石井ふく子100歳記念、TBSレトロスペクティブ映画祭で「東芝日曜劇場」名作上映

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「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」が、5月22日より東京・Morc阿佐ヶ谷ほか全国で順次開催される。

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」ポスタービジュアル

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」ポスタービジュアル [高画質で見る]

本企画は、TBSが所蔵する貴重な作品をデジタル修復し劇場公開する「TBSレトロスペクティブ映画祭」の第3弾。今回は、日本で“ホームドラマ”というジャンルを確立した功績で知られ、2026年9月に100歳を迎える現役プロデューサー・演出家の石井ふく子を特集する。

上映されるのは、石井の原点ともいえるドラマ枠「東芝日曜劇場」から厳選された8本。盟友・橋田壽賀子とのタッグによる「愛と死をみつめて」前後編や、中村勘三郎(17代目)森光子が出演した「時間ですよ」、池内淳子主演の「女と味噌汁」シリーズなど、1960年代の名作がスクリーンでよみがえる。

「愛と死をみつめて(前篇)」場面写真

「愛と死をみつめて(前篇)」場面写真 [高画質で見る]

「時間ですよ」場面写真

「時間ですよ」場面写真 [高画質で見る]

さらに石井の現在・過去・未来に迫るドキュメンタリー映画「石井ふく子 100歳~心のドラマの軌跡~」も上映。同作ではロングインタビューや過去の貴重映像を通して、その創作の原点や名作の秘話、そして現役として走り続ける“いま”を映し出す。監督は本映画祭のプロデューサーでもある佐井大紀が務めた。

ドキュメンタリー映画「石井ふく子 100歳~心のドラマの軌跡~」場面写真

ドキュメンタリー映画「石井ふく子 100歳~心のドラマの軌跡~」場面写真 [高画質で見る]

佐井は「まもなく100歳、世界最高齢の現役プロデューサーである彼女にも、熱き新人時代があった。『電気紙芝居』と揶揄され映画に比べはるかに地位の低かったテレビという場で、『ホームドラマ』というジャンルをお茶の間に定着させたホームドラマの母の“原点”ともいえる作品群を、令和のいま改めてスクリーンで堪能して欲しい」と呼びかけている。

あわせて本企画のポスタービジュアル、場面写真も到着。YouTubeでは予告編が公開中だ。

上映は東京・Morc阿佐ヶ谷を皮切りに、大阪・シネ・ヌーヴォ、京都・アップリンク京都、愛知・シネマスコーレ、福岡・KBCシネマへと巡回予定。

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」予告編

佐井大紀(TBSレトロスペクティブ映画祭 プロデュース)コメント

「テレビ」の在り方が様々な角度から問われている今こそ、その黎明期に息づいていた“ものづくりへの熱量”を振り返ることに、大きな意味があるはずだ。
TBSでは開局当初から、メディア論を問うような名作が数多く制作されてきた。しかしそれらの多くは、放送後そのまま破棄されるか、よくても倉庫に塩漬けにされるか。そこで私は、独断と偏見で作品を掘り出しデジタル修復して再発表する「TBSレトロスペクティブ映画祭」を企画した。
第3回目は、石井ふく子特集。まもなく100歳、世界最高齢の現役プロデューサーである彼女にも、熱き新人時代があった。「電気紙芝居」と揶揄され映画に比べはるかに地位の低かったテレビという場で、「ホームドラマ」というジャンルをお茶の間に定着させたホームドラマの母の“原点”ともいえる作品群を、令和のいま改めてスクリーンで堪能して欲しい。

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」上映作品ラインナップ(作品解説・佐井大紀)

<日曜劇場>
1956年以降、毎週日曜21時からTBS系列で放送されている、日本でもっとも長い歴史を持つドラマ番組枠。1958年、石井は日本電建の社員でありながら、この枠の2代目プロデューサーを引き受ける。

時間ですよ(デジタル修復版)

後に久世光彦×向田邦子コンビでシリーズ化された名作の元祖単発ドラマ

銭湯「泉湯」の女主人(森光子)は大の働き者だが、その夫(中村勘三郎)は女癖が悪くいつも遊んでいた。ある日近所の未亡人が妊娠、しかもその相手が女主人の夫だという噂が立ち…。「ただの水で稼ごうなんて、水商売もいいとこだわ」など橋田セリフの切れ味は素晴らしく、女性の働き方や生活保護問題など、すでに令和の社会問題を扱っている。森光子は石井の母と交流があった。

放送日:1965年7月4日
脚本:橋田壽賀子
出演:中村勘三郎 / 森光子ほか

愛と死をみつめて(前篇)(デジタル修復版)

脚本、橋田壽賀子。石井×橋田コンビの原点とも呼べる伝説的作品

十代で難病を患ったみち子(大空眞弓)と、遠距離でもひたむきに彼女を愛する大学生・実(山本学)の悲恋。「手術で顔の半分を切除するくらいなら死にたい」と言うみち子に、実は無償の愛を捧げて手術を決意させる。橋田が書いた台本は電話帳くらい分厚かったが、「カットしたくない」と言う橋田の想いを受け、石井は「東芝日曜劇場」において初の前後編を決意した。

放送日:1964年4月12日放送
原作:大島みち子
脚本:橋田壽賀子
出演:大空眞弓 / 山本学ほか

愛と死をみつめて(後篇)(デジタル修復版)

脚本、橋田壽賀子。石井×橋田コンビの原点とも呼べる伝説的作品

手術を経て一命を取り留めたみち子(大空眞弓)。しかし、さらなる苦難が若い二人を待ち受けていた…。ほぼ病室だけで展開される密室劇だが、セリフは力強く、カメラワークも流麗で圧巻。手紙を読み上げるラストシーン、本来は台本に沿って暗転するところを、監督は現場の直感で大空眞弓の表情を撮り続けた。親の愛、恋人の愛、本人の望み…全てが切ない普遍的な愛の物語。

放送日:1964年4月19日
原作:大島みち子
脚本:橋田壽賀子
出演:大空眞弓 / 山本学ほか

みれん(デジタル修復版)

原作、瀬戸内寂聴。仲代達矢出演で映画化もされた名作

ともこ(渡辺美佐子)は小杉(下元勉)と8年間も不倫していたが、かつてともこを当時の夫から奪った年下の男・涼太(小池朝雄)ともいまだに関係していた。嫉妬深い二人の男の狭間で揺れる女心を描く、瀬戸内寂聴の初期作。激しい情念の世界で「女の生き様」というテーマが息づいている。

放送日:1963年6月30日
原作:瀬戸内晴美
脚本:田井洋子
出演:渡辺美佐子 / 下元勉 / 小池朝雄ほか

廃市(デジタル修復版)

大林宣彦も映画化した名作のドラマ版

舞台は九州の柳川、人々は死んだような町で死んだように生きていた。郁代(南田洋子)は夫・直之(仲谷昇)が妹の安子(大空眞弓)に想いを寄せているという噂に傷つき、家を出て寺にこもってしまう。閉塞感の中で渦巻く男女の激情とは裏腹に、川辺のロケシーンはまるでルノワールの絵画のようにどこまでも美しい。

放送日:1965年6月27日
原作:福永武彦
脚本:田井洋子
出演:大空眞弓 / 南田洋子 / 仲谷昇ほか

秋津温泉(デジタル修復版)

吉田喜重も映画化した名作のドラマ版

ある日、数年ぶりに秋津温泉を訪ねた貧しい作家の周作(児玉清)。若女将の新子(大空眞弓)は待ち焦がれた再会に胸を躍らせるが、周作はすでに妻子ある身だった。そこに周作がかつて憧れた未亡人の女や、新子の縁談の相手まで絡み、複雑な大人の恋模様が展開される。演出は、後に「岸辺のアルバム」や「ふぞろいの林檎たち」を手掛ける鴨下信一。

放送日:1967年7月2日
原作:藤原審爾
脚本:八住利雄
演出:鴨下信一
出演:大空眞弓 / 児玉清ほか

女と味噌汁(デジタル修復版)

脚本、平岩弓枝。食を通してシスターフッドを描く傑作、第1弾

新宿の芸者・てまり(池内淳子)の夢は、得意の味噌汁を売りにした店を出すこと。お座敷の客・桐谷(佐藤英夫)との不貞がばれて、その妻が家に乗り込んでくるが、口論の末2人は打ちとけてしまう。石井のアイデアでバナナを食べながら化粧をした長山藍子や、芸者どうしの殴り合いシーンなど、強い女性たちの活躍は時をこえて痛快で美しい。

放送日:1965年6月20日
脚本:平岩弓枝
出演:池内淳子 / 山岡久乃 / 長山藍子ほか

続・女と味噌汁(デジタル修復版)

脚本、平岩弓枝。食を通してシスターフッドを描く傑作、第2弾

キッチンカーを出店するために教習所へ通うてまり(池内淳子)は、妻と別居中の弁護士・久保田(川崎敬三)と親しくなる。久保田の家を訪ねたてまりは、漬物が生き甲斐の久保田の母に気に入られてしまい、それを知った久保田の妻・やすこが乗り込んでくる…。

放送日:1965年9月12日
脚本:平岩弓枝
出演:池内淳子 / 長山藍子 / 山岡久乃ほか

「TBSレトロスペクティブ映画祭 石井ふく子特集」開催スケジュール

東京都 Morc阿佐ヶ谷 2026年5月22日(金)~6月11日(木)
大阪府 シネ・ヌーヴォ 2026年6月27日(土)~7月10日(金)
京都府 アップリンク京都 2026年7月17日(金)~30日(木)
愛知県 シネマスコーレ 2026年7月後半予定
福岡県 KBCシネマ 2026年7月後半予定

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©TBS

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