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同映画祭のコンペティション部門に出品された本作は、江戸時代末期の江戸近郊の農村を舞台にした時代劇。時代の波に翻弄される浪人と彼に関わる人々の姿が描かれ、池松が浪人、蒼井が浪人の隣人である農家の娘に扮した。
上映前に行われた記者会見には池松、蒼井、塚本の3人が出席。塚本は本作で自ら演じた役について「拍手喝采を送りたくなるような人物。でもこの映画では、いい人として観終えるかどうかはかなり疑問があります」と説明する。「今までの時代劇とかヒロインに対する懐疑を皮肉的に投げかけています」と本作に込めたテーマに触れ、「相手をやっつけて立ち上がるシーンは自分で編集していても『ヨッシャー!』という気持ちになるんですが、そういう気持ちで観ている人にだんだんと刃が突き刺さってくるような、そんな映画になれば」と伝えた。
池松と蒼井は、どちらも塚本に対して「一緒に仕事ができるとは思いもしなかった」と尊敬の念を抱いていたという。池松は「監督は本当にすごい才能をお持ちです。監督から出てくる言葉や動きの1つひとつを見逃すまいと、現場では夢中になっていました」と撮影を回想。蒼井は知らない世界を教えてくれた作品に、岩井俊二の「PiCNiC」、阪本順治の「顔」、塚本の「双生児」を挙げて「(塚本は)音楽室に飾られているバッハの絵と変わらないくらい遠い存在だったので、今回お話をいただいてすごくひるみました」と語った。
公式上映には約1000人の観客が来場。エンドロールが始まると大きな拍手が起こり、約5分間に及ぶスタンディングオベーションが巻き起こった。塚本は「俳優の演技が本当に素晴らしかったので、胸を張って堂々と来ました。やっと初めてのお客様に観ていただけて、晴れ晴れしくホッとした気持ちです」と安堵。前田は「生まれて初めてサインしました(笑)。映画に出演したのも初めてで、貴重な体験をさせてもらい本当に感謝しかないです」と涙ぐんだ。
「斬、」は11月24日より東京・ユーロスペースほか全国でロードショー。
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塚本晋也「斬、」ヴェネツィア映画祭で喝采浴びる、池松壮亮や蒼井優らも出席 - 映画ナタリー https://t.co/6G9LmOYOJK