「星の子」批評家大賞で作品賞に、プロデューサーが芦田愛菜と大森立嗣の手紙代読

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第30回日本映画批評家大賞の授賞式が本日5月31日、東京・新宿文化センター大ホールにて開催。「星の子」で作品賞を獲得したプロデューサーの吉村知己、「私をくいとめて」で監督賞を受賞した大九明子らが登壇した。

第30回日本映画批評家大賞授賞式の様子。

第30回日本映画批評家大賞授賞式の様子。

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「星の子」ビジュアル (c)2020「星の子」製作委員会

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今村夏子の同名小説を映画化した「星の子」は、怪しい宗教を信じる両親に育てられた少女ちひろの葛藤を描く物語だ。吉村は主演を務めた芦田愛菜、監督の大森立嗣による手紙を代読。芦田からは「日頃から映画を厳しく、そして温かく見守っている批評家の方々から作品賞という重みのある賞をいただけたことがとてもうれしいです」と喜びの声が届く。また大森は映画の内容を「14歳の女の子の声にならない声」と表現しながら、「その声に思いを馳せるのは想像力が必要。それは人の気持ちを考えることと一緒だと思っています。そのことが伝わらないのか『星の子』はあまり芳しくない結果となりましたが、批評家大賞をいただけてうれしかった! 難しい世の中になりましたが僕はまだ映画を信じています」と語る。

大九明子

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監督賞のプレゼンターとして登壇した南部虎弾(電撃ネットワーク)。

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綿矢りさの同名小説を原作にした「私をくいとめて」は、脳内に相談役・Aを持つ黒田みつ子と歳下の営業マン・多田を軸にしたラブストーリー。監督賞では電撃ネットワーク南部虎弾がプレゼンターに。缶ビールを頭にくっつけてコップに注ぐと「乾杯!」とお祝いのパフォーマンスを披露した。大九は「なんで私だけこんな楽しいサプライズが……頭が真っ白になりました」と驚きつつも受賞の喜びを語り出す。「とにかく映画を作りたいと子供の頃から思っていました。映画のお話をいただけば、1つひとつしがみつくように作ってきました。観ていただける方のおかげで監督という肩書きにさせてもらっています。本当に1人で獲った賞ではないですし、すべてのお客様、俳優、スタッフと一緒にこの賞をちょうだいした気持ちです」と笑顔を見せる。

入江悠

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天野千尋

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AI崩壊」で脚本賞に輝いた入江悠は「映画はその脚本の魅力に惹かれて俳優が集まってくるもの。この映画に参加した俳優が去年、2人亡くなりました。晴れやかな場ではありますが、追悼させていただきます。吹原幸太さん、芦名星さん、この作品に参加してくださりありがとうございました」と哀悼の意を表す。同じく「ミセス・ノイズィ」で脚本賞を受賞した天野千尋は自身の遅筆を省みながら「書くのは遅いしセリフは思い浮かばない。気持ち的に落ち込む日々を送っているんですが、こんな私でも賞をいただけたのは人に恵まれたことが大きかった。たくさんの方に意見をいただいてブラッシュアップしながら仕上げていきました。これからも粘り強さを生かして監督として映画を撮っていき、今度は監督賞をいただけるようにがんばりたい」と決意を語った。

左から大林恭子、大林千茱萸。

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ダイヤモンド大賞(淀川長治賞)は、2020年4月に永眠した大林宣彦に授与。大林は批評家大賞でこれまでにもっとも多くの賞を与えられた功績が評価された。授賞式には大林の妻でプロデューサーとして活躍した大林恭子が登壇。生前親交のあった淀川と大林の関係を振り返り、「本当にかわいがってくださって、大林は淀川さんと一緒に天国でニコニコ笑っているかもしれないなと思います」と受賞の喜びを述べた。

第30回日本映画批評家大賞の受賞結果は以下の通り。授賞式ではゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞)を受賞した「罪の声」の火野正平によるビデオメッセージが上映され、「おらおらでひとりいぐも」の田中裕子による手紙も代読された。

第30回日本映画批評家大賞 受賞結果

作品賞

「星の子」

主演男優賞

中村梅雀「山中静夫氏の尊厳死
津田寛治「山中静夫氏の尊厳死」

主演女優賞

のん「私をくいとめて」

助演男優賞

宇野祥平「罪の声」

助演女優賞

浅田美代子「朝が来る

監督賞

大九明子「私をくいとめて」

新人監督賞

内山拓也「佐々木、イン、マイマイン
HIKARI「37セカンズ
佐藤快磨「泣く子はいねぇが

新人男優賞(南俊子賞)

宮沢氷魚「his
奥平大兼「MOTHER マザー

新人女優賞(小森和子賞)

服部樹咲「ミッドナイトスワン
佳山明「37セカンズ」
吉本実憂「瞽女 GOZE

ドキュメンタリー賞

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

アニメーション作品賞

劇場版 ごん - GON, THE LITTLE FOX -

脚本賞

天野千尋「ミセス・ノイズィ」
入江悠「AI崩壊」

編集賞(浦岡敬一賞)

李英美「スパイの妻(劇場版)

映画音楽賞

渋谷慶一郎「ミッドナイトスワン」

特別賞(松永武賞)

新文芸坐

ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞)

火野正平「罪の声」
田中裕子「おらおらでひとりいぐも」

ダイヤモンド大賞(淀川長治賞)

大林宣彦

国際審査委員特別賞

チェ・ブラム

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アクターズ・ヴィジョン @4workshop

アクターズ・ヴィジョンで企画した映画「ミセス・ノイズィ」の天野千尋監督が日本映画批評家大賞の脚本賞を受賞しました!
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