文学座×中島淳彦の女優9名芝居、演出・鵜山仁は「深度の高いコメディに」

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文学座が、中島淳彦書き下ろしの「何かいけないことをしましたでしょうか?と、いう私たちのハナシ。」を6月3日から12日まで東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演する。

文学座「何かいけないことをしましたでしょうか?と、いう私たちのハナシ。」メインビジュアル

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「何かいけないことをしましたでしょうか?と、いう私たちのハナシ。」は、1960~1970年代に起きた「イエスの方舟事件」をもとに中島が2004年に描いた「プカプカ漂流記」がベースとなっており、今回は新たな視点を加えた女優9人だけの芝居として文学座に書き下ろされる。舞台は南九州のあるさびれた港町。マスコミや大衆から逃れて、そこに身を寄せる女たちは、さまざまな矛盾を感じつつもたくましく生きていて……。

演出の鵜山仁は、「文学座の中堅、若手を中心とする女性のみの座組で、フィクションの次元に加え、劇団という、この奇妙な集団性の生理をもえぐり出す、深度の高いコメディを立ち上げたいと考えています」と意気込みを語っている。

鵜山仁コメント

文学座がこの10年間、『ゆれる車の音』、『くにこ』という作品を通して育んできた中島淳彦の世界は、現代社会における人と人とのつながりの諸相についての喜劇的考察、といった趣がある。
今回は、作者自身が2004年に書下ろし、劇団ハートランドによって再演を重ねてきた『プカプカ漂流記』という、"イエスの方舟事件"に想を得た旧作に、戦中から戦後にかけて価値観が激しく変化していく社会という視点を加味し、戦後日本のコミュニティ感覚の変遷を描き出そうという、新たな書き下ろし作品です。文学座の中堅、若手を中心とする女性のみの座組で、フィクションの次元に加え、劇団という、この奇妙な集団性の生理をもえぐり出す、深度の高いコメディを立ち上げたいと考えています。
猛々しくもたおやかな女性たちの重なりあい、ぶつかり合いのダイナミズムを、その喜怒哀楽の極限において表現出来れば。この世に「理想」の国、「神の国」を打ち立てるためには、「現実」の滓を背負う「男」の習性と決別し、彼らとは全く別の人生観、世界観を打ち立てる必要がある。その意味でも、この女性だけのカンパニー、男の不在は、歯止めのない疾走感とともに、激しく機能してくれるだろうと期待しています。 昨今の社会の変化によって、「男世界」の風景は確実に変わりつつある。この大変化の行く先を、文学座新世代の女性アンサンブルの力を借りて幻視してみたい。これが今のところの、演出者の狙いです。

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文学座「何かいけないことをしましたでしょうか?と、いう私たちのハナシ。」

2016年6月3日(金)~12日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター

作:中島淳彦
演出:鵜山仁
出演:塩田朋子、金沢映子、名越志保、目黒未奈、渋谷はるか、吉野実紗、増岡裕子、高柳絢子(「高」ははしごだかが正式表記)、前東美奈子

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