THE BOOM武道館3時間ライブで大団円「信じてくれてありがとう」

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THE BOOMが、昨日12月17日に東京・日本武道館にて全国ツアーの最終公演を開催。バンドはこのライブを最後に解散し、結成から約28年の活動に終止符を打った。

THE BOOMの4人がダブルアンコール最後の曲「愛のかたまり」を歌う様子。(撮影:中川正子)

THE BOOMの4人がダブルアンコール最後の曲「愛のかたまり」を歌う様子。(撮影:中川正子)

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THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)

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この日のライブはなじみ深いエレキギターのフレーズと三線の音色で幕を開け、宮沢和史(Vo)、小林孝至(G)、山川浩正(B)、栃木孝夫(Dr)の4人は、1曲目「島唄」を1音1音かみしめるように観客に届ける。曲の途中からはサポートメンバーもステージに加わり、壮大なアンサンブルが日本武道館を彩った。

2曲目「YOU'RE MY SUNSHINE」ではダンサブルなビートに乗って、南流石(Dance, Cho)らとともに宮沢もそろいのダンスを披露。そのまま「Human Rush」「TOKYO LOVE」「brangkat -ブランカ-」と、アルバム「極東サンバ」からのナンバーで会場を踊らせていく。宮沢の「最高の夜だ」という言葉を経て、バンドは「そばにいたい」「月さえも眠る夜」といった楽曲をゆったりと演奏。会場を幻想的な雰囲気で染め上げた。

その後バンドメンバーが一旦退場すると、ステージ上に1人残った宮沢はアコースティックギターを抱えて「光」を弾き語りで歌唱。確かなタッチでアルペジオを奏でながら、「今ここで輝いてる君が一番きれい」と歌い上げた。

THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)

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続くMCで宮沢は、悪天候などの事情で来場できなかったファンを気遣いつつ、「この会場だけじゃなく、ここから飛び出して遠いところまで届くようにと願って、最後まで音楽を演奏させていただきます」と挨拶。「古い曲を聴いてください」と紹介してから、メンバー4人で「釣りに行こう」を披露した。客席が柔らかな照明で照らされる中、宮沢は観客に合唱を促し、場内は温かい空気で満たされていく。しかしそんなムードは次の楽曲で一転。鋭いスカのビートが刻まれる中「おりこうさん」から始まる初期楽曲メドレーがスタートすると、宮沢は高いジャンプを決め、バンドは「都市バス」「逆立ちすれば答えがわかる」といった懐かしの名曲を畳みかけるように繰り出していく。この思わぬプレゼントに観客は満面の笑顔で飛び跳ねつつそろいの振り付けで応え、日本武道館は80年代の原宿ホコ天さながらの盛り上がりとなった。

THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)

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「蒼い夕陽」ではコーラスの斎藤久美と大城クラウディアが艶のある歌声を響かせ、「TROPICALISM」でバンドは妖しくディープな世界を見せつける。宮沢の訥々とした語りによる「手紙」で会場が沸いたのち、メンバーは退場し、場内のスクリーンにはTHE BOOMがそれぞれの時代を見つめ、社会に対して訴えてきたメッセージを伝える映像が映し出された。

そしてライブ後半戦は「I'm in love with you」からスタート。ソウルフルなロックサウンドに乗せて熱いメッセージが届けられ、「この街のどこかに」では町田昌弘(G)の華やかなギターソロが観客を魅了する。「風になりたい」が始まると、ステージ上で打ち鳴らされる無数の打楽器に、観客の手拍子と大合唱が重なり合い、場内はまさに“楽園”と見紛うような至福の空間となった。

THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)

THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)[拡大]

宮沢は「真夏の奇蹟」を歌い終えたのち、総勢12名のサポートメンバーを紹介。鶴来正基(Key)、伊藤直樹(Per)、今福健司(Per)、オーノカズナリ(Manipulator)、上野一郎(B)、町田昌弘(G)、ルイス・バジェ(Trumpet)、有沢健夫(Trumpet)、倉富義隆(Sax)、南流石(Dance & Cho)、斎藤久美(Cho)、大城クラウディア(Cho)の名前を呼び、各々に感謝の気持ちを伝えると、観客も惜しみない拍手を贈った。

そしてライブ本編最後に用意されたのは「世界でいちばん美しい島」「シンカヌチャー」の2曲。これらの曲では琉球國祭り太鼓のメンバーも登場し、ステージ上に30名以上が並ぶ圧巻の光景が広がった。

アンコールを終え、メンバー全員が並んで挨拶をする様子。(撮影:中川正子)

アンコールを終え、メンバー全員が並んで挨拶をする様子。(撮影:中川正子)[拡大]

アンコールに応えて再びステージに上がった4人は「星のラブレター」を演奏。宮沢はこの日のセットリストについて「何を最後に歌うか、実はそんなに迷わなくて、今一番言いたかったことを20数曲並べてきたつもりです。歌の中に皆さんへの感謝の気持ちを込めました」と話し、観客に向かって深々と頭を下げた。そして「僕らの青春は明日からはじまる」と歌う「明日からはじまる」をサポートメンバーとともに届けてアンコールを終えた。

2度目のアンコールで4人は最後のメッセージをファンに伝える。山川が「THE BOOMはいつも前を見て後ろを振り返ることなく、今が一番カッコいいっていうところをいつも見せてきて、今日もそんな最高なカッコいいライブを見せられたんじゃないかと思っています」と話し、栃木は「孝至、山ちゃん、MIYA、出会ってくれてありがとう。みんなの背中越しに見たいろんな景色が一生の宝物になると思います」と感謝の言葉を伝えた。小林は結成当時のエピソードに触れつつ「みんなありがとう。その言葉しか出てこない。今日は最高のゴールが切れました」と感無量の表情を見せた。

THE BOOM「25 PEACETIME BOOM FINAL」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:中川正子)

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そして宮沢は「真っ暗闇の中をとにかく光を浴びたくて突っ走ってきました。ゴールなんてどこにあるのかわからないけど、とにかく走り続けてきました。プロになりたくて山川と栃やん、孝至を誘ってTHE BOOMっていうバンドを作って、そのあとたくさんの人たちが力を貸してくれることになって、今日こんなに大勢の人たちと一緒にゴールのテープを切れるとは。寂しいとか悲しいとかじゃなく、本当に幸せなんです。今までずっと突っ走ってきましたから、これからの人生はゆっくりと一歩一歩踏みしめながら、未来の景色を見つめて歩いていきたいと思います。皆さんもぜひそうしてください。世界一幸せなロックバンドを、今日まで信じてくれてどうもありがとう」と話し、最後に「愛のかたまり」を4人のハーモニーで披露。「ありがとう ありがとう 忘れない バイバイ バイバイ」という歌詞に最後のメッセージを込めて、ゆっくりとステージを降りた。

THE BOOMは1986年に結成された4人組ロックバンド。1989年にアルバム「A Peacetime Boom」でメジャーデビューして以降、スカやサンバ、沖縄音楽といったさまざまなジャンルのサウンドを貪欲に取り入れ、バンド独自の表現として昇華させてきた。ラストライブとなったこの日の日本武道館公演ではメドレーを含む計26曲、3時間を超えるステージを展開。彼らの集大成とも言えるパフォーマンスで満員の観客を沸かせ、その活動を大団円のうちに終了させた。

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THE BOOM「MOOBMENT CLUB TOUR 2014~25 PEACETIME BOOM FINAL」
2014年12月17日 日本武道館 セットリスト

01. 島唄
02. YOU'RE MY SUNSHINE
03. Human Rush
04. TOKYO LOVE
05. brangkat -ブランカ-
06. いつもと違う場所で
07. そばにいたい
08. 月さえも眠る夜
09. モータープール
10. 10月
11. 光
12. 釣りに行こう
13. おりこうさん~ないないないの国~都市バス~過食症の君と拒食症の僕~逆立ちすれば答えがわかる~雨の日風の日~おりこうさん(メドレー)
14. 蒼い夕陽
15. TROPICALISM
16. 手紙
17. I'm in love with you
18. この街のどこかに
19. 不思議なパワー
20. 風になりたい
21. 真夏の奇蹟
22. 世界でいちばん美しい島
23. シンカヌチャー
<アンコール>
24. 星のラブレター
25. 明日からはじまる
<ダブルアンコール>
26. 愛のかたまり

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※記事初出時、一部誤解を招く表現がありました。訂正してお詫びいたします。

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