本作は、過剰な自意識のために素直に甘えることができない不器用な主人公・早乙女カナコと、うだつが上がらない脚本家志望の長津田の10年にわたる恋愛模様を描く物語。大学の演劇サークルで出会ったことを機に付き合うようになった2人だったが、カナコが念願の大手出版社への就職を決める一方、口ばかりで脚本を最後まで書かない長津田は卒業する気もなく、1年生の麻衣子との浮気疑惑さえあった。口喧嘩が絶えない2人は次第にすれ違っていく。カナコを橋本、長津田を中川が演じた。
橋本は「大学に通えなかった自分にとって、この作品はあらかじめ失われた青春を取り戻すかのような……というほど甘酸っぱい話でもないのですが、全く知らない世界を手探りで途方もなく歩く感覚、でした」と、中川は「長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました」と語った。矢崎、柚木のコメントは後掲する。
あわせて、写真家の柴崎まどかが撮影した場面写真も解禁。大学でカナコと長津田が手を取り合ってダンスをする様子や、家で2人だけの“お祝い”をするシーンが切り取られた。
「早乙女カナコの場合は」は東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。配給を日活、KDDIが担当する。
橋本愛 コメント
大学に通えなかった自分にとって、この作品はあらかじめ失われた青春を取り戻すかのような……というほど甘酸っぱい話でもないのですが、全く知らない世界を手探りで途方もなく歩く感覚、でした。
男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!
中川大志 コメント
長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました。映画の中で流れていく時間、変化していく季節が、苦しくも心地よかったです。
矢崎仁司 コメント
物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います。ぼんやりした不安の世界をサバイブする彼、彼女たちに会いに来てください。きっと元気になれる。見えない鎖を解き放つ作品になると嬉しいです。
柚木麻子 コメント
あまりにも美しい愛についての映画で自分の原作かどうか、疑ってしまった。
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