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1996年の冬、リハーサルのため人里離れた場所に集まった22人のダンサーの狂気に満ちた一夜を描いた本作。最後の練習を終え打ち上げを始めた彼らは、LSDの混入したサングリアを飲んだことで、次第に我を忘れトランス状態へ突入していく。
まず日本の印象を問われ「東京は愛すべき都市」と答えたノエは、「映画祭に招かれてさまざまな国に行っていると、生活している間に好きになってしまうことがある。東京はそういった街の1つ」と親しみを述べる。東京を舞台にした「エンター・ザ・ボイド」を2009年に発表しており、当時を「まさか東京で英語の作品を撮るとは思っていなかったし、日本で撮影できたことが本当にうれしかった。日本の制作現場の流儀は本当に独特だったよ」と振り返った。
2000年以前はプライベートで日本を訪れることも多かったそうで、劇中に数曲使用されているテクノミュージックに初めて出会ったのも、かつて日本テクノシーンの聖地と称されたクラブ・MANIAC LOVEだったという。「この映画ではその年代の音楽を中心に選んだ。いろんなジャンルがあるが、特に自分で気に入って選んだのは、ダフト・パンクの『Rollin' & Scratchin'』とエイフェックス・ツインの『Windowlicker』なんだ」と明かす。なおダフト・パンクのトーマ・バンガルテルは、映画のために「Sangria」を書き下ろしている。
ソフィア・ブテラとスエリア・ヤクーブ以外は、ノエが見出した演技経験のないプロダンサーたちが出演した本作。ノエは「彼らのパフォーマンス動画をネット上で観たんだ。特にバトルダンスのものをね。そこから出演をオファーした」とキャスティング秘話を披露する。映画の序盤にあるワンカットのダンスシーンにも言及し「そのシーンだけ振付師に参加してもらった。それ以外のダンスやセリフのシーンはすべて即興だよ」と明かした。
日本ではR18+指定作品となっているが、「実は思春期の若い人たちに観てほしいんだ。13歳、14歳、15歳といったね。なぜなら、この映画を観て『アルコールがいかに有害であるか』を認識してほしいから。アルコールは許されている側面もあるが、それが最終的に不幸な結末をもたらすのも事実」とコメント。そして、その刺激的な内容から「安全ベルトをしっかりお締めください」と冗談交じりに注意を呼びかけ、舞台挨拶を締めくくった。
「CLIMAX クライマックス」は11月1日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開。第71回カンヌ国際映画祭の監督週間では芸術映画賞を受賞している。
※「CLIMAX クライマックス」はR18+指定作品
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