アニメーション映画「
「たまこラブストーリー」「リズと青い鳥」などでタッグを組んだ山田と
山田は「この作品で1番大事にしたいと思ったのは映画体験。劇場で観ていただくための映画作りをしました」と述べ、人の感情が「色」として見えるという設定については「映像として観ていただくために、言語化しないようにしようと。時間と色と動きと何か感覚的なものを受け取っていただくフィルムにしたかったんです。それでトツ子の世界の受け取り方ってどういうものなんだろう、どういう人なんだろう?と想像したときに色で表現したいなと思いました」と説明した。
山田の作品のファンだという川村は「『リズと青い鳥』を観たあとに、新海誠監督から『観ました? すごい映画です』と連絡が来まして。ずば抜けた演出力に驚かされたんです。新海監督が嫉妬を感じる才能」と絶賛し、「『きみの色』は210の国と地域で公開が予定されています。完成品を観ていない地域もあると思うんですが、その状態でこれだけのグローバルセールスが決まるというのは、ジブリ作品、新海誠作品ぐらいのこと」と言及。そして「10代の子たちの言語化できないものを表現するのが日本一うまい監督。今回は青春と音楽という2つの要素が入っているぜいたくな山田フィルムだと思っています」と言葉に力を込めた。
イベント中盤には、1600名が参加したオーディションから選出された鈴川がトツ子、高石がきみ、木戸がルイを演じることが発表に。舞台に登場した3人をにこにこと迎えた山田は、鈴川の起用理由を「独り言がかわいかったんです! “一耳惚れ”です。実際に会ったときにトツ子にしか思えませんでした」と思い入れたっぷりに伝える。「高石さんは午前中の早い時間に会ったんですが、2lの水をほとんど飲んでいて、すごい飲むんですね!って。その不思議な魅力の虜になってしまって。声も耳にこびり付いてしまう不思議な音をされていると思いました」と述べ、「木戸さんは持っていらっしゃる雰囲気のやわらかさ、お話のトーンや色味が私の想像するルイくんにぴったりだったんです」と笑みををこぼす。川村は「1600人の声を聞くって途方に暮れたんですが、3人は唯一無二の声。ここで出会った方が映画界をしょってくれると信じています。これからもどんどん活躍していってほしいです」とエールを送る。
鈴川が「監督はクールな方かなって思っていたんですが、関西弁がすごくかわいくて。アフレコは緊張していたんですが、リラックスできました」と回想すると、高石も大きくうなずき「本当にやわらかい方で、役や作品について話すときに心で会話してくださる。気持ちを伝えてくださるのが一番刺さるので、よりよいものを見せたいなという気持ちが強くなりました」と続く。木戸は「3人で監督にお会いしたときに、監督が一番緊張されていて。同じ目線に立ってくださって、がんばろうと思わせてくれる監督です」と紹介した。
作品の魅力に話が及ぶと、鈴川は「3人が音楽活動を通して成長していく姿に勇気をもらえます。日常をのぞき見しているような感覚になれてほっこり癒やされる作品です」と、木戸は「思春期に誰もが経験するような悩みに向き合っている作品です」とアピールする。高石は「映像美が本当にすごくて! ときめいた瞬間の描き方も魅力的できらきらしています」と声を弾ませる。これを横で聞いていた山田は「くすぐったいです。ありがとうございます」とはにかんだ。
さらに報告会では、トツ子が通う学校のシスター日吉子役で
最後に山田は「きっと観てくださった方のどこかに何か触れる映画なんじゃないかと思っています。“映画体験”を大切に作った作品。ぜひ劇場に足を運んでください」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「きみの色」は8月30日より全国ロードショー。なお、イベント中に司会によって代読された新垣のコメントは下記の通り。
※高石あかりの高は、はしごだかが正式表記
新垣結衣 コメント
完成した作品を見たとき、全てが柔らかくて繊細で、心に淡い春色(はるいろ)の風がそよぐような優しい気持ちが、画面から溢れていると感じました。
トツ子・きみ・ルイは個性豊かで本当に愛らしくて、試写のあとにそれぞれを演じられた鈴川さん・高石さん・木戸さんと顔を合わせた時は、まるで物語の中の3人に会ったかのような気持ちになって高揚してしまいました。ご本人たちが並んでいる雰囲気も、なんだか役にぴったりに感じて。
シスター日吉子は、物語の登場人物の中では、大人たちとトツ子たちの間にいる人だと監督から説明をいただきました。トツ子たちに対して、他の大人たちよりもひとつ心の距離が近いというか、静かに、でも熱く、いや実は“かなり”熱く、トツ子たちを見守っている人です。気持ちをわかりやすくストレートに表すセリフはあまりない印象だったので、日吉子がなにか言葉を飲み込んだときの、その奥の気持ちはどんなものかを想像するのも、とてもやり甲斐ある作業でした。アフレコ本番は、山田監督と音響監督の木村さんをはじめスタッフの皆さんに、長い時間たいへん根気強く付き合っていただき支えていただきました。この場を借りて、改めて、本当にありがとうございました。
ぜひ、たくさんの方に見ていただきたい映画です。
akakit @akakit
川村元気P「今回は青春と音楽という2つの要素が入っているぜいたくな山田フィルムだと思っています」
パワーワード「山田フィルム」いただきました。
#きみの色 https://t.co/axy8xgO5Pn