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塚本晋也が“映画作りの冒険”の一端明かす、怪獣映画や「鉄男」新作にまつわる話も

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塚本晋也

塚本晋也

書籍「冒険監督」の刊行を記念したトークイベントが、本日11月22日に東京・TSUTAYA TOKYO ROPPONGIにて開催され、塚本晋也が出席した。

本書は、塚本の生き方を通して“映画人の冒険”を体験できるもの。映画製作において絶えずとんちを働かせピンチを乗り越えてきた彼の“塚本流コペルニクス的発見”や、映画を観客に届ける苦労、世界の映画祭を巡った際の珍道中、さらには映画のテーマである「都市と人間」などについて触れられている。

塚本は「自分が昔冒険に憧れていたこともあって、映画作りの全体を冒険に見立てて作った本です。小さな頃から『斬、』までのことがかなり細かく書いてあって、自分でも『そうだったのか!』と気付かされる1冊になりました」と本書を紹介する。そして「ご自身のキャリアを振り返ってみて、変わらない点と変わった点は?」という観客からの質問に「相変わらず手作りで映画を作っているところでしょうか。自分が直接手を動かして、才能あるスタッフにも動いてもらう。変わったのはジジイになったことですね」とにこやかに答えて集まったファンの笑いを誘った。

続いて「国内外で影響を受けた監督は?」との問いには「黒澤明監督の作品には高校生の頃に没頭しました。神代辰巳さんの『青春の蹉跌』もすごく好きだし、今村昌平監督の『赤い殺意』は映画を作るときに自分を元気付けるためにしょっちゅう観ます」と語り、「『沈黙-サイレンス-』に出させていただいたときは目がハートになりました」と敬愛するマーティン・スコセッシの名も挙げる。影響を受けた書籍には堀江謙一の「太平洋ひとりぼっち」を選び、同書の映画化に関しては「自分としてはやってみたい。素晴らしいヨットをちゃんとした理由で作れますから(笑)。でも今の自分の映画の流れからすると、作る意義がまだ見つかっていなんです」と言及した。

イベントでは「『鉄男』の新作を撮る予定は?」と尋ねられる場面も。塚本は「まだやり足りないという思いはありますが……」と前置きしたあと、「70歳くらいになって、ジジイすぎて吹っ切れたパワーが出たときに作るのがいいのかな」と話した。さらに今後映画化を狙っているテーマは「まだ怪獣映画をやっていないんです。怪獣映画を作らないと僕じゃない。でも初期衝動や、ビルを壊すことに悦楽的な喜びがないと作ってはいけないなと思います」と明かし、「怪獣の口が人の手で動くのが好きなのでパペットで。パペットだと思われないように、凄みのあるものを作りたいです」とはにかむ。

最後に塚本は新作「斬、」に参加した池松壮亮と蒼井優を「あまりにすごい芝居をしてくださっているので、その演技合戦を見ていただけたら」と称賛し、イベントを締めくくった。

なお「斬、」は11月24日よりロードショー。池松と蒼井のほかには、中村達也、前田隆成、塚本がキャストに名を連ねる。

※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記

(c)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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