SEKAI NO OWARI、カバー曲も披露した初のアコースティックライブ

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SEKAI NO OWARIが10月8日と9日に、東京・東京国際フォーラム ホールAにて動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」支援公演を開催した。この記事では8日公演の模様をレポートする。

SEKAI NO OWARI(撮影:上山陽介)

SEKAI NO OWARI(撮影:上山陽介)

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「ブレーメン」は、年間約10万頭の犬や猫といった動物が保健所などの施設で殺処分されている現状を変えるべく、SEKAI NO OWARIがNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」と協力して立ち上げたプロジェクト。今回のライブの収益はこのプロジェクトの支援金として寄付される。

Fukase(Vo, G)(撮影:上山陽介)

Fukase(Vo, G)(撮影:上山陽介)[拡大]

この公演は通常と異なり大掛かりな演出を排し、エレキギターや打ち込みのトラックなどを用いないアコースティック形式で実施。演奏する楽曲もすべてこのライブのためだけに、メンバーそれぞれがアコースティックでのリアレンジを施した。会場のステージ上には4人が演奏する楽器のみが配置され、入場したファンを驚かせていた。

開演時刻を迎え、ステージに登場した4人が最初に奏でたのは「死の魔法」。Fukase(Vo, G)のアカペラから始まり、Saori(Piano)のピアノ、Nakajin(G)のギター、DJ LOVE(DJ)がカホンを叩く4人だけの編成でこの曲に、集まった約5000人のファンは座ったままじっくりと聴き入る。続いてサポートのドラムとベースを加えた「ANTI-HERO」へ。原曲よりさらにダークさを増したアレンジがホールに響き渡ったあと、「スターライトパレード」ではステージと客席の照明が一斉に灯り、メンバーの姿がオーディエンスの目に飛び込んできた。大歓声が起こる客席に向け、Fukaseが「歌わせるよ? 座ったまま歌えるの?(笑)」と呼びかけると、観客は総立ちに。全員の大合唱に、Fukaseは「いいね!」と笑顔を浮かべた。

Saori(Piano)(撮影:上山陽介)

Saori(Piano)(撮影:上山陽介)[拡大]

最初のMCではDJ LOVEがこのライブの趣旨を丁寧に説明するが、Saoriから「LOVEさん、最初にMCするときは喋り方がいつもと違うよね(笑)」と突っ込まれる。さらにNakajinからは「LOVEさんがステージでこんなに楽器に囲まれてるの初めてじゃない?」、Fukaseからは「DJらしいところが1つもないよね(笑)」と、多数の打楽器を周囲に据え、楽曲にさまざまな彩りを加えるこの日の役割をいじられた。そんな和やかなやり取りに続いて披露されたのは「PLAY」。しかしイントロが終わり、歌い始めたのはFukaseではなくSaori。客席からは驚きの歓声が沸き起こった。透明感のあるキュートなボーカルを響かせたSaoriは、曲が終わると「生まれて初めて人前で歌った……」と緊張が解けた表情で話し、オーディエンスから大きな拍手を浴びていた。

Nakajin(G)(撮影:上山陽介)

Nakajin(G)(撮影:上山陽介)[拡大]

Fukaseの「カバーをやります」という言葉のあとは映画「となりのトトロ」の主題歌が披露され、予想外の選曲にどよめきが起こる。Fukaseの穏やかな歌声がファンを魅了したあとも「虹色の戦争」「Home」と、名曲が次々と演奏された。Saoriは「Home」について「ライブ初披露でした。このライブでは初めてのことをたくさんやっていて、カバーをするのも私が歌うのも初めてなんです」と明かし、Nakajinも「聴きなじみのないアレンジばかりだから、全曲新曲みたいなものだよね」と語る。その後4人はバンドの初期の楽曲「世界平和」を、楽曲が完成した当時のアレンジで演奏。現在のバージョンとは異なるリズムとアレンジで、曲の持つ魅力を新たな形で提示した。

DJ LVOE(DJ)(撮影:上山陽介)

DJ LVOE(DJ)(撮影:上山陽介)[拡大]

さらに2曲目のカバーとして、SMAPの「夜空ノムコウ」を披露する。柔らかなアンサンブルが響いたあとは、「炎の戦士」へ。ここではNakajinがボーカルを務め、熱くエモーショナルな歌声でファンを大いに盛り上げた。「RPG」では4人がステージ前方のスタンドマイクに向かい、ゴスペル風アレンジを聴かせる。息の合った華麗なハーモニーに、場内からは大歓声が起こった。

「RPG」が終わると、4人はそれぞれこの日のライブに向けた苦労話を語り始める。Nakajinが「大変でしたよね、変更変更で」とライブ直前までアレンジを練り上げたことを明かすと、Saoriも「仕事が終わってから(NakajinとDJ LOVEと)3人で練習して……」と振り返る。それに対してFukaseは「1人足りないじゃん!(笑)」とすねてみせ、ファンの笑いを誘った。そして本編は早くも最後の曲へ。「ブレーメン」プロジェクトの支援シングルとして制作された「Hey Ho」を軽やかに演奏する4人に、客席からは息もぴったりの掛け声が上がった。

熱烈なアンコールの声に応え、4人は再びステージへ。Fukaseは「今日は『ブレーメン』のライブでしたけど、難しいことは言いません。楽しかった、って言って帰ってくれればそれでいいと思います」と、集まったファンへ改めて感謝を述べた。アンコールで披露されたのは「インスタントラジオ」。Fukaseのオートチューンを効かせたボーカルとアコースティックサウンドが混じり合い、この日ならではの雰囲気が作り上げられる。曲が終わると4人はステージ前方へ進み出て、マイクを通さずに生声で「ありがとうございました!」と挨拶。大きな拍手に送られ、笑顔でステージを降りていった。

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SEKAI NO OWARI 動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」支援公演 2016年10月8日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

01. 死の魔法
02. ANTI-HERO
03. スターライトパレード
04. PLAY
05. となりのトトロ
06. 虹色の戦争
07. Home
08. 世界平和
09. 夜空ノムコウ
10. 炎の戦士
11. 青い太陽
12. RPG
13. Hey Ho
<アンコール>
14. インスタントラジオ

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澪(みお)★Coexist @one_grace

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