チーム制で行われ、公開稽古と取材会にはTeam Dの浜中文一と室龍太、Team Eの上口耕平と水田航生、そして日本初演から演出を手がけているウォーリー木下が出席した。浜中は本作に2度目の参加、室と上口と水田は初参加となる。

公開稽古では各チームが1曲ずつパフォーマンスを行った。浜中＆室が披露した「二人だけで（Just The Two Of Us）」は冒頭のナンバー。2人は、念願のハリウッドにやって来たジミーとボブの高揚感と成功への意欲を、息ぴったりの掛け合いで軽やかに表現する。上口＆水田は、兄弟がハリウッドで最初に書き下ろした曲「ファーストクラスの愛（FIRST CLASS LOVE）」を歌唱した。ポップなナンバーを表情豊かに歌う水田に、上口もおどけた様子で続き、リズミカルな楽曲の楽しさを全身で表した。それぞれに仲むつまじい姿を見せた2組が、本番までにどんな兄弟像を作り上げるかに期待しよう。

続けてインタビューが行われた。浜中は、Season Aでは既報の通り相葉裕樹や日野真一郎（LE VELVETS）と組み、弟役を務めたが、今回は兄役に挑戦する。本作でミュージカルに初出演する室が「最初の頃は『楽しみます』と言ってたんですけど、（想像していたより）すごく大変でまだ楽しめてないです」と赤裸々に吐露すると、浜中はしばらく考えて「（過去の）映像や公演に引きずられず、室くんのやりたいことを大事にしてくれたら」と“兄”らしくコメントした。そんな2人についてウォーリーは「兄と弟の両役を経験した（浜中）文ちゃんは、舞台上で無意識のうちに全体をコントロールしてくれる。その環境で室ちゃんがどれだけ遊べるかを楽しみにしています」と期待を寄せた。さらに「この2人はすごく仲が良いと聞いてたんですけど、（実際は）それほどでもなくて（笑）。でもお互いしか知らない情報もたくさん出てきたので、そんなところが過去の組み合わせの中でも特に兄弟っぽいなあと思って見ていました」と微笑んだ。

続いて、稽古を開始してまだ1週間の上口＆水田が、稽古場での様子を伝える。上口は「1人でいろいろと考えたことを稽古場に持って行っても追い付かないほど、大量の出来事が起きる。何ができるかその場で考えることを心掛けています。そうすると（水田）航生が応えてくれるので、日ごとのセッションが楽しいです」とにこやかに話し、水田も「打ち合わせなしで芝居の意図が通じ合う瞬間が、すでに何度も生まれています」と相性の良さをアピールした。これまで7組を演出してきたウォーリーは「（上口＆水田を観ていると）新たな発見がある」と述べ、「不思議と読み合わせのときから空気感ができあがっていました。このコンビは軽快でおしゃれな『ダブル・トラブル』です（笑）」と明かす。さらに「この作品は、二人芝居の中にいろいろなことが詰め込まれていて、かつ古典落語のようにいくらでもやりようがある。役者さんが今までの役者人生の中で得たものを使って、 “今できる”『ダブル・トラブル』に挑んでくれる、稀有な作品だと思います」と語った。

浜中＆室が出演するTeam Dは、12月12日から1月21日まで東京・自由劇場、26日から29日まで東京・新国立劇場 小劇場で上演され、上口＆水田が出演するTeam Eは、12月12日から1月21日まで自由劇場で上演される。