6月30日と7月1日に神奈川・東扇島東公園 特設会場にてSiM主催のライブイベント「DEAD POP FESTiVAL 2018」が開催される。
会場を野外に移して4度目の開催となる今年はcoldrainやHEY-SMITHといった「DEAD POP FESTiVAL」常連組から、ONE OK ROCKやヤバイTシャツ屋さんといった初登場のアーティストまで、全25組が出演する。音楽ナタリーでは今年の開催を記念して、SiMのフロントマン・MAH(Vo)と、ONE OK ROCKのTaka(Vo)の対談を実施した。「DEAD POP FESTiVAL」についてはもちろん、「まるでアベンジャーズのようだ」という互いの関係性についても話を聞いた。
取材・文 / 小林千絵 撮影 / 後藤倫人
正直、ONE OK ROCKを舐めてかかってた(MAH)
──まずはお二人の出会いを教えてもらえますか?
MAH(SiM) 2009年に「MTV Boo Xmas」っていうイベントで一緒になったのが最初。
Taka(ONE OK ROCK) そうだ。
MAH RIZE、DOPING PANDAとかと一緒にONE OK ROCKとSiMも出てて。俺はライブハウスのポスターとかで見てたから一方的にONE OK ROCKを知ってたんだけど、そのときは正直、舐めてかかってて(笑)。
Taka ははは(笑)。
MAH 「アイドルだった子が始めたバンドらしいぜ」って話は噂で聞いてたから「どうせ」みたいな気持ちだったんですけど、ライブ観たら1曲目から「やべえ、半端ねえ」と思って。もう完全にやられた感じがした。そのときは挨拶した程度であんまり深く話せなかったんですけど、そこから一方的に新曲出たらチェックしてて、そのあと2012年の「OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL」でまた一緒になって。そこでちゃんと挨拶したんだよね。
Taka そうそう。僕もSiMは気になってたバンドで。年齢も近くて、ピンボーカルで、でも音楽性的にはレゲエとかスクリームを織り交ぜたバンドって周りにあんまりいなくて。とにかく気になってた。でも同じように「Boo Xmas」で話せなかった……と思ってたら数年後の秋田(「OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL」)でMAHくんからしゃべりかけてくれたんですよ。僕の聞いてた印象ではすごいトゲトゲしてる人だと思ってたんですけど、「全然そんなことないじゃん、すごくいい人じゃん」と思った(笑)。
MAH 認めたからだよ。「こいつはカッコいいやつだ」って。
Taka そうなんだ。それが僕の中で衝撃で。「仲良くなれるんだったらもっと仲良くなりたい!」って思った。
MAH 「Boo Xmas」から「ナマハゲロック」の間にもフェスとかでは同じ日に出演することもあったんだろうけど、ONE OK ROCKはメインステージで、俺らはサブステージというのがいつものパターン。メインステージに出てるバンドに対して劣等感もあったから、あんまり近付きたくなかったんだけど、曲を聴けば聴くほどしゃべってみたいなあという気持ちが強くなってて。「ナマハゲロック」は1ステージしかないからONE OK ROCKとも同じステージで、「よし今回はしゃべりにいこう!」と。みんなプライド持ってやってるからそういうのがあるんですよ。
自分たちの作った景色をみてほしい(Taka)
──そのときはどんな話をされたか覚えてますか?
MAH いや、大したことは話してないと思う。
Taka お互いとにかく柔らかーく入った印象しかない(笑)。
MAH そうだね。ヤケドしないようにね(笑)。
Taka でも話し出したら共感することばっかりだなと思いました。正直、同世代のボーカリストで「カッコいいな」とか「セクシーだな」「華があるな」と思える人ってそんなに多いわけじゃなくて。でもMAHとかcoldrainのMasatoとかはリスペクトできるボーカリストなので、フェスで会ってしゃべるようになってから、休みの日にごはんを食べたり飲みに行ったりするようになりましたね。バンドの状況や方向性は違えど、ベクトルが一緒なんですよね。僕らにできてSiMにできないことってあるし、逆にSiMにできて僕らにできないこともある。さっきMAHが「認めたから」と言ってくれたけど、そういう違いも含めて認め合える。好きな仲間だからこそ、自分たちの作り上げた景色を見てほしいとも思うし。
──それで先日の「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」東京ドーム公演にMAHさん、Masatoさん、Koieさん(Crossfaith)をゲストボーカリストとして迎えたんですね。
Taka そうですね。3人が参加してくれた「Skyfall」は今回のツアーのために作った曲なんですけど、この曲を作るときに考えたのは僕らにどういうバックボーンがあるかを見せたいということで。ONE OK ROCKのバックボーンを探る人があんまりいなくなってきているので、この機会にと思って作ったんです。なので、3人を迎えて披露できてよかったですね。
──MAHさんは一緒に東京ドームのステージに立ってみていかがでした?
MAH 「デカ! ヤバ!」って(笑)。そこをワンマンで埋めるONE OK ROCKのすごさを改めて感じたし、悔しさもあった。でもやっぱリスペクトが大きかったかな。とは言え不安でしたよ。観客の5万人のうち何人が俺らのことを知ってるかわからなかったし、ONE OK ROCKの4人だけで満足させられるんだから、別に俺らが出ていかなくてもいいんじゃないとかも思ったし。でもいざ出てみたらONE OK ROCKのファンのみんながあったかくて。みんな一緒に歌ってくれたし。何よりもTakaが言ってくれたけど、ONE OK ROCKが作ってきた景色の現時点での集大成を、中の人として見れたのはすごく幸せだし、ありがとうって感じ。
Taka いやいやいや。
MAH たぶんMasatoもこいちゃん(Koie)も同じ気持ちだったと思うんですけど、すごく感動した。
Taka あの日一番盛り上がってたもんね。僕もテンション上がっちゃって3人を紹介するの忘れてしまった。それくらい会場の雰囲気すごくて。うれしかったな。
MAH うれしかったね。
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みんなにカッコいい友達を紹介したい(MAH)
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2018年6月30日(土)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場
OPEN 9:00 / START 11:30 / END 20:30(予定)<出演者>
CAVE STAGE
SiM / 岡崎体育 / coldrain / SUPER BEAVER / dustbox / MAN WITH A MISSION / ONE OK ROCKCHAOS STAGE
アルカラ / GOOD4NOTHING / GLIM SPANKY / SHADOWS / 女王蜂 / THE→CHINA WIFE MOTORS2018年7月1日(日)
神奈川県 東扇島東公園 特設会場
OPEN 9:00 / START 11:30 / END 20:30(予定)<出演者>
CAVE STAGE
SiM / THE ORAL CIGARETTES / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / 04 Limited Sazabys / BLUE ENCOUNT / HEY-SMITHCHAOS STAGE
COUNTRY YARD / SECRET 7 LINE / SHE'S / チリヌルヲワカ / FIVE NEW OLD / ヤバイTシャツ屋さん
- SiM(シム)
- MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエパンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。2013年、ユニバーサル・ミュージックに移籍し、シングル「EViLS」でメジャーデビューを果たす。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブは即日の完売となる。2017年9月には兵庫・ワールド記念ホールで対バン企画「THE EYEWALL NiGHT vol.1」を実施。12月にPlayStation4専用ソフトウェア「龍が如く 極2」のテーマ曲およびエンディング曲を収めた両A面シングル「A / The Sound Of Breath」を発表した。2018年6月30日と7月1日に野外で4度目の開催となる主催フェス「DEAD POP FESTiVAL 2018」を開催する。
- ONE OK ROCK(ワンオクロック)
- 2005年にバンド結成。エモ、ロックを軸にしたサウンドとアグレッシブなライブパフォーマンスが若い世代に支持されてきた。2007年にデビューして以来、全国ライブハウスツアーや各地夏フェスを中心に積極的にライブを行う。これまでに日本武道館、野外スタジアム公演、大規模な全国アリーナツアーなどを成功させる。また日本のみならず海外レーベルとの契約をし、アルバム発売を経てアメリカ、ヨーロッパ、 アジアでのワールドツアーを成功させるなど世界基準のバンドになってきている。2017年1月にはアルバム「Ambitions」を全世界で同時リリースし、キャリア史上最大規模となるワールドツアーを行い、日本では初の4大ドームツアーを開催した。