東出昌大と三浦貴大がW主演、ファイル共有ソフトにまつわる物語「Winny」

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東出昌大三浦貴大がダブル主演を務める「Winny」が、2023年3月に全国のTOHOシネマズほかで公開される。

「Winny」ティザービジュアル

「Winny」ティザービジュアル

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本作はファイル共有ソフト・Winnyの開発者である金子勇と、金子が逮捕された際に弁護を引き受けた壇俊光を描く、実話をもとにした物語。Winnyは誰でも簡単にファイルを共有できる優秀なソフトであったが違法アップロードが相次ぎ、開発者の金子は著作権法違反幇助の容疑で逮捕された。サイバー犯罪に詳しい壇は弁護団を結成して逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう。そしてこれが世界を揺るがす事件へと発展する。金子を東出、壇を三浦が演じ、監督は「Noise ノイズ」「ぜんぶ、ボクのせい」の松本優作が務めた。

ティザービジュアルも公開され、役作りのために18キロ増量したという東出演じる金子がパソコンと向き合う姿が写し出されている。東出は本作について「無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです」とコメントしている。また壇本人とコミュニケーションを取りながら役作りをしたという三浦は、「壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました」と述べた。松本は「映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい」とつづっている。

なお本作は2018年に開催されたホリエモン万博CAMPFIRE映画祭内にて起業家・古橋智史が企画し、グランプリを獲った作品からキャストや脚本、監督など企画の方向性を一新したもの。古橋からもコメントが到着している。

東出昌大 コメント

夭折の天才プログラマー金子勇。生前の彼を知る方で、彼の人間性を悪く言う人は誰一人いませんでした。恨言を言わず、他人を罵る言葉を持ち合わせていなかったそうです。彼は子供のように、あるいは求道者のように、ただただプログラミングと言う名の宇宙に没入し、地平面の更に奥にあるかも知れない地点を目指したのだと思います。無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです。

三浦貴大 コメント

私自身、当時関心を持っていた出来事でした。報道では知ることのなかった、金子さんの人間性、当時のやりとり。
そのひとつひとつに、引き込まれる脚本でした。実際の出来事を、物語として演じると言うのは大変難しいことです。壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました。
現場では、東出さんは、役柄への集中力が素晴らしく、壇さんからもお墨付きをもらうほどの金子さんを作り上げていました。
松本監督は、最後まで粘り強く、ワンシーンずつ少しでも良くしようという情熱に溢れた方でした。
Winnyの件を知っている方も、全く知らなかった方もいると思います。
この映画は、様々な目線で見る事ができる作品です。それぞれの目線で楽しんでいただければ嬉しいです。

松本優作 コメント

金子勇さんは、現代のインターネット文化の対抗軸となるネットワークを、今から20年近く前に世界で初めて実現させていました。それは中央サーバーに頼らずとも、個人個人で助け合い生きて行く、夢のネットワーク世界です。しかし2004年の逮捕を機に、Winnyの開発は幕を閉じました。Winnyの裁判をしている最中にも、アメリカからYouTubeやiTunesなどの新しいサービスが生まれています。
もし金子さんが逮捕されなかったら、もしまだ生きていたら、今の日本は大きく変わっていたかもしれません。悔しいのは、彼のような天才が、裁判の7年によって、文字通りその未来を奪われてしまったことです。
映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい。この映画が、わたしたち人間が、より自由に、平等に生きてゆくための試金石となることを願って。

古橋智史 コメント

この映画を企画し、CAMPFIRE映画祭でグランプリを獲ったのは今からもう5年前になります。
当時「出る杭が打たれない社会を」というテーマで、日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いがありました。
あれから5年、映画のテーマにもなるP2P技術はブロックチェーンと、Web3として進化を遂げています。
残念ながら、まだ日本がテクノロジーで席巻するまでには至っていません。
しかし、映画製作の中で気づいたことは「出る杭を」以上に、「金子勇さんや、裁判をサポートした人達の生き様を少しでも世の中に残したい」という思いが強くなったということです。挑戦しているすべての人にこの映画をご覧頂きたいと思っています。

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(c)2023 映画「Winny」製作委員会

読者の反応

加藤順彦ポール @ykatou

金子勇さんを描いた映画。必ず観ないとならんね。|東出昌大と三浦貴大がW主演、ファイル共有ソフトにまつわる物語「Winny」(コメントあり) 映画ナタリー https://t.co/I1aDO6P3iS

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