山の羊舎「メリーさんの羊」9年ぶりに上演、新キャストに白石珠江・加藤頼

山の羊舎「メリーさんの羊」が2月2日から7日に東京・小劇場楽園にて上演される。

「メリーさんの羊」は初演を中村伸郎が演じ、その後三谷昇が受け継ぎ、2000年から12年にわたり上演を重ねてきた作品。三谷の引退を機に上演が途絶えていたが、今回は9年ぶりに新たなキャストで上演される。

演出の山下悟は「2000年三谷昇さんで再演することになったのを機に演出を引き継いで以来、この芝居の魅力のひとつは、演劇に人間の五感の一つである嗅覚をとても重要なファクターの一つとして持ち込んでいることだと思ってきました。一人の男のその後の人生を決めることになった“匂い”という忘れがたい記憶。その“匂い”を一瞬、舞台の上に漂わすことができたら……」とコメント。

またキャストには演劇集団 円の山口眞司、劇団民藝の白石珠江、そして別役実作品初挑戦となる劇団俳優座の加藤頼が名を連ねた。山口は「中村先生が三谷さんに男1を譲り渡す時に男2の配役は三谷さんに一任。幸運にも私が男2のお誘いを受け、12年間で10回の公演を重ね、このたび男1をやることに。そして男2を私から加藤頼さんへ。別役ワールドの住人になることのむずかしさを実感しつつ、舞台の上で”そこにいる”ことを求めて『メリーさんの羊』男1に挑戦します」と意気込みを述べ、白石は「日常と非日常が入り乱れ、観る人の想像力を掻き立てる大人の童話のような別役作品の世界で、活き活き生きられる様、楽しんでがんばりたいと思います」、加藤は「男2は、三谷昇さんから山口眞司さん、そして私へと引き継がれた役でやり甲斐と責任を感じています。ほとんどが山口さんとの二人芝居なので、繊細に、深く気持ちのやりとりをしながら新しい『メリーさんの羊』を創り上げていきたいと思います」とそれぞれの思いを語っている。

なお5日18:30開演回は観劇三昧LIVEにて生配信を予定。また緊急事態宣言を受けて、上演スケジュールが一部変更されている。