「大悲」は、白昼の小学校で起こった無差別殺傷事件をテーマにした人間ドラマ。本公演では、
「story A 大悲 31mm」では、国選弁護人・新谷重雄役を西村、凶悪事件の犯人・佐久間護役を玉城、「story B 大悲 37m」では被害者の母・清水結衣役を壮、結衣の長男・清水秀斗役を正木が担当。開幕に際し、西森は「自分とは違う価値観、自分とは違う立場、自分とは違う生い立ちに対して目を向け、知り、その心の営為を知る。今回、そして、今という時代に、演劇というメディアを通してそんな時間を共有できることを願ってやみません」とコメントしている。
上演時間は「story A 大悲 31mm」「story B 大悲 37m」共に約1時間50分。公演は7月29日まで。
西森英行コメント
「story A 大悲 31mm」についてこの作品は、まもなく発生から丸18年が経とうしている、附属池田小事件をモチーフとしています。
この事件に関して、13年以上に渡り、弁護士さんや被害者のご遺族、学校関係者の皆さん、メディア関係の皆さんなど、事件に関係された方々に、取材を続けてきました。
この作品で描かせて頂くことは、センセーショナルな事件の奥で、「語られなかったこと」、「忘れ去られていったこと」、そして、「今も続いていること」。そしてその中に、大切な、人間の深い内奥があると感じています。
ご本人もメディア人である丹羽(多聞アンドリウ)プロデューサーとご一緒させて頂いて、この事件を多面的に描くため、作品を鍛練し続けてきました。
この作品は、実際に起こった事件を元にしています。
そして、その事件は社会に大きな衝撃を与え、教育・法律・精神医療、多くの分野に様々な影響を及ぼしました。
私はこの事件について十数年前から取材を続けてきました。
担当の弁護士さん、被害者ご遺族、当時の学校関係者、メディア関係者など多くの方々に話を伺いながら、この事件とは何だったのかを考え続けてきました。
自分とは違う価値観、自分とは違う立場、自分とは違う生い立ちに対して目を向け、知り、その心の営為を知る。
今回、そして、今という時代に、演劇というメディアを通してそんな時間を共有できることを願ってやみません。
西村まさ彦コメント
「大悲」の台本を初めて読んだ時、私の演じる弁護士の男をしっかり作り上げた脚本・演出の 西森英行さんはすごい!と、ひたすら敬意を表しました。
この作品は実際にあった事件をベースにしています。
西森さんは脚本執筆にあたり、ご自身で当事者に取材して、さらに膨大な資料を読み込まれました。
今回、この作品の台本を読んで、報道で知っていた情報と実際とは、かけ離れる部分があることに気づかされました。
本当のところを知るには、自分の目で見、足を運んでみる必要がある……「第三の目」を人は持つべきだと改めて思いました。
マスコミ報道を批判するつもりはないのです……出される情報の鵜呑みや左右されることなく、第三の目を持って人と向き合い、社会と向き合うことが大事なのではないか……。
この作品がそう考えるきっかけになれば、そこに意味を持つのではと思います。
壮一帆コメント
この作品を上演する意味は何か、ということを出演が決まった時からずっと考えていました。
台詞を覚えながら役を染みこませつつ、私は今、この事件を“体験”しています。
粛々と感じ、それを表現して行く……。
稽古場からずっと心が震えています。
「大悲」
2019年7月19日(金)~29日(月)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
脚本・演出:
「story A 大悲 31mm」
出演:
「story B 大悲 37m」
出演:壮一帆、正木郁 /
西森英行のほかの記事
タグ
リンク
- 舞台「大悲」
- 舞台『大悲』公式 (@daihi_3137) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ぱ~ぷ。'13 @perplex9
【公演レポート】2つの観点から殺傷事件を紐解く、西村まさ彦・壮一帆ら出演「大悲」幕開け(コメントあり) - ナタリー https://t.co/IATs8AwW8o