チャラン・ポ・ランタン師走ツアー、浅草公会堂にスカパラ登場

チャラン・ポ・ランタンと崩壊バンドによる全国ツアー「Shiwasu de Gowasu」が、本日12月27日の愛知・名古屋CLUB QUATTRO公演をもって終了した。音楽ナタリーでは12月23日の東京・浅草公会堂でのステージの模様をレポートする。

「チャラン・ポ・ランタンと崩壊バンド」は、もう1つのバンド編成「チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン」でも演奏を務めるさくらん（Contrabass）、ふーちん（Dr）、とんちゃん（Soprano Sax）に、磯部舞子（Violin）を加えた6人編成。開演時刻になると、ステージにはもも（Vo）を除く5人が登場してイントロダクションを奏でる。すると天井からランタンが降下し、舞台の床を割ってももがゆっくりとせり上がってきた。ももはランタンの灯りの下で「空中ブランコ乗りのマリー」をなまめかしく歌い上げ、一気に独特の世界へと観客を引き込んでいく。「墓場までご一緒に」「恋は盲目」「今更惜しくなる」の3曲は“チャランポ劇場”と題し、ももが1人芝居で恋にのめり込む狂気の女性を演じた。

チャランポ劇場に続いては、ももと小春（Accordion）が客席脇に設置されたブースへと移動し、bayfmのレギュラーラジオ番組「スットコドッコイラヂオ劇場」の公開収録へ。2人はボーカルとアコーディオンのみでの「71億ピースのパズルゲーム」のパフォーマンスを挟みつつ、ラジオ用のトークを展開する。新コーナー「ドッコイお悩み相談室」では、「男9人の大所帯バンドをやっているのですが、なかなか話がまとまりません」というリスナーの「東京茂木オーケストラ」に2人が生電話をかけた。どこか聞き覚えのあるリスナーの声に観客がどよめく中、次の「ドッコイカバー」のコーナーでは、2人が参加した東京スカパラダイスオーケストラによるディズニー音楽のカバーアルバム「TOKYO SKA Plays Disney」の話題になり、2人がスタッフにCDとポスターを持ってくるよう伝えると、青いスーツを着た見覚えのある男2人の姿が。ももと小春はステージへと移動すると、ここで改めてスカパラのメンバー、茂木欣一（Dr, Vo）と谷中敦（B.Sax）を呼び込んだ。そして4人はアルバム「TOKYO SKA Plays Disney」に収録された「ホール・ニュー・ワールド」を、茂木ともものダブルボーカルにアコーディオンとバリトンサックスのみというスペシャルな編成で披露した。

ラジオ収録はさらに続き、2人は1月6日にリリースされるニューアルバム「女の46分」から新曲「ちゃんとやってるもーん」を紹介し、ももはチープな打ち込みサウンドに乗せてこの新曲を生パフォーマンス。アコーディオンの音色を一切入れず、自ら打ち込みを手がけたという小春は「ゆとり世代のことを歌うのに哀愁は必要ないかなと思って、ピコピコサウンドにしました」とその理由を明かした。ラジオ収録を終えた2人は、崩壊バンドからドラマーふーちんのみを呼び込み、秋にニューヨークでライブを行った際に大きな反響を集めた「マリオメドレー」を演奏する。これは世界でも人気の任天堂ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のさまざまな場面の音楽をメドレー形式でつなげたもの。ここでももが一旦退場し、続いては小春と崩壊バンドによる「クラシックメドレー」へ。小春の「キューピー3分クッキング」テーマソングと崩壊バンドの「きよしこの夜」の同時演奏というアバンギャルドなパフォーマンスを挟みつつ、最後はももも合流してメンバー全員と観客で「交響曲第9番」を合唱した。

ライブ終盤にはニューアルバム「女の46分」から新曲「時計仕掛けの人生」「欲」の2曲が披露され、シャンソン風のナンバー「ライムライトを浴びて」で本編は終幕。アンコールでは4曲が歌われ、ラストの「ハバナギラ」ではスカパラの茂木と谷中に加え、沖祐市（Key）、GAMO（T.Sax）、大森はじめ（Perc）もステージへ。次々と現れるスカパラメンバーの姿に観客が驚きの声を上げる中、ステージ上は最終的に総勢11名の大所帯に。演奏のあとは全員で観客と一緒に記念撮影を行い、およそ2時間半におよんだライブはにぎやかにフィナーレを迎えた。

チャラン・ポ・ランタンはこのあと12月30日より、ニューアルバム「女の46分」を携えてのリリースイベントツアー「チャラン・ポ・ランタンの公開ラヂオdeショウ」を行う。