5・6月に東京と京都で上演される「海老蔵歌舞伎」に向けた記者懇親会が、本日4月22日に東京都内で行われ、
本公演には、古典歌舞伎の「実盛物語」と、音声SNS・Clubhouseから誕生する新作歌舞伎舞踊「KABUKU」がラインナップされた。「実盛物語」では、武将・斎藤実盛を海老蔵、物語の鍵を握る堅田の百姓の娘・小まんの息子・太郎吉を、海老蔵の息子・堀越勸玄が勤める。
海老蔵は、平家が源氏を根絶やしにしようとしていた時代に、平家がたでありながら源氏に心を寄せた実盛の魅力を「綱渡りより難しい“ゲーム”を渡りきる知的センスを持ち、さばき役、生締(なまじめ)としてのカッコよさがある。そういうドラマチックなところが実盛の良さだと思う」と語る。
勸玄との共演については「もう少し早くやる予定だった」と明かし、「勸玄は8歳で背も伸び、太郎吉をやるにはギリギリ。でも彼にとって一生に一度のチャンスですし、子供にとっても思い出になる大役です。私自身もかつて太郎吉を演じましたし、一緒にやれるのはうれしい。公演回数が少ないことをご理解いただき、早めにチケットをお取りいただけたら(笑)」と呼びかけた。
Clubhouse発の「KABUKU」について海老蔵は「コロナ禍で皆さんが闘っている中ですが、楽しみを提供するのは演じる者の1つの務め」と言葉に力を込め、Clubhouseを通しての創作に関して、「文面では難しいやりとりも、音声SNSであればスムーズにできます。それに制作や実行の過程自体をビジネスにする“プロセスエコノミー”として歌舞伎ができる過程を見せられるのではと思いました」「たくさんの方々が聞いている中で話すので緊張感があるが、みんなで作っているという感覚はいい刺激になっている」と話す。
海老蔵は、「KABUKU」では「ええじゃないか」をテーマに、ある瓦版売りが高価なお伊勢参りの札を手にしたことをきっかけに物語が展開していく、と構想を述べる。終盤には東京・渋谷のスクランブル交差点も登場する予定だと話し、「Clubhouseで参加者から『スクランブル交差点で海老蔵に歌舞伎をやってほしい』という声があった。本当にやったら捕まってしまいますが(笑)、Netflixのドラマ『今際の国のアリス』でスクランブル交差点が再現されていたので、そのセットを使えばいいのでは?という提案も出ました」と創作過程の充実ぶりをのぞかせた。
さらに懇親会では、海老蔵が父・十二代目市川團十郎の舞台を南座で観たときの思い出を語る場面も。海老蔵は当時12歳くらいだったと言い、「あのときは歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』が上演されていて。父がバッと出てきたとき、感動して泣きました。あれは僕の中では非常に大きな出来事。あの瞬間、父から自分へと何かが継承されたように思います」と述懐する。
今回初めて、息子の勸玄と共に南座に立つことについては「南座は歌舞伎発祥の地とされています。出雲阿国の銅像が鴨川にあるので、そのあたりをせがれと歩きながらそういう話をしたい。それに以前はよく、息子のお母さん(小林麻央)と京都を自転車で走っていました。彼とも一緒に走れたらいいですね」と目を細めた。
公演は5月29・30日に東京・明治座、6月4日から13日まで京都・南座にて。チケットの一般販売は4月28日10:00にスタートする。
令和3年 5月明治座 6月南座「海老蔵歌舞伎」
2021年5月29日(土)・30日(日)
東京都 明治座
2021年6月4日(金)~13日(日)
京都府 南座
一、「源平布引滝 実盛物語」
出演
斎藤実盛:
小まん:
太郎吉:堀越勸玄
葵御前:
矢走仁惣太:
九郎助:
小よし:市川齊入
瀬尾十郎:
二、「新作歌舞伎舞踊 KABUKU」
作:樹林伸
演出:市川海老蔵
演出・振付:
出演:市川海老蔵
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