オペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」の稽古が11月19日に都内で行われ、出演者の
本作は、川端康成の小説「眠れる美女」に触発されたカシアスと、プロデューサーのクリス・デフォートが台本から作り上げ、2009年に初演した現代オペラ。原田演じる女主人が営む秘密の館を舞台に、長塚演じる老人が5人の“眠れる美女”と過ごしたそれぞれの一夜の情景が描かれる。
始まって1週間ほど経った稽古を振り返り、長塚は「(カシアスは)川端の世界というものを深く理解されている。今回の台本は日本語の原作から外国語に訳されたものを、また日本語に訳し返しているわけですから、川端先生のオリジナルとは違う言葉遣いになっているのですが、非常に核心を突いている」とコメント。さらに芝居と歌とダンスの融合を「音楽畑の、僕とは違うディシプリンを持っているプロフェッショナルと仕事を非常にやってみたかったのです。もちろんダンスもそうです。大変貴重な経験になると思いました」と語った。
原田はこれまで、芝居のみの稽古に参加。その上で「歌手の方たちによって実際に音が加わった時に、ものすごく立体的になって。これからダンサーの方が加わると、また違う立体が加わり、本当にどんな風になっていくんだろうと、ものすごく楽しみになりました」と完成した作品を思いながら笑顔を見せた。
そんな2人を眺めながら、カシアスは「日本の素晴らしいアーティストとコラボレーションすることで、今まで作ってきたものに色々な層をさらに足して深みを増すことができる。それにより川端康成の原作に近付けると思った私は高揚しました」と喜びを述べた。公演は、2016年12月10日・11日に東京都 東京文化会館 大ホールにて上演される。
ギー・カシアスコメント
まずはこの場にいられることに大きな名誉を感じています。子供の頃からこの国には強く惹かれていました。このオペラを日本のアーティストとやらないかと東京文化会館からオファーがあった時、喜びを感じ、同時に、日本での上演が単に「リメイクする」ということでは無いと考えました。
日本の素晴らしいアーティストとコラボレーションすることで、今まで作ってきたものに色々な層をさらに足して深みを増すことができる。それにより川端康成の原作に近付けると思った私は高揚しました。
川端の作品は素晴らしく、僅かな文章で表現しうることの凄さを感じています。言葉になっていない部分を含め、背後に大いなる宇宙を感じることが出来ます。彼は想像上の世界を構築し、人間の感覚、そして記憶というものを扱っています。
長塚京三コメント
まず台本を読ませて頂きましたが、これは僕達俳優の芝居と、歌い手の歌と、コンテンポラリーダンサーのパフォーマンスの3つの要素が、互いを補い合い、一つのものが出来上がると思いました。
そういう冒険をしてみたい。特に音楽畑の、僕とは違うディシプリンを持っているプロフェッショナルと仕事を非常にやってみたかったのです。もちろんダンスもそうです。大変貴重な経験になると思いました。
稽古を始めて大体1週間ぐらいなんですが、ギー・カシアスさんの演出を通じて、僕は川端先生の世界をとても学べています。ギー・カシアスさんは非常に深く読み込んでらして、川端の世界というものを深く理解されている。今回の台本は日本語の原作から外国語に訳されたものを、また日本語に訳し返しているわけですから、川端先生のオリジナルとは違う言葉遣いになっているのですが、非常に核心を突いている。外国の演出家に川端の世界を教えてもらい、非常に新鮮な印象を受け、毎日がとても充実した豊かで勉強になる時間を頂いています。
なかなか難しい作品です。様式美というか、抽象的みたいなところもありますから、自分自身の非常に深いところでやる。それがものすごく楽しくて。家に帰ると話しながら居眠りしちゃうとか、ベッドに入ったらすぐに爆睡しちゃう、そんな疲れ方をするんですが、毎日の稽古がものすごく楽しく、もっともっとやりたいと思える、役者としては幸せな時間を頂いています。
だから、これはひょっとしたら、僕が想像する以上に素晴らしいものができるのかもしれない。とても本番が楽しみです。
原田美枝子コメント
長塚さんと同じ気持ちです。最初の5日間は芝居だけの稽古をやらせてもらいました。今日、私は参加しなかったのですが、歌手の方たちによって実際に音が加わった時に、ものすごく立体的になって。これからダンサーの方が加わると、また違う立体が加わり、本当にどんな風になっていくんだろうと、ものすごく楽しみになりました。
私にとってこの作品をやらせて頂くということは面白い冒険です。俳優である私がオペラに出演するということは、一体どんなことができるのだろうか、全く未知でした。
東京文化会館は、私は子供の頃にクラシック・バレエをやっていまして、バレエの先生と一緒に「白鳥の湖」か「くるみ割り人形」を観に行ったのが初めての経験でした。その後何度も東京文化会館には足を運んでいますが、そこに立てるのは優れた音楽家かダンサーしかないのに、私がその場に立たせてもらえるというのが、最初で最後のチャンスだと思っているんですけど、そんな素敵な体験ができることを本当に嬉しく思っています。
東京文化会館開館55周年・日本ベルギー友好150周年記念オペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」
2016年12月10日(土)・11日(日)
東京都 東京文化会館 大ホール
原作:川端康成
作曲:クリス・デフォート
台本:ギー・カシアス、クリス・デフォート、マリアンヌ・フォン・ケルホーフェン
ドラマトゥルク:マリアンヌ・フォン・ケルホーフェン
指揮:パトリック・ダヴァン
演出:ギー・カシアス
振付:
キャスト
老人:オマール・エイブライム
女:カトリン・バルツ
老人:
館の女主人:
眠れる美女:伊藤郁女
眠れる美女たち:原千裕、林よう子、吉村恵、塩崎めぐみ(コーラス)
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- 東京文化会館開館55周年・日本ベルギー友好150周年記念オペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」[日本初演]
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