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「VORTEX」は老夫婦の日常を捉えつつ、人はどのように死んでいくのかという誰もが目をそむけたくなる現実を冷徹に見つめた作品。「サスペリア」を手がけたイタリアンホラーの鬼才
「VORTEX」を制作するうえで、自身の家族の身に起きたプライベートな経験から大きな影響を受けたというノエ。「私は数年前から年配の方と一緒に映画を作りたいと思っていた。個人的なこととして、祖父母、そして母と、老後は生きていくうえで非常に複雑で困難な問題が伴うことに気付き、やがて彼らは、もっとも守られていたであろう幼少期へと回帰していき、抗えない状況が巻き起こる」と語る。
脳出血で倒れたノエは3週間にわたってモルヒネを服用し、生還を果たしたものの、自分の死について深く考えたという。「自分の死とそれが周囲の人たちに与える影響、そして、私がいなくなったあとの混乱について考えていた。他者に残した人生のさまざまな物事は、脳とともに朽ちてしまう記憶と同じくらい早く、その人の中でゴミ収集車のように消えてしまう。それが“死”だ」という考えに至った。
その後の回復期はコロナ禍と重なった。ノエ自身、そのことを非常にポジティブに捉えており「ロックダウンのおかげもあって、私は
そして「VORTEX」は
「VORTEX ヴォルテックス」は12月8日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。ノエは4年ぶりの来日も決まっており、11月14日にヒューマントラストシネマ渋谷で行われる先行プレミアに登壇する。
「VORTEX ヴォルテックス」30秒予告
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