山田尚子、「リズと青い鳥」の音響語る「希美とみぞれがやってくれた!」

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劇場アニメ「リズと青い鳥」のトークイベントが本日11月3日、北海道・新千歳空港ターミナルビルにて開催中の第5回 新千歳空港国際アニメーション映画祭で行われ、監督を務めた山田尚子が登壇した。

「『リズと青い鳥』トークイベント」の様子。壇上右側が山田尚子。

「『リズと青い鳥』トークイベント」の様子。壇上右側が山田尚子。

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山田が所属する京都アニメーションが武田綾乃の小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」をアニメ化し、高校の吹奏楽部に所属する鎧塚みぞれと傘木希美のはかなくも美しい青春を描き出した本作。音楽ライブ用の音響設備を使用して上映された本作について、山田は「少女の思春期にぐっと寄り添う映画にしたいと思ったので、呼吸やまばたき、衣擦れ、空気などに肉薄した音をどれだけ作品に落とし込めるかこだわりました」と語る。

「リズと青い鳥」には、山田の過去作「映画『聲の形』」でも音響監督を務めた鶴岡陽太と、楽曲を手がけた牛尾憲輔が参加した。山田は2人との共同作業について「感覚を共有しやすかったです」と述べ、「体感できる音があって、没入感があります。テレビではカットされてしまう音域もあると思いますから、この絶妙な音響設備でご覧いただけて願ったり叶ったりです」とほほえむ。

続けて山田は、音楽制作と作画を同時進行で行った部分があると説明。「希美とみぞれが冒頭と最後で学校に出入りするシーンは、アニメーションと音楽の融合を図りたかったので、コンテを切って牛尾さんにお渡しして、牛尾さんがそこから感じた音楽をいただいて、そこからまたコンテを詰めてという作業で進めたんです。お互い思いついたことを入れ込んでいきました」と明かす。そして「希美とみぞれはそれぞれ歩数と歩幅が違うので、『希美はこれ、みぞれはこれ』とテンポを先に決めて牛尾さんにお伝えしていたんですけど、『ずっと合わない2人の歯車が一瞬合うような設計で音楽を作れたら最高ですね』とおっしゃっていました。そしてループしていくうちに、ずっと合わないはずの足音が最後の4歩だけ合ったんです! ちょうど奇跡的に、2人が同じことを口にするシーンで合いました。『希美とみぞれがやってくれた!』とびっくりしちゃって」と感慨深そうに話した。

最後に「この映画祭では、きっと商業アニメーションとは違った目線で観てくださる方が多いので、どのように感じられたか気になって緊張していましたが、自分としてはすごく楽しめました。これからもアニメーションでたくさんチャレンジしていきたいことがあるので、同じ場所でお会いできたらと思います」と観客に語りかけた。

第5回 新千歳空港国際アニメーション映画祭は11月5日まで開催。

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(c)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

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