「月のこおり」は札幌を舞台にしたラブストーリーで、今井が演じる写真家の主人公・北村竜次と、すみれが演じるジャズシンガー・小春の9年間が描かれる。主題歌はマルチクリエイターとして活動する堂野が率いるバンド・TOKYO RABBITの「雨ノ詩」。挿入歌には堂野が提供したすみれの楽曲「Before Sunrise」が使用されている。
札幌で行われた撮影を前にすべてのセリフを覚えたという今井は「セリフに執着するのではなく、作品や現場の空気感すべてをものにしたいという思いがあった」と振り返る。ステージで歌う小春の姿を竜次が撮影するライブシーンについて「すみれちゃんの表現力の豊かさに僕自身も引き込まれながらシャッターを切ったり演じたりしていましたね」と今井が語ると、すみれは「今井さんも竜次さんもすごくカッコよくて心が優しいので、とても入り込んで密になれた。小春ちゃんのストレートな『ただ好きになった』という思いに自分らしさを乗せながら、オリジナルの小春ちゃんを作っていきました」と、自身が演じた小春というキャラクターを表現した。
「大人の男女の会話劇を作りたかった」という堂野監督は2人にオファーした理由を「今井さんは『この人のそういう会話を見てみたい』と思って。いろんな絶妙な表情や色っぽさがあって、自分の作りたかったものを超えられた」「すみれちゃんはずっと一緒に音楽を作っていたので『これだけスケールが大きい、才能のある人だ』ということを世に知らしめたいと。生き物としてすごい」と語る。そんな2人のライブシーンについては「写真を撮っている今井さんと歌っているすみれちゃんが、楽器を奏でてるわけではないのにセッションしてるようで。そういうシーンにしたくて、固定じゃなくてハンドでも撮っているんですよ」と、ライブ感を表すための撮影方法のこだわりも明かした。
竜次が個展を開くギャラリーのオーナーを演じたのは近藤芳正。今井は「中学生のときに出演したドラマの先生役を演じていただいてて以来」という近藤との共演について「自分も40代になって、またこうやって向き合ってお芝居ができることにすごく感謝しました。いい意味での緊張感も抱けたし、充実した時間を過ごせましたね」と感慨深げに話す。そんな今井に対し、すみれは「本当に優しく見守っていただいて……みんなでいつも楽しく撮影をさせてもらえました」と笑顔で感謝を述べた。
音楽ナタリー @natalie_mu
今井翼、すみれ、堂野アキノリ監督が映画「月のこおり」撮影秘話を振り返る
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