「初春海老蔵歌舞伎」の記者懇親会が本日12月16日に東京都内で行われ、
「初春海老蔵歌舞伎」は、海老蔵が自身の名前に“歌舞伎”を冠した公演。海老蔵は「“歌舞伎”という名前の上に、俳優の名前が付くということは、今回が初めてと聞いております」と感慨を述べ、「“海老蔵歌舞伎”というと、『奇をてらったことをするのでは』『何か新しいことをするのでは』と思われるかもしれませんが、本公演では古典作品を追及します。また公演を通して、これから日本の伝統を支える、ぼたんや勸玄、若い世代の方々の教育をしながら、きちんと見守れれば」と力強く語った。
公演には、「春調娘七種」、歌舞伎十八番の内「毛抜」、「藤娘」、「橋弁慶」の4演目がラインナップされており、海老蔵は「毛抜」、ぼたんは「藤娘」、勸玄は海老蔵と共に「橋弁慶」に出演する。「毛抜」で粂寺弾正を演じる海老蔵は「新型コロナウイルスの影響で、皆さま苦難の日々を過ごしていらっしゃるかと思います。そんな中、うちのお家芸で元気の出る演目はなんだろうと考えた結果、『毛抜』を選びました。私が演じる粂寺弾正は、勇猛かつ頭脳明晰でありながら、男の余裕、そして色気がある。さらに本作では、市川家に伝わる5つの型の見得をご覧いただくことができますので、そこでもお正月らしさを出せるのでは」とほほ笑む。
「藤娘」と「橋弁慶」は、それぞれ正月の特別企画「お年玉」として上演される。「藤娘」で藤の精を演じるぼたんは「久しぶりの舞台なので、少しドキドキしているけれど、がんばっていきたい」とはきはきと述べる。海老蔵は「『藤娘』という演目は、日本舞踊の中でもかなり高度な技術や体力が要求される舞踊。大役ですが、日本舞踊家として精進したいという彼女の気持ちを受けて選びました。お稽古もしっかりやっておりますので、彼女の持つ根本的な人間の力を信じています」と期待の眼差しでぼたんを見つめた。
「橋弁慶」では、海老蔵が武蔵坊弁慶、勸玄が牛若丸をそれぞれ勤める。勸玄がはつらつとした様子で「がんばりまーす!」と意気込みを述べると、海老蔵は「雑だな!(笑)」とツッコミを入れる。すると勸玄が「スペシャルがんばります!」と言い直し、会場の笑いを誘った。勸玄の自由な発言に対し、海老蔵は「“スペシャルがんばる”ってどういうこと……?(笑)」と笑みを浮かべつつ、「今作では、武蔵坊弁慶と牛若丸が主従三世の契を結ぶ場面を舞踊でご覧いただくのですが、今後『勧進帳』を、私の武蔵坊弁慶、倅(勸玄)の源義経で上演するときがいずれ来ますので、ぜひその伏線として観ていただければ」と語る。
最後に、来場者へのメッセージを司会から求められた海老蔵は「かなり多くの方々が来てくださると聞いております。コロナ禍でも『観ようじゃないか』というお気持ちになっていただけることに、改めて御礼申し上げます。出演者やスタッフすべてが、心を1つにして最大限の感染対策をしておりますので、どうかお気を付けて新橋演舞場までお越しください」と言葉に力を込めた。公演は1月3日から17日まで東京・新橋演舞場にて。
令和3年1月 新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」
2021年1月3日(日)~17日(日)
東京都 新橋演舞場
一、「春調娘七種」
出演
曽我五郎:市川右團次
静御前:中村児太郎
曽我十郎:中村壱太郎
二、歌舞伎十八番の内「毛抜」
出演
粂寺弾正:
秦民部:市川男女蔵
腰元巻絹:中村壱太郎
秦秀太郎:中村児太郎
小野春風:大谷廣松
八剣数馬:市川九團次
小原万兵衛:片岡市蔵
小野春道:市川齊入
八剣玄蕃:市川右團次
後見:市村家橘
三、上「藤娘」、下「橋弁慶」
上「藤娘」
出演
藤の精:
下「橋弁慶」
出演
武蔵坊弁慶:市川海老蔵
牛若丸:
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