中村橋之助、築地市場のドキュメンタリー映画観て「歌舞伎と同じ伝統がある」

ドキュメンタリー映画「TSUKIJI WONDERLAND（築地ワンダーランド）」のプレミア試写会が、昨日9月3日に東京・丸の内ピカデリー2にて開催され、中村橋之助が登壇した。

江戸時代に日本橋で誕生した魚河岸をルーツとしている築地市場にはもともと、江戸歌舞伎の三座（興行劇場）があり、魚河岸の旦那衆が歌舞伎を支援していた歴史がある。橋之助は「今の市川海老蔵さんのおじい様にあたる、十一代目市川團十郎襲名の際にも魚河岸から助六の祝い幕が届きました」とその深い“縁”を感じさせるエピソードを語る。

また本作については「大変素敵な映画でした」とコメント。10月に執り行われる自身の八代目中村芝翫襲名と、10月1日から先行公開、15日から全国公開する本作を重ね合わせ、「歌舞伎でも言えることですが、古くから人に支えられ、人の心の優しさや厳しさ、それにつながる伝統というものがこの映画には込められているのではないかと思います」と、ここでも歌舞伎と築地市場の“縁”を強調した。

築地の職人魂と歌舞伎に通じるものとは、と問われた橋之助は「自然体で取り組むことが、歌舞伎でも築地でも、一番格好良く見えるのだと思います」と回答。また「日々の精進や見えないところでの努力が大切になっており、先輩や師匠の背中を必死に追い続ける姿も共通していますね。そんな点がご覧になる方々の心に響くのだと思います」と本作の魅力を分析する。

11月7日に予定されていた豊洲移転の延期が決定した東京都中央卸売市場・築地市場。本作は、国内外から注目される日本の台所・築地市場で働く仲卸人や料理人それぞれの物語を通して、築地の魅力と日本食文化の真髄に迫っている。一般人が立ち入れない場所にまでカメラが初潜入し、1年以上にわたり取材を敢行。監督はMVやドキュメンタリー番組を手がけてきた遠藤尚太郎が手がける。

「TSUKIJI WONDERLAND（築地ワンダーランド）」は10月15日より全国にてロードショー。なお東京・東劇では10月1日に先行公開される。