実写映画の中に舞台パートが含まれるという初の試みに関して、KERAは「女優さんの物語でも、演劇をモチーフにした映画でもないのに、イメージの世界を舞台で表現する。大作映画でこんな冒険をするんだなって思うと面白い。おそらくこのお話をいただかなければこういう形で映画に関わることは一生ないと思うので、とても楽しいです。映画の責任は監督が取ってくれるので(笑)」と話す。
この日に撮影されたのは、1945年の樺太でてつと子供たちがソ連軍の空爆に襲われるシーンだ。東京都内のスタジオにステージがセットされ、観客の代わりに滝田やKERA、そして3つのカメラが俳優たちと対面する。まずは樺太の平和な時代を表現すべく、吉永と夫・徳次郎役の
吉永を演出して、KERAは「一緒に本格的な舞台をやってみたいという思いがとても大きい。無理強いする気はないですけど、もし吉永さんに20年前にお会いしていて、かつ僕が20歳くらい歳上だったら、絶対に演劇の世界に引きずり込んでいますね」と話す。一方の吉永は「演劇はよく拝見するんですけど、舞台の上に立っている自分はまったく想像がつかないんです」と返答。しかし今回の現場に関して「抽象的な舞台作りが楽しくて。例えば貨車の上でぎゅうぎゅうづめになっているシーンで、パフォーマーの方たちが周りで満員の様子や揺れを表現してくださるんです」と続ける。同シーンについて、KERAが「映画は全部具象ですからね。満員のシーンだったら本当にぎゅうぎゅうになるほど人がいないと成立しないけど、舞台は人数がいなくても表現できますから」と発言すると、吉永は「その抽象と具象が、どう絡み合って1つの映画になるかとっても楽しみです。舞台の最後は、北島三郎さんもびっくりの桜吹雪のシーンになるんですよね」と笑った。
コーラスでは曲に合わせて体をひねったり、つま先立ちになったりという動作が組み込まれた。その振付を担当したのは
「北の桜守」は2018年3月10日より全国ロードショー。
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- 北の桜守|東映[映画]
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KERAが演出担当、吉永小百合主演映画「北の桜守」の舞台パート撮影に潜入 - ステージナタリー https://t.co/k84u9olIpD