来年2019年から20年にかけて5都市で上演される、
「偽義経冥界歌」は、2016年に上演された倉持裕作「乱鶯」以来、3年ぶりの「いのうえ歌舞伎」の新作で、
劇作を手がける中島は「生田斗真くんで“偽義経”というところがミソで、考えついた時には『これだ、イケる!』と思いました」「彼が新感線に対して想ってくれている気持ちに応えたくて、腕によりをかけました」とコメント。演出の
新感線の旗揚げ39周年に合わせて行われる「39興行」の春公演「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』」は、19年3月8日から21日まで大阪・フェスティバルホール、4月2日から7日まで石川・金沢歌劇座、18日から21日まで長野・まつもと市民芸術館で上演。その後、別演目の夏秋公演を挟み、20年2月に東京・TBS赤坂ACTシアター、4月に福岡・博多座で公演が行われる。「偽義経冥界歌」の大阪、金沢、松本公演のチケットは19年1月27日に発売。
中島かずきコメント
いのうえ歌舞伎の完全新作、ゼロベースからの書き下ろしという意味では「蒼の乱」以来、そして鎌倉時代の物語を書くのはこれが初めてになります。今回モチーフに使ったのは、奥州藤原三代と源義経との関わりです、この物語では“奥州奥華(おうが)”と書き換えていますが。奥州の人たちは蝦夷の末裔なので、今回は僕が長年書き続けている北関東から東北を舞台にしている作品群、「阿弖流為」「蒼の乱」「髑髏城の七人」「吉原御免状」の間を埋める作品だったりもします。義経が藤原秀衡を頼って奥州に逃げ込んでいた史実をもとにしていて、加えて義経にはもともと替え玉説もありますからね。生田斗真くんで“偽義経”というところがミソで、考えついた時には「これだ、イケる!」と思いました。基本的にキャラクターは全部あてがきですが、斗真くんにあてがきするのはこれが初めて。振り切っちゃったほうがそれゆえの悲しさ、健気さが出るはずなので、彼が新感線に対して想ってくれている気持ちに応えたくて、腕によりをかけました。ここまで書いて怒られないか?と思いつつも(笑)、僕なりに斗真くんの良さを活かして書いたつもりです。
いのうえひでのりコメント
今回はまず斗真くんありきで、初めてのいのうえ歌舞伎の主役でと考えた時に、これまではチャラいキャラクターのほうが多かったので、もうちょっと真面目にというかがっつりと時代劇に取り組んでもらおうと思ったんです。彼の場合は芝居の基本をウチの劇団で身につけたようなところがあって、“準劇団員”いわゆる“新感線 TRIBE”の中ではメイン役者のひとりでもありますから(笑)。脱ステージアラウンド第1弾の主役としても、とても力強い存在。どちらかというと“受け”の芝居をすることが多いようですが、今回は珍しくその逆、ツッコミまたはボケの芝居を楽しんでもらえることと思います。そして僕としてはとにかく観客席を回すことを考えなくていいので、そういった意味では久しぶりに通常業務に戻る感覚もありますね。とはいえ、今回の台本もこれまた大変で、ある意味“義経伝説”であり、「リメンバー・ミー」でもあり、主役を張れるくらいの個性派たちがゾロゾロ出てくるので「アベンジャーズ」でもあり(笑)。「偽義経」のはずなのに?と思われるでしょうが、観ればきっと「ああ~、そういうことか!」と納得していただけるのではないかと思います。
生田斗真コメント
劇団☆新感線には「Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~」以来、3年ぶり4回目の参加になります。実は、いのうえ歌舞伎に主演という形で出させていただくのも、中島さんの書き下ろしに出させていただくのも初めてなんです。源義経の偽物の役どころになりますが、歴史上の人物を描きながらも僕が属するチームのパートは意外と自由にやれそうだとも思っていて。あまり型にハマり過ぎず、舞台上で縦横無尽に飛び回りたいですね。それにしても、基本的に新感線のみなさんとご一緒するときはちょっと頭の弱いキャラクターになることが非常に多くて(笑)。今回もどうやら正義感に溢れた、憎めないおバカちゃん的な役になりそうです。そしてたっぷりと立ち回りがあり、歌があって、ほんの少しのラブがある、いかにも新感線らしい作品になるんじゃないかと予想します。本格的な時代劇なので着ているものが重かったり暑かったりしますが、お客様にはこちらが苦労すれば苦労する分、楽しんでいただけるはずですからね。今回も大いに苦労をして、大いにヒイヒイ言いながら、がんばりたいと思っています。
2019年劇団☆新感線 39(サンキュー)興行・春公演「いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』」
2019年3月8日(金)~21日(木・祝)
大阪府 フェスティバルホール
2019年4月2日(火)~7日(日)
石川県 金沢歌劇座
2019年4月18日(木)~21日(日)
長野県 まつもと市民芸術館
2020年2月上演予定
東京都 TBS赤坂ACTシアター
2020年4月上演予定
福岡県 博多座
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演出:
出演:
※山崎翔太の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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