再生数急上昇ソング定点観測 (2024年7月1週目) [バックナンバー]
=LOVE「絶対アイドル辞めないで」に男性グループ推しも共感の嵐 / 新人808(YAOYA)の非凡な才能
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2024年7月5日 18:30 8
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで6月21日から6月27日にかけて集計されたミュージックビデオランキング、および急上昇ランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのウィークリーミュージックビデオランキングは、当連載の6月3週目の記事で初登場曲として紹介した
また8位には、当連載6月4週目の記事にて
13位は
MY FIRST STORY × HYDE「夢幻」ミュージックビデオ
15位は
NewJeans「Supernatural」ミュージックビデオ(Part.1)
31位のDa-iCE「I wonder」、32位のINI「FANFARE」は、どちらも「THE FIRST TAKE」 での一発撮りパフォーマンス。日韓の音楽シーンを牽引する人気グループの新曲やパフォーマンス映像が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップ。
=LOVE「絶対アイドル辞めないで」
同曲でセンターを務めたのは佐々木舞香。佐々木は体調不良が続き5月28日から活動休止をしており、今回のMV公開直前に復帰が発表された。サビで歌われる「絶対 アイドル辞めないで(ずっと)」というフレーズは、佐々木の復帰を心待ちにしていたファンの願いにも感じられるし、アイドルを応援する全ファンの気持ちをアイドル自身が代弁するという“救い”の歌にも思える。
個人的に素晴らしいと思ったのはラストのサビだ。「これは報われないおとぎ話 / 恋よりも もっと好きだ」というフレーズは、アイドルを応援する気持ちが恋を超越した感情であることを示し、「魔法よ どうか解けないままで」という歌詞はいつか訪れる推しとファンとの別れの儚さも見事に表現している。
グループのプロデューサーであり、同曲の作詞を務めた指原莉乃はX(Twitter)で「自分の中のアイドルオタクを呼び起こして書きました! 男性グループでも女性グループでも、アイドル好きな方にぜひ聴いて頂きたいです」とポスト。SNS上では「指原は天才」という声が多数散見され、「男性グループでも女性グループでも」という指原の言葉の通り、YouTubeのコメント欄にはイコラブファンだけでなく
tuki.「星街の駅で」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場76位
去年配信リリースした「晩餐歌」が今年6月にストリーミング再生数累計3億回を突破した、現役高校生のシンガーソングライター・
MVは全編アニメーションで構成されている。アニメーションプロデューサーを担当したのは、CGや手書きアニメーションなどの幅広い表現を得意とする史耕。最近ではYOASOBIの「海のまにまに」のMVで副監督・プロデューサーを務めている。MVの監督を担当したのは、tuki.が去年11月に公開した「一輪花」のMVでもお馴染みのアニメーション作家であり、イラストレーターのuraraだ。
今回のMVは近未来のとある街を舞台に、実験中の爆発事故をきっかけに犬型ロボットに乗り移った男の子の“ぼく”と、彼が大切に思っている女の子の“きみ”を中心に物語が展開する切なくも心温まる映像。クライマックスで犬型ロボットは自らの身を犠牲にして、地球に落ちてくる巨大な隕石に立ち向かう。歌い出しの「どうか最後に会いに来てくれないか / 言葉だけじゃもう何も埋まらないんだ / 泣き顔でも笑顔でもいい / 君に会いたい」をはじめとしたtuki.が描く切実でピュアな恋の歌と、手描きのようなタッチの優しい映像が見事に融合している。tuki.がX(Twitter)で「1つの映画を見たような満足感あるMV」とポストした通り、わずか4分5秒のMVとは思えないほどの感動が詰まっている。
808(YAOYA)「You」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場77位
関西のクラブシーンを中心に注目を浴びている、新星のシンガーソングライター・808(YAOYA)。彼は兵庫県小野市出身で、神戸を拠点とする4人組ヒップホップクルー・FLAT FRANKENの一員として音楽活動をスタートさせた。2022年8月に1st EP「FIRST TRAVEL」をリリースし、ソロ活動を開始。2023年1月には、J-REXXX、THUNDER、RAM HEADなどの人気レゲエアーティストの作品を手がけてきたプロデューサー・774(DIGITAL NINJA)とのコラボアルバム「ANALOG NINJA」を発表し、大きな話題を呼んだ。
そんな808(YAOYA)の名を世間に知らしめたのが、今年3月にリリースされたEP「MAGIC HOUR」である。本作は関西ストリートシーンを代表するレゲエサウンド・LIFE STYLEのユタがプロデュースを務め、「No!!! feat.
「You」はジャマイカのドラムを取り入れ、現地の音やグルーヴを輸入した温かみと優雅さを感じるサウンドが魅力だ。そんなトラックに乗せて歌われるのは、別れてしまった大切な人への思いを曲にして、それをステージで歌っている様子を描いた劇中劇のようなラブソング。どの歌詞も独創的で素晴らしいが、特に「アイシテルなんて / 言葉にしたら安くなるだろ」というフレーズのオリジナリティからは、808(YAOYA)の非凡な才能が感じられる。「You」のヒットを経てこれからどんな楽曲で我々を魅了してくれるのか、彼の活動に注目していきたい。
- 真貝聡
-
ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
- (2024年12月3週目) 内輪ネタ「みむかゥわナイストライ」が中国で1000万再生 / 宇多田ヒカルとアインシュタインの手紙のこと
- (2024年12月2週目) REIKOとJUNON、親密な2人だからこそのグルーヴ / 羽生まゐご新曲「ぼくのかみさま」公開に喜びの声
- (2024年12月1週目) DECO*27「モニタリング」に隠された真実とは? / 観れば誰でも沸けるiLiFE!の曲、シリーズ第3弾登場
- (2024年11月5週目) B'zの新曲はイルミネーションのように人生を彩る / 学園一のアイドル十王星南が抱く「小さな野望」とは
- (2024年11月4週目) 一躍人気のサツキが「オブソミート」で描く戸惑い / 偶然の一致?「テトリス」ネタの2曲が同時にバズる
- (2024年11月3週目) DJ社長に振り回される「不憫ボーイズ」に期待の声 / 活休前の嵐の心情を描いた「5×20」に今改めて感動
- もっと見る
比企ライナー🚂🌌🍑🐱 @HIKILINER0627
@1chikawayur1
=LOVE「絶対アイドル辞めないで」に男性グループ推しも共感の嵐 / 新人808(YAOYA)の非凡な才能 https://t.co/FSPg0pIFWB #スマートニュース