俳優・歌手ジェーン・バーキンが76歳で死去、2011年には日本の復興支援に尽力

イギリス出身の俳優・歌手であるジェーン・バーキンが、フランス現地時間7月16日に死去した。76歳だった。ファッションアイコンとしても大きな影響を及ぼし、エルメスのバッグ“バーキン”の由来としても知られる。2011年、日本で東日本大震災が発生した際には、翌月の4月に急きょ来日して復興支援のチャリティコンサートを開催。コンサートの直前まで自ら街頭に立って募金を呼びかけた。

1946年に英ロンドンで生まれたバーキン。俳優活動を開始して間もなく出演した1966年の映画「欲望」は、第20回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して注目を集めた。そのほか「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」「ナイル殺人事件」「右側に気をつけろ」「美しき諍い女（いさかいめ）」など、出演映画は60作品以上に上る。

フランスに拠点を移してからは、パートナーとなった歌手・作曲家セルジュ・ゲンズブールとのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ（Je t'aime... moi non plus）」を1969年に発表。ささやくような繊細な声でヒットをもたらした一方、官能的な表現が世界各国で物議を醸した。

私生活では、音楽家ジョン・バリーとの間に後に写真家となるケイト・バリーが産まれ、ゲンズブールとの間には女優のシャルロット・ゲンズブール、映画監督ジャック・ドワイヨンとの間には女優のルー・ドワイヨンが誕生した。

フランスの首相エリザベット・ボルヌは、自身のTwitterアカウントを通してバーキンを追悼。「独特の声と魅力を持つ忘れがたいアイコン。ジェーン・バーキンの喪失を知って悲しいです。彼女の音楽と才能は世代を超えていくでしょう。感動を呼び起こし、永遠に生き続ける遺産に感謝します」とつづっている。

なおシャルロット・ゲンズブールが初めて監督を務め、カメラを通して母親の真実に迫ったドキュメンタリー「ジェーンとシャルロット」が8月4日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国で公開される。