1月から2月にかけて上演される「『Shakespeare's R&J』~シェイクスピアのロミオとジュリエット~」が、本日1月19日に東京・シアタートラムで開幕した。ここでは、開幕に先駆けて本日行われたゲネプロの様子をレポートしていく。
ジョー・カラルコの脚色・演出で2003年にイギリスで初演され、日本でもカラルコの演出で2005年に上演されている本作。今回は
教会音楽のようなBGMと共に舞台の幕が開くと、矢崎ら4名の生徒が整然と並んで祈りを捧げている。彼らはカトリックの厳しい規律に支配された学校生活を送っており、その様はドラムロールに合わせた一糸乱れぬ行進や、硬い表情で声を張り上げる教科書の群読で表現される。
しかし夜になると彼らは寄宿舎を抜け出し、キャビネットや椅子が雑多に置かれた物置のような部屋で、学校で禁じられた「ロミオとジュリエット」のリーディングを始める。初めは作中の猥雑な言葉遊びを面白がり、布や棒切れをドレスや剣に見立てたり、机の上に立ってバルコニーの場面を表現したりしながら無邪気な“ごっこ遊び”のように朗読していた彼らだが、物語が進むにつれて次第に真剣になっていく。やがて4人は作中のセリフに触発され、学校生活で押し殺していた感情を爆発させる。
4人は生徒として個別の役名を持たず、教科書や聖書の音読とシェイクスピアの引用だけをセリフとして発して「ロミオとジュリエット」のさまざまな役柄を演じ分けていく。4人の登場人物の中でリーダー的な立ち場の学生を知的に演じた矢崎は、ロミオとしてのセリフに秘めた恋心を乗せ、柳下演じる学生にぶつけながら力強く物語を牽引した。またジュリエットほかを演じる柳下は、時に抑圧を受けながらも矢崎演じる学生の心に応える様を優しくはかない微笑で繊細に表現する。また小川は、友情と規律の間で葛藤しながらも矢崎、柳下演じる学生らの恋を後押しする役どころを熱く演じる。佐野は赤い布を被ってジュリエットの乳母を演じ、豊かな表情とコミカルな立ち回りで会場の笑いを誘った。
本作は休憩なしの約2時間。公演は本日1月19日から2月4日まで東京・シアタートラムで、2月7・8日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで行われる。
「『Shakespeare's R&J』~シェイクスピアのロミオとジュリエット~」
2018年1月19日(金)~2月4日(日)
東京都 シアタートラム
2018年2月7日(水)・8日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
原作:
脚色:ジョー・カラルコ
翻訳:松岡和子
演出:
出演:
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