「Winny」瀬々敬久や吉岡里帆からコメント到着、違法アップロード撲滅啓蒙動画も

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東出昌大三浦貴大がダブル主演を務める「Winny」を鑑賞した著名人17名からのコメントが到着した。

「Winny」ポスタービジュアル

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松本優作が監督と脚本を担当した本作は、ファイル共有ソフトのWinnyにまつわる実話をもとにした物語。ソフト開発者の金子勇が著作権法違反幇助の容疑で逮捕された経緯と、彼の弁護団が逮捕に対する不当性を訴えて警察・検察側と全面対決した裁判の行方を描いている。金子を東出、サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光を三浦が演じた。

映画を鑑賞した瀬々敬久は「裁判映画として十分におもしろいし、サスペンスとしても秀でている。実は極上のエンタテイメント作品なのだ。だけど、最も心動かされたのは被告人最終陳述。逃げも隠れもしないぞと、真正面からただ捉えただけの覚悟。応じた東出昌大の気概と迫力、素晴らしい」と感嘆のコメント。吉岡里帆は「今見るべき題材。丁寧で真摯なつくりに心を持っていかれました。日本社会の闇と生き辛さとは裏腹に、主人公の自分らしく生きたいと踠く姿からは圧倒的な光を感じました」と述べている。そのほかのコメントは下記に掲載した。

また本編映像を使用した「違法アップロード撲滅啓蒙動画」も公開。Winnyを利用して違法アップロードをした人々や開発者の金子が逮捕されるシーンが切り取られ、「映画やテレビ番組などをインターネット上に許可なくアップロードし公開することは違法です」と呼びかけるテロップが表示される動画で、ラストは金子が「Winnyの開発は早すぎたのでしょうか」と訴える場面で締めくくられている。

「Winny」は3月10日より全国ロードショー。

家入一真(株式会社CAMPFIRE代表取締役)コメント

この不当逮捕が無ければ、ブロックチェーンの歴史は大きく変わっていたかもしれない。後に続くイノベーターのために、国家権力と戦い続けた一人の天才の物語。CAMPFIRE映画祭グランプリから約4年、いよいよ公開。

上田岳弘(作家)コメント

Facebook社の創業にまつわる顛末を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が、当時のアメリカを活写したように、一人の人物を描くことによって社会そのものを活写してしまうことがある。誰もが対等に、社会につながれるはずだという、テクノロジーの果たすべき素朴な理想を、素朴に追った一人の技術者の悲劇は、この国に根差した問題を浮き彫りにした。 金子勇氏が共有しようとしたものは、ファイルではなくて、テクノロジーの素朴な理想だった。

浮雲(株式会社ノックトゥーン執行役員 CMO/クリエイティブプロデューサー)コメント

「Winnyは私の表現なんです」
自分にとってのWinnyとは何か?という問いかけに対する金子勇のこの言葉を聞いたときこれまで出会った多くの“表現者”の顔が脳裏に浮かびました。私自身、ゲームやマンガの仕事をする中で、千の言葉を尽くすよりも一つの表現がすべてを伝えてくれる、そんな場面に幾度も立ち会っています。Winnyという表現を通して金子勇の意思や想いが伝わっていたからこそ、あれだけ多くのネットユーザーからの支援を得たのかもしれない。そう感じさせてくれる作品でした。

鎌田和樹(UUUM株式会社 代表取締役会長)コメント

生きにくい世の中の縮図とも感じる作品に出会いました。「出る杭は打たれる」の言葉の向こう側に人の数だけの人生がある。そしてそう全てがうまくいくわけではないのだなと。「人生を賭して成し遂げたいことは何ですか」と、色んな人に聞いてみようと思ったほど、金子さんの決して器用ではない生き方に惹かれました。

菊地幸夫(弁護士)コメント

盗撮犯人が逮捕された時、犯人が使用したスマホを開発した者も盗撮を助けたとして摘発されるだろうか。警察が無理筋の摘発でWinnyによる流出から本当に守りたかったのは何か。冤罪被害者がこの映画を御覧になれば「そう、こうやって冤罪は起きるのだよ」と教えてくれるだろう。被疑者を陥れる常套手段で責める警察・検察と、被疑者を奮い立たせ闘いに挑む弁護士の攻防も注目だ! それにしても、主演の東出氏、実際の金子氏に良く似ていること!

きゅんくん(ロボティクスファッションクリエイター・メカエンジニア)コメント

技術者の端くれとしていい感じの有意義なコメントを書こうと思っていたのですが、映画の中の金子さんの挙動が愛おしすぎるコンピュータオタクで可愛くて全てが吹き飛びました。技術について語る口調はもちろんのこと、変なタイミングでニヤッとしたり、すぐ顔触ったり、初公判でスーツが身体にあってなかったり...。素敵なコンピュータオタクを見られて満足でした!!

瀬々敬久(映画監督)コメント

この映画はおもしろい。社会派な題材を扱っているが、裁判映画として十分におもしろいし、サスペンスとしても秀でている。実は極上のエンタテイメント作品なのだ。だけど、最も心動かされたのは被告人最終陳述。逃げも隠れもしないぞと、真正面からただ捉えただけの覚悟。応じた東出昌大の気概と迫力、素晴らしい。ある人生とその世界に迫る瞬間。おもしろい上に、凄い。実に手ごわい。

林仁奎(LINE Xenesis株式会社代表取締役CEO)コメント

金子さんとビットコインの創始者「Satoshi Nakamoto」の姿が被りました。革命は既存の秩序をひっくり返すことを伴います。金子さんの遺志を継ぎ、P2P技術から発展したWeb3が社会に新しい一歩をもたらし、未来への革命を起こせるよう、あらゆる抵抗を超えていきたいと感じさせられました。とても濃い2時間をありがとうございました。

堀江貴文(実業家)コメント

Winny事件が映画になった。実は随分と前に終了してしまった「ホリエモン万博」にて制作発表が行われた映画でもある。金子勇氏とは面識はないが、Winnyは当時かなり先進的だったP2Pのファイル交換ソフトである。グローバルではNapsterやGnutellaあたりが有名だったが、国内では圧倒的に支持されていたように思う。

松原裕樹(株式会社Link-U代表取締役)コメント

圧倒的な技術力とビジョンを持つ、天才開発者の実話。開発したツールが悪用されてしまうことは制作した者の責任なのか。後に続く開発者が本件を機に萎縮しないよう、マスコミや警察にたたかれつづけても。正論を主張し続けるべきなのか。そのためには、自分のこみ上げてくる開発への探求心を押し殺すべきなのか。様々な問いを視聴者に投げかけ、ネットを使う人であれば誰もが自分ごととして没入できる内容を、事実を元に丁寧に脚本としてかきあげ、魂のこもった演技で届けてくれる素晴らしい作品。

松山周平(THINK AND SENSE部長 / プログラマー・ヴィジュアルアーティスト)コメント

一部の才能の「創造」が一般の人の「想像」を超えたもの生み出したとき科学技術が発展し、社会の発展につながったということは、歴史的の中でも数多く登場します。また、同時に歴史の中でもWinny事件のように、新しいものを受け入れられない体制によって、画期的な発明が阻害された例も多数あります。Winny事件は日本のIT技術の発展を妨げることにもなった事件されていますが、本作品の扱うテーマはITのみならずより大きな社会の在り方について問うような作品だと思います。

まつもとゆきひろ(プログラミング言語Ruby開発者)コメント

金子勇さんとは、IPAの未踏ソフトウェア創造事業の同期だったり、共通の知人が何人もいたにもかかわらず、とうとう直接には会えずじまいでした。今回、改めて映画を通じて彼の人生を振り返ると、こんなにも優秀なプログラマーが、生涯をかけて愛したプログラミングを奪ってしまった残酷さや、裁判と早すぎる彼の死がなかったら人類が得られただろう成果を考えると呆然とします。そして、権力の無理解からの不幸は彼だけでなく自分にも降り掛かっていたかもしれないのです。

三上昌史(株式会社Gugenka代表取締役CEO)コメント

Winnyを知らない若いエンジニアやクリエイターにこそ見てもらいたい作品。可能性が潰されるのか広がるのか。これからの日本の課題が凝縮されている。

村中悠介(合同会社DMM.com最高執行責任者)コメント

プログラムを武器にした社会革命家、金子勇。彼はなぜWinnyを作ったのか? 違法ダウンロードが社会問題になることも予見していたのか? プログラマーに倫理観は必要なのか? 日本中を巻き込んだこの事件。Winnyは多くの課題を抱えていたからこそ、“金子勇のWinny完成版”が作る未来が見たかった。今なお賛否が分かれるからこそ、映画を観て答えを見つけてほしいと思います。

森川亮(C Channel株式会社代表取締役社長)コメント

新しい技術は常にそれに対する人間の使い方が問われる。時には使い方を間違える事で社会にマイナスの要素を生み出すこともある。道具というものは常に人間の文化レベルが問われるものである。日本という国が成長した理由もモノ作りという新しい技術をポジティブに活用したから。今後新しい技術とどう向き合うのかで国そのものの成長の可能性が問われるなと感じた。

吉岡里帆(俳優)コメント

今見るべき題材。丁寧で真摯なつくりに心を持っていかれました。
日本社会の闇と生き辛さとは裏腹に、主人公の自分らしく生きたいと踠く姿からは圧倒的な光を感じました。

若新雄純(プロデューサー / 慶應義塾大学特任准教授)コメント

前半は主役の圧倒的な演技力にドキドキし、後半は作品に描かれたあまりの理不尽さにモンモンとする。そして見終わったあとは、それらが混ざった濃厚な感覚を誰かと共有したくなる。しゃべりたくなる。そんな作品です。

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(c)2023 映画「Winny」製作委員会

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