「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」の記者懇親会が昨日6月13日に東京都内にて行われ、主演の
ドラッグを契機に社会から疎外されてしまった人々が、インターネットを通じて交流しながら人生を取り戻していく姿を描いた本作は、2012年にピュリツァー賞を受賞したキアラ・アレグリア・ヒュディスの戯曲。G2が手がける今回の日本初演版では、イラク戦争での負傷をきっかけに、モルヒネ中毒になった主人公の青年エリオット役を右近が演じる。
記者懇親会に出席したG2はまず、「長く演劇をやっていると、“やらねばならない作品”と“やっておかねばならない作品”というものが出てきて、“やらねばならない作品”は次々と目の前に現れるのですが、“やっておかねばならない作品”はどうしても後手に回ってしまうんです。斬新な方法というわけではないものの、新たな切り口で書かれたこの『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』は、久々に“やっておかねばならない作品”だと思いました」と本作と出会えた喜びを語る。
今回、本格的な翻訳現代劇に初挑戦する右近は「百戦錬磨の共演者の先輩方ですら、本作の解釈に苦戦されていて……自分も途方に暮れています(笑)」と冗談めかして答えながらも、「安全な道よりも難しい道を選ぶという自分の性格を受け入れたうえで、乗り越えなければならない試練であると同時に、自分の糧になる作品でもあると思っています」とコメント。また歌舞伎との稽古の違いについて触れ、「歌舞伎の稽古はまず、通し稽古から入るのが通常のスタイルなので、どうしても背伸びをしながら挑むことになってしまうのですが、今作の稽古で、不明点を明らかにしてディスカッションをすることの大切さを学びました」と明かした。
右近の印象について問われたG2は「右近さんはやる気の塊。しっかり勉強をして稽古場に来てくれるし、果敢にチャレンジし続けてくれる。右近さんの新たな魅力をどう引き出していくかを考えながら、日々稽古しています」と回答。また右近は、篠井英介、南沢奈央ら共演者の魅力を紹介しつつ、「歌舞伎の世界から来た私と、これまで現代劇を演じてこられた皆さんとで、一緒にメロディーを奏でられたら」と展望を語った。
最後にG2は「社会派と謳ってはいるのですが、社会の悪の部分を掘り返すのではなく、社会的弱者が明日に向かって歩み始めていく姿を描いた作品です。観終わったあとに勇気が湧くような、楽しい観劇体験ができる作品ですので、気軽な気持ちで観に来てください」とアピールし、右近は「本作は人の心の温かさが伝わるお芝居。この作品を通して、豊かな気持ちになってもらえたらと思います」と観客に呼びかけた。
「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」は、7月6日から22日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、8月4日に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
PARCO PRODUCE「『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」
2018年7月6日(金)~22日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2018年8月4日(土)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
作:キアラ・アレグリア・ヒュディス
翻訳・演出:
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