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第71回カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールを獲得した本作は、東京の下町でひっそりと暮らす一家の姿を描いた作品。リリーが父・柴田治、城が治の息子・祥太、佐々木が治が家に連れ帰る少女ゆりに扮した。そのほか安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林が出演している。
この日のイベントには物語にちなみ親子や祖父母と孫など3世代にわたる家族が招待された。日本映画としては1997年の今村昌平監督作「うなぎ」以来21年ぶりにパルムドールを獲得した本作。受賞後の反響を聞かれた是枝は、映画祭での授賞式後に行われた審査員とのディナーを回想する。「とにかく役者が素晴らしい」と周囲から絶賛される中、ドゥニ・ヴィルヌーヴから「子供たちをどう演出したんだ。まったくわからない」、チャン・チェンから「家族が見えない花火を見上げるあのシーンで恋に落ちた」とコメントされたという。また日本に帰ってきてからは、映画関係者だけでなくコンビニの店員やタクシー運転手からも声をかけられるようになったと話した。
テレビで見たパルムドールのトロフィーをダンボールで自作していたという佐々木。初めて目の前にした本物のトロフィーが何でできているか気になったようで、触りながら「プラスチック?」とコメントし周囲を笑わせる。学校でも声をかけられるようになった佐々木は「この間、4年生が飛び出してきて『めっちゃかわいい』って」と照れ笑いしながら打ち明けた。城も友人から「一番すごい賞でしょう?」「カンヌ賞獲ったんでしょ」と声をかけられるという。トロフィーを前に感動した様子の2人は「みんなにも触らせてあげたい」とほほえんだ。
イベントでは観客と登壇者の質疑応答も行われた。「今後はどんな役をやりたいか?」と質問された2人。言葉に詰まってしまった佐々木は、是枝から耳打ちされると「この映画の続きに出たい! パート2やりたい」と元気に回答し、城も「是枝監督の作品にもまた出たいですし、アクションとかホラーにも挑戦したい」と展望を語った。パート2に関し、是枝は「大ヒットしたら考えようかな」と笑った。
撮影での苦労を問われるも「楽しいことはあったけど、(苦労は)特にありません」と振り返る佐々木。これに是枝が「ほとんどのシーンを真冬に撮っていたので、寒くて大変だったろうなと。子役の2人が本当にがんばってくれました」と反応すると、佐々木は「本当は大変なところがちょっとだけありました」と赤面していた。是枝は撮影の出番がない日のリリーから「今日のみゆはどうですか?」とメールが届いていたことを明かし「カメラが回ってないところでも温かいつながりをみんなで作れた、自分にとっても素敵な時間でした」と述懐。さらに「映画の中の家族が置かれた状況はかなりシビアなものですが、僕らが現場で経験していたぬくもりみたいなものは作品に反映されてるんじゃないかと思います」と語った。
「万引き家族」は、6月8日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にてロードショー。
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