2月に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される、
これは、ピッコロ劇団と関西の俳優が共同で取り組むピッコロシアタープロデュースの第12弾。増山実の小説「波の上のキネマ」を原作に、
安室俊介は、父から映画館・波の上のキネマを継ぐが、収益は厳しく、不動産屋から閉館と土地の買収を持ちかけられていた。そんな中、台湾に住むある男からの電話をきっかけに、俊介は自身の祖父である映画館の創業者・俊英の波乱に満ちた人生を知ることになり……。
増山は、舞台化にあたり「『波の上のキネマ』の登場人物たちが、『スクリーンの向こうの物語』に夢中になったように、この作品をご覧になる皆さんが、ひととき『物語の世界』に夢中になってくださることを願ってやみません。どうかお楽しみください」とコメント。岩崎は「思えば映画館の暗がりは、いつも私にとっての避難所だった。緊急事態宣言の最中、家で映画ばかりを観ていた。国境を越えようとするスティーブ・マックイーンが勇気を与えてくれた。桜咲く頃、架空の映画館『波の上キネマ』の痕跡を探して、立花の街を何度も歩いた。小説にある情景と街の風景が重なって像を結んだ。今回の上演は、コロナ禍からの『大脱走』でもあるのだ。今から胸が躍る」と思いを述べている。
出演者には、劇団員の
増山実コメント
「波の上のキネマ」は、「映画」と「映画館」をめぐる物語です。そして、尼崎と沖縄を舞台とした、「街」をめぐる物語でもあります。この「街」の物語を、今回、尼崎を本拠地とする兵庫県立ピッコロ劇団が上演してくださることを、心より嬉しく感じております。
現代と近代、尼崎と沖縄、スクリーンの向こう側とこちら側。さまざまな時と空間が混ざり合うこの物語を、関西で活躍する俳優の皆さんが、「舞台」という空間でどのように表現されるのか。また、「映画」をめぐる物語を、どのように「演劇」で表現されるのか。とても興味があります。そこではきっと、「小説」でも「映画」でも表現することのできない、豊かな世界が繰り広げられることでしょう。
「波の上のキネマ」の登場人物たちが、「スクリーンの向こうの物語」に夢中になったように、この作品をご覧になる皆さんが、ひととき「物語の世界」に夢中になってくださることを願ってやみません。どうかお楽しみください。
岩崎正裕コメント
ピッコロ劇団から「波の上のキネマ」上演の話が持ち込まれて、初めて小説を読ませていただいた。主人公を待ち受ける苦難の連続と、映画への愛溢れる描写に、大きく心が揺さぶられた。と同時に自分の思い出も甦った。「ジョーズ」が封切られて間もなくの正月、親族一同で映画館へ出かけ、あまりの驚きに椅子から飛び上がったこと。高校生の時、その日は学校に行くのが何だか嫌で、制服のまま「キングコング」のチケットを買ったこと。券売の女性が見て見ぬふりをして、そっと切符を差し出してくれたこと。思えば映画館の暗がりは、いつも私にとっての避難所だった。緊急事態宣言の最中、家で映画ばかりを観ていた。国境を越えようとするスティーブ・マックイーンが勇気を与えてくれた。桜咲く頃、架空の映画館「波の上キネマ」の痕跡を探して、立花の街を何度も歩いた。小説にある情景と街の風景が重なって像を結んだ。今回の上演は、コロナ禍からの「大脱走」でもあるのだ。今から胸が躍る。
兵庫県立ピッコロ劇団 第69回公演 ピッコロシアタープロデュース「波の上のキネマ」
2021年2月19日(金)~21日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
原作:増山実「波の上のキネマ」(集英社)
脚本・演出:
出演:
ステージナタリー @stage_natalie
【会見レポート】ひととき“物語の世界”に夢中になって、尼崎の映画館舞台にした「波の上のキネマ」
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