SiM、“音楽の不思議な力”渦巻く主催フェス「DEAD POP FESTiVAL」で仲間26組と熱演

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SiM主催のライブイベント「DEAD POP FESTiVAL 2018」が6月30日と7月1日に神奈川・東扇島東公園 特設会場にて開催された。

「DEAD POP FESTiVAL 2018」2日目公演でのSiM。(Photo by Kohei Suzuki)

「DEAD POP FESTiVAL 2018」2日目公演でのSiM。(Photo by Kohei Suzuki)

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「DEAD POP FESTiVAL 2018」の様子。(Photo by Yuji Honda)

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「DEAD POP FESTiVAL」は「壁を壊す」をテーマに2010年から行われているイベント。会場を野外に移して4度目の開催となる今年は2日間で全27組が出演した。梅雨による悪天候が心配されたが、開催前日に観測史上最速での関東甲信地方の梅雨明けが発表され、会場には2日間共真夏のような青空が広がった。

6月30日

渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)(Photo by Kohei Suzuki)

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オーディションでオープニングアクト枠を勝ち取った名古屋のEVERLONGがさわやかなライブを見せたあと、メインステージ・CAVE STAGEの幕を開けたのはSUPER BEAVER。彼らは昨年サブステージであるCHAOS STAGEに出演していたことに触れ「出世しました!」と声を弾ませる。続けてフェスを主催しているSiMへ賞讃の言葉をかけつつ「次やるときはライブハウスでよろしくお願いします!」とライブハウスでの競演を約束して「美しい日」「ありがとう」などを熱く歌い上げていった。アルカラはこれまでフェスでSiMと会うと「タイムテーブルが被って“悲SiM”」などのダジャレをメンバーに告げていたことを明かし、「DEAD POP FESTiVAL」初出演を喜んだ。続いてCAVE STAGEに登場したdustboxも「DEAD POP FESTiVAL」初出演。彼らは終始「うれしい」と言いながらメロディアスなナンバーを届けていく。またSUGA(Vo, G)は、メンバーチェンジなどバンドが岐路に立っていたときにMAH(Vo / SiM)がライブを見て「よかったです」など声をかけてくれたことが支えになったと感謝を伝え、SiMに「Jupiter」を贈った。

岡崎体育のステージでSiMのSHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)がコラボする様子。(Photo by Kohei Suzuki)

岡崎体育のステージでSiMのSHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)がコラボする様子。(Photo by Kohei Suzuki)[拡大]

SHADOWSのパフォーマンスでは、Hiro(Vo)とKazuki(G, Vo)が「後ろのやつこっち見ろよ!」「手え振ってねえでこっち来いよ」と絶え間なく観客たちを扇動。「Fail」の演奏が始まると通路側へと大きくはみ出すほどのサークルモッシュが形成され、道行く人たちを次々と巻き込んでいった。岡崎体育は無言で歩きながらのウォールオブデスを促す「Walk Of Death」などコミカルな楽曲でオーディエンスを魅了。「感情のピクセル」ではSiMのSHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)が参加するというコラボが飛び出したが、バンドマンへの恨みを込めた「FRIENDS」が披露されると、ステージ袖で観ていたMAHは怪訝そうな表情で岡崎を見つめていた。女王蜂はジュリ扇を振るファンの姿も数多く見られる中、「ヴィーナス」「デスコ」といったグルーヴィーなナンバーでオーディエンスを歓迎。アヴちゃん(Vo)が自身の楽曲の中で一番ポップだと紹介した「告げ口」では鬼気迫るパフォーマンスが繰り広げられ、女王蜂流の“DEAD POP”がいかんなく表現された。

coldrain(Photo by Kohei Suzuki)

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続いてCAVE STAGEに登場したのは「DEAD POP FESTiVAL」最多出演となるcoldrain。彼らは「兄弟が作ったでっかいステージで俺らができることは、重たいバトンをSiMに渡すためにどえらいライブをするだけ」と意気込み、岡崎体育の「Walk Of Death」に負けじとばかり“本物の”ウォールオブデスを発生させたり、SiMと出会った頃の曲として1stアルバム「Final Destination」収録曲「8AM」を丁寧に届けたりと、盟友への最大のリスペクトを贈った。GLIM SPANKYはSiMとの出会いはもちろん、この日オープニングアクトで出演したEVERLONGが高校の先輩であるという縁にも感激した様子でソウルフルな歌声を響かせた。MAN WITH A MISSIONは岡崎体育の「感情のピクセル」の歌詞にちなんで「リアルニ“どうぶつさんたちだいしゅうごう”デス」と自己紹介して場内の笑いを誘う。そんな彼らは「DEAD POP FESTiVAL」を「日本デ一番クレイジーナオーディエンスガ集マルフェス」と評し、「Emotions」「Raise your flag」などでさらにオーディエンスを“クレイジー”にさせていった。

ONE OK ROCK(Photo by Kohei Suzuki)

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SiMと長年交流のある盟友、THE→CHINA WIFE MOTORSは「baby alright」をはじめストレートなロックンロールナンバーを次々とプレイ。「Too Much Monkey」ではTSUNEHIKO KAJITA(Vo, G)がギターを地面に叩き付けるパワフルなステージングで観客を沸かせた。大勢の歓声に包まれ登場したONE OK ROCKは「Taking Off」「We are」などスケール感あふれる楽曲群で会場の雰囲気を一変させた。MCでTaka(Vo)はSiMとの思い出を振り返りつつ、「MAHと俺が出会った頃、彼はよく緑のシャツを着て歌っていました」とこの日のためにNirvanaの緑のTシャツを着用してきたことを告白。終始リスペクトに満ちたパフォーマンスを展開し、イベントの大トリを務めるSiMにバトンを渡した。CHAOS STAGE最後のアクトとなったGOOD4NOTHINGは、ライブハウス仕込みの「STOMPING STEP」「It's My Paradise」で観客たちのテンションを引き上げる。イベントも佳境を迎え夕日が沈んでいく青空の下、ピースフルなムードを作り上げてこの舞台のフィナーレを彩った。

左からTaka(ONE OK ROCK)、MAH(SiM)、Masato(coldrain)。(Photo by Kohei Suzuki)

左からTaka(ONE OK ROCK)、MAH(SiM)、Masato(coldrain)。(Photo by Kohei Suzuki)[拡大]

CAVE STAGEにはいよいよ主催者・SiMが登場。ONE OK ROCKのTakaのMCを意識してか緑色のネクタイを締めたMAHは「最後までよく生き残ってくれました」とオーディエンスをねぎらったかと思えば「きっちりズバッとトドメを刺してあげるから」と笑う。バンドはその言葉通り、艶やかな「Amy」、モンキーダンスを踊らせた「GUNSHOTS」などを勢いよく届けていく。さらにゲストとして登場したイイカワケン(HEY-SMITH)の物憂げなトランペットの音色が彩った「Rosso & Dry」や、「フェスとかだとなかなかできない曲」と紹介された「Evolution is Solution」といったナンバーも惜しみなくプレイした。

MCでMAHは「DEAD POP FESTiVAL」について「フェスはただのカタログにすぎません。カッコいいバンド見つけたらそのバンドのライブに行ってほしい」「聴いてる音楽の幅を広げていってほしいと思ってこのイベントをやってます」と熱弁。さらに「音楽には不思議な力がある。今日も1日、不思議な音楽の力がぐるぐる渦巻いてるのが見えた気がした」と振り返った。

アンコールでMAHは、最初にチケットソールドアウトによりシャトルバスの待機列やグッズの購入者列が想像以上に長くなってしまったことを謝罪する。そして「今日はすごいアーティストのみんなに囲まれて幸せです。でも前にどんなにカッコいいライブをされようとも『やっぱりSiMさすがだな』と思わせるライブをしていきます」と改めて意気込み、ライブを再開。「Blah Blah Blah」で再び会場を熱気に包んだのち、「上も下も関係ねえけど、やっぱりこの世代だってことをわからせてやるよ!」と言い、Taka(ONE OK ROCK)とMasato(coldrain)を招集。彼らはバンドのパワフルなサウンドに乗せて「f.a.i.t.h」をパフォーマンスする。演奏を終えるとTakaが「もう1回やろう!」と提案し、再び「f.a.i.t.h」をプレイするという大団円で初日のステージを締めくくった。

7月1日

04 Limited Sazabys(Photo by Kohei Suzuki)

04 Limited Sazabys(Photo by Kohei Suzuki)[拡大]

オープニングアクトのAiliph Doepaが奇抜なビジュアルと重たいサウンドで場内を温めたあと、CAVE STAGEの幕を開けたのは04 Limited Sazabys。「悪魔払いに来た」と言う彼らは、SiMの「Amy」をSEにステージに登場すると、サビからそのまま同曲を演奏したり、「Chicken race」の演奏前にはSiM「GUNSHOTS」のイントロを織り交ぜたりして、オーディエンスのテンションを引き上げていく。またGEN(B, Vo)が「一番大切なイベントで呼び返せたら」と言い、ステージ上で主催フェス「YON FES」へのオファーをする一幕もあった。FIVE NEW OLDは軽やかなシティポップサウンドで、暑い東扇島東公園にさわやかな風を送り込む。続く10-FEETは「SiMはいっつもチケットのこととかライブ会場でのあり方とか、いいことも悪いことも批判を恐れず男らしく伝えて。みんなと一緒に何かを作っていきたい、変えていきたいって思いがめっちゃあるバンドだと思うねん。そういうあいつらの意志のあるところに賛同して、たくさんのお客さんやバンドがSiMに付いて行ってるんだと思います」とSiMおよび「DEAD POP FESTiVAL」をたたえたあと、「ヒトリセカイ」や「RIVER」などをエモーショナルに届けた。

BLUE ENCOUNT(Photo by Kohei Suzuki)

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昼どきのCHAOS STAGEに登場したのはSHE'S。井上竜馬(Vo, Key, G)は「軽くザワついてましたね、(出演が)発表されたとき。『狼の群れに子犬が』って」と自虐気味に述べて笑いを誘いつつ、「子犬には子犬の戦い方があるんですよ!」と意気込み、ダンサブルな「C.K.C.S.」「Over You」で観客の体を揺らした。SHE'Sと同じく「DEAD POP FESTiVAL」初登場となったBLUE ENCOUNTの田邊駿一(Vo, G)は、ステージに登場するなり「あーうれしー!」と喜びを爆発させる。4人は「SiMがいたからできた曲」だという「DAY×DAY」やフィールドから無数の拳が上がった「もっと光を」を熱量たっぷりに届けた。続いてCHAOS STAGEに現れたCOUNTRY YARDは、サポートドラマーのSAMBU(NAMBA69)と共にライブを展開。Keisaku "Sit" Matsu-ura(Vo, B)の「よかったらみんな、暗い暗いライブハウスに遊びにきてくれ」という言葉から「Don't Worry, We Can Recover」が演奏されると、観客の熱気がぐっと高まった。

MAH(SiM)と東京スカパラダイスオーケストラ。(Photo by Kohei Suzuki)

MAH(SiM)と東京スカパラダイスオーケストラ。(Photo by Kohei Suzuki)[拡大]

東京スカパラダイスオーケストラのステージでは10-FEETのTAKUMA(Vo, G)がゲストボーカルとして登場。2組は「Samurai Dreamers <サビレルナ和ヨ>」をパフォーマンスして場内を盛り上げる。さらに谷中敦(Baritone Sax)が「これから初めてのことが起こります」と前置きすると、MAHを呼び込み、彼をボーカリストに迎えてSiMの「GUNSHOTS」をプレイ。初のコラボでオーディエンスを熱狂させた。CHAOS STAGEには地元・川崎出身のSECRET 7 LINEが初出演。「この曲を歌いにきました!」と「YOUR SONG」をプレイし、会場に盛大なシンガロングを発生させた。HEY-SMITHの猪狩秀平(G, Vo)は、SiMとcoldrainと共に2012年から行なっている共同イベント「TRIPLE AXE」のTシャツを着用してステージに。「後輩の“ONAKAMA世代”、先輩、それに挟まれた俺ら。どの世代がヤバイかわかってるよな?」と焚き付け「Come Back My Dog」「2nd Youth」といったアグレッシブなナンバーでオーディエンスを踊らせる。かと思えば「SiMと出会った頃にやりまくってた曲」として「Longest day」を届けたあと、猪狩が「SiM、最高の景色見せてくれてありがとう」と優しい表情で語った。

THE ORAL CIGARETTES(Photo by Kohei Suzuki)

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クールなパフォーマンスで観客を魅了したのはチリヌルヲワカ。ユウ(G, Vo)は「私たちにできることは、呼んだことを後悔させないこと」と述べ、スリリングな展開をみせる「松の木藤の花」や伸びやかな高音が映える「アヲアヲ」をプレイした。続くTHE ORAL CIGARETTESは「カンタンナコト」「容姿端麗な嘘」といった激しいナンバーを畳み掛けて観客を熱狂させる。山中拓也(Vo, G)は「人と人って時間とか距離じゃなくて、どれだけ信頼してるかだと思います」と述べたあと、優しい表情で「トナリアウ」を歌唱。ラストの「BLACK MEMORY」の演奏後には舞台上に倒れこんでしまうほどの迫真のアクトを見せた。CHAOS STAGEのトリを務めたヤバイTシャツ屋さんは、リハーサルから「とりあえず噛む」「ネコ飼いたい」といったキラーチューンで観客を沸かせる。本編ではその勢いをさらに加速させ、NHK「おかあさんといっしょ」のエンディング曲「スプラッピ スプラッパ」のカバーでサークルモッシュを発生させた。

「DEAD POP FESTiVAL 2018」の様子。(Photo by Yuji Honda)

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大トリのSiMは「TxHxC」「paint sky blue」といったダビーなナンバーで艶やかにライブを開始した。MAHの「静かに燃えるロックもあるんだってことを知ってください」という言葉からミディアムチューン「The Sound Of Breath」をしっとりと届けるなど、表情豊かにライブを進行。コラボ満載だった前日に対し「今日は4人だけの力で勝負したい」とMAHが話していた通り、この日の彼らはゲストを迎えず、4人のエネルギッシュなプレイでオーディエンスを魅了していった。

「ロックバンド・SiMのボーカルのぼやき」と前置きしてからMAHは「俺たちはロボットじゃねえから、やりたくねえことはやりたくねえし、やりたいことだけやりたい。それを音に乗せて叫ぶのがロックだと思ってる」「フェスが多発してる時代の中で、こんなやつが主催してるフェス見ちゃったらお前ら戻ってこれないよ。ざまあみろ!(笑) これからも芯のあるロックフェスだってはっきり言い切ってやっていきます」と思いの丈をぶつける。彼の思いや言葉に賛同したファンのシンガロングを煽り、彼らは最後に「JACK. B」「Get Up, Get Up」を届けた。

アンコールでこの日もMAHは競演者をたたえつつも「みんなが積み上げてきた積み木を最後に蹴飛ばしたい。それがSiMです、あはは!(笑)」とその“悪魔”っぷりを見せる。そして蹴飛ばすかのようにキラーチューン「KiLLiNG ME」「f.a.i.t.h」を連投し、会場いっぱいにサークルやウォールオブデスを発生させる。SiMの4人はその様子を満足げな表情で見渡し、より一層パワフルなサウンドで2日間の幕を下ろした。

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