井上光晴の小説を原作とした本作は、1989年に小松幹生の脚色、鈴木完一郎の演出で初演された作品。2009年に死去した鈴木の演出を踏襲する今回は、初演と再演に出演した
稽古では、まず製鋼所の工員・中川庄治(前田聖太)と三浦ヤエ(角田萌果)の婚礼の場面が公開された。若い2人の門出を祝うために集まった人々が語り合うと、稽古場にはにぎやかな長崎弁が飛び交う。祝いの席のほほえましいやりとりが繰り広げられる中、会話の端々には食糧配給や空襲警報、広島に落とされた“新型爆弾”などのワードが入り混じり、戦時中のものものしさが漂った。演出補の山本は、セリフについて「もう少し深刻度が増すように」といったようにアドバイスを送り、時には登場人物の動作を自ら演じてみせた。
稽古中盤では、刑務所に収監された堂崎彰男(
さらに稽古の後半は、娼家をさまよう男・石原継夫(
劇団青年座 第237回公演「明日-1945年8月8日・長崎」
2019年7月10日(水)~17日(水)
東京都 東京芸術劇場シアターイースト
原作:井上光晴
脚色:小松幹生
演出:鈴木完一郎
演出補:
演奏:大貫夏奈(ピアノ)、菅野千怜(ヴァイオリン)、石貝梨華(チェロ)
出演:
※山崎秀樹の「崎」は立つ崎(たつさき)、逢笠恵祐の「逢」はしんにょうの点ひとつが正式表記。
関連記事
劇団青年座のほかの記事
リンク
- 劇団青年座 237 明日
- 劇団青年座 (@_seinenza) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ステージナタリー @stage_natalie
【稽古場レポート】劇団青年座が新たな「明日」に奮闘、稽古場に立ち上がる戦時中の日常
https://t.co/WyM3csqwt7 https://t.co/aCqf2Jr0xY