2021年の結成以降、エモやオルタナなどの要素を飲み込んだ独自のサウンドで音楽シーンの中でも特異な存在感を放つdownt。昨年は初のフルアルバム「Underlight & Aftertime」を発表したほか、2度の中国ツアーを行うなど着実に活動の規模を広げてきた。そんなdowntにとって初ワンマンとなる「LIVE」のチケットは完売。バンドへの注目の高さが伺える中での開催となったが、メンバー3人は「初ワンマンだから」といった気負いを一切感じさせない、いつも通りのストイックなステージを繰り広げた。
定刻を少し過ぎた頃、ふらりと姿を見せたdowntはお互いの感触を確かめるように静かに音を重ねて「I couldn't have done this without you.」の演奏を開始。河合崇晶(B)とTener Ken Robert(Dr)が生み出す重厚なビート、富樫ユイ(G, Vo)の感傷的な歌声とギターが重なると、観客は一気にバンドの世界観へと引き込まれていく。高揚したムードの中、downtはギアを一段階引き上げるように「Fis tel」「Channel 2」をプレイ。その後は疾走感あふれるサウンドと憂いを帯びたボーカルのコントラストが印象的な新曲や、感情を爆発させるように一気に駆け抜ける「minamisenju」を届け、序盤から熱狂的な空間を作り出した。
“初ワンマン”や“ソールドアウト”といったトピックにまったく関心がないと語る河合。彼は満員のフロアを眺めながら「俺らはバンドビジネスというものに興味がなくて、ただただ音楽を追求していきたい。音楽を追求するってどういうことなのか、今は『嘘をつかない』『無視をしない』という2つを大事にしている。だから今日は自分の半径5メートル以内でいいから何かを感じてもらって、少しでも優しくなれたら面白いと思う」と、音楽と真摯に向き合うバンドのスタンスを提示した。downtは富樫による「8/31(Yda011)」の独奏でライブを再開すると、分厚いベースを起点に「紆余」へと突入。緊張感漂うステージに会場中が息を呑む中、不穏なムードの「Yda027」「煉獄ex」が届けられると、深度を増していくカオティックな音の世界に、オーディエンスはじっくりと浸っていた。
ライブ終盤、「mizu ni naru」のイントロが流れ始めると客席からは思わず歓声が上がる。downtは緩急の効いたアンサンブルでじわじわと会場の熱を高めると、本公演の数日前にリリースされたばかりの新曲「AWAKE」を届けた。その後披露された「underdrive」では、downtが阿吽の呼吸で織りなすリズムとビートに、WWWは混沌としたダンスフロアへと変貌。オーディエンスは3人の演奏に身を委ねるように、一心不乱に体を揺らして楽曲を楽しんだ。そして、downtは持ち曲はすべて演奏するためアンコールはしないと告げると、「111511」「13月」の2曲で観客を再び熱狂の渦に巻き込み、約80分のステージを駆け抜けていった。
アンコールを求める手拍子がしばし鳴り響いたのち、downtは「1曲やるの忘れてたわ」と再びステージに登場。Tener Ken Robertはオーディエンスの熱気を受けて、「楽しいですね。普段は恥ずかしくて話さないんですけど、本当にありがとうございます。今日は僕の母も来てるんですけど、この光景を見て『楽しそうにやってんだな』と思ってると思います」とにこやかに語った。downtは最後に「AM4:50」を届け、会場に深い余韻を残してステージをあとにした。
セットリスト
downt「LIVE」 2025年4月26日 WWW
01. I couldn't have done this without you.
02. Fis tel
03. Channel 2
04. ※新曲(タイトル未定)
05. minamisenju
06. 8/31(Yda011)
07. 紆余
08. Yda027
09. 煉獄ex
10. balance
11. not
12. Whale
13. mizu ni naru
14. AWAKE
15. underdrive
16. 111511
17. 13月
<アンコール>
18. AM4:50
downt @downtband
☠️ライブレポ☠️
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こないだのライブレポートが掲載されているぜ。ライブレポートとは一体なんなのか。心に生じた感覚や考えをなにかの形にすること、それを感想という😈
おれたちの演奏は全ておれたちの感想だ🫵👹
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