「90メートル」場面写真。藤村佑(左 / 演:山時聡真)と母の美咲(右 / 演:菅野美穂)

試写会感想まとめ

山時聡真×菅野美穂の映画「90メートル」は優しくやわらかく温かい、涙した観客からの感想まとめ

PR映画「90メートル」

山時聡真菅野美穂がダブル主演を務める映画「90メートル」が、3月27日に全国で公開される。それに先駆けて、去る3月9日に東京・ユーロライブで試写会が開催され、映画ナタリーの読者が参加した。本作では人生の岐路に立つ高校生の息子・藤村佑と、難病を抱えながら我が子の明日を願うシングルマザー・美咲の揺るぎない愛が描かれる。当日は幅広い年代の観客が集まり、鑑賞中に涙したという人も多数。この記事では感想を一部抜粋して紹介する。

映画「90メートル」とは?

母・美咲が難病を患ったことで、母子家庭で育った佑は高校2年のときにバスケを辞め、美咲の世話を優先せざるを得なくなる。ヘルパーの支援はあるものの24時間体制ではないため、佑が美咲のケアをしながら家事をこなす日々。高校3年生になった今、東京の大学に進学したい気持ちはあるが、美咲を1人にするわけにはいかず、常に手元にある呼び出しチャイムの音が佑の心を引き留めていた。そんなある日、介護施設のケアマネジャー・下村香織からヘルパーの増員により24時間ケアの体制が整ったことを告げられる。我が子の明るい未来を願う美咲は「お母さん、大丈夫だから。好きなようにしていいからね」と優しく声を掛けるが、佑の胸には葛藤が広がるのだった。

「90メートル」ポスタービジュアル

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山時が佑、菅野が美咲を演じたほか、下村役で西野七瀬が出演。佑の所属するバスケットボール部のマネージャー・松田杏花に南琴奈、元チームメイト・大平翔太に田中偉登が扮した。監督を務めたのは「少女は卒業しない」『か「」く「」し「」ご「」と「』で知られる中川駿。母親を看病した経験を持つ彼が、自身と母を重ね合わせてキャラクターを作り上げた。

観た後に流れたのは悲しい涙ではなく温かい涙でした

本作は“ヤングケアラー”という社会問題を題材にしながらも描かれるのは親子愛であり、鑑賞後は前向きな気持ちにもなれる。「重い映画だと思っていたのですが、最後はみんなを応援したくなるような、すべての人の幸せを祈りたくなるような作品で心が温かくなりました」「先には死が間違いなく存在しているのに、これほど優しくやわらかく温かい映画を観たことがありません」「観た後に流れたのは悲しい涙ではなく温かい涙でした」といったコメントが寄せられた。

「90メートル」場面写真。藤村佑(上 / 演:山時聡真)と母の美咲(下 / 演:菅野美穂)

「90メートル」場面写真。藤村佑(上 / 演:山時聡真)と母の美咲(下 / 演:菅野美穂) [高画質で見る]

闘病と“母であること”を両立しようとする強さ

劇中では本心を口に出せない佑、そんな彼を見守り続ける美咲の姿が映し出されていく。佑については「道を外さなかったのは、母親からも担任からもチームメイトからも、在宅介護士の方からも愛されていたからなんだなって思いました」と言及するコメントが。「ほかの子が当たり前のように食べているお弁当を見ている佑の表情が好きでした。それが母からの愛情であることを誰よりも知っているのでしょう」と具体的なシーンから佑の心理を読み解くものも見られる。また彼の姿から「“ひとりじゃない”。誰かが寄り添ってくれて、守ってくれて、応援してくれる人たちがいること。もっと“ヒト”を信じて生きようって背中を押された気がします」とメッセージを受け取る人もいた。

「90メートル」場面写真。山時聡真演じる藤村佑

「90メートル」場面写真。山時聡真演じる藤村佑 [高画質で見る]

一方で美咲に関しては「元気な頃も発症してからも母親としてがんばってきた痕跡が沢山あって、闘病と母親であることを両立しようとする彼女の強さが胸に響いた」「息子の負担にはなりたくない、でも、離したくない……母の気持ちが痛いほど分かりずっと泣いてしまいました」と、“母”として在り続ける姿に胸を打たれる感想が。難病を抱えているという観客からは「美咲の静かで冷静だけど内に秘めた力強さにパワーをもらいました」という言葉が届く。また「ヘルパーさんを見つけるために市役所に何度も出向いていたことは、息子を思うからこその行動力で、強くて立派な人だと思った」と美咲の行動に触れるものも。「もし私が不治の病になってしまったら、私は美咲のように強くあれるだろうか。厳しいな……心折れて、美咲のようになれないだろうなと。美咲の強さにとても胸を打たれました」と、自らを重ねて思いを吐露するものもあった。

「90メートル」場面写真。菅野美穂演じる母・美咲

「90メートル」場面写真。菅野美穂演じる母・美咲 [高画質で見る]

相手を思うからこそ、自分とも向き合うことが大切

そんな2人を演じた山時、菅野にも称賛の声が数多く到着。「山時さんの揺れ動く心を見事に表した演技と、菅野美穂さんの、気丈に振る舞いつつも病に対する複雑な思いが垣間見える演技が素晴らしかったです」「抑制的な演出も効いていて、佑たち親子や周囲の人々が自分の日常と地続きで存在しているように思えました」と、リアリティを追求する姿勢が絶賛された。

本作を鑑賞したことが、周囲の人への接し方を改めて考えるきっかけになったという人も多い。「家族に会いたくなりました。ありがとうを生きてるうちに伝えたい」「当たり前の日常のありがたさや素直になることの大切さ、お互いを思い合う愛情の尊さを教えて頂きました」「相手を思うからこそ自分とも向き合うことが大切」という感想が見られる。10歳の息子がいるという人は「思春期になって言葉が少なくなっても、息子が安心出来る家庭と信頼出来る関係を築き続けたい」と言葉を紡いだ。

「90メートル」場面写真。左から山時聡真演じる藤村佑、西野七瀬演じる下村香織

「90メートル」場面写真。左から山時聡真演じる藤村佑、西野七瀬演じる下村香織 [高画質で見る]

ミセス大森のソロ楽曲「0.2mm」は「美咲のように包んでくれる」

観客がそのように“自分ごと”として感じられたのは、何より本作が中川による半自伝的な作品であることにも起因するのではないか。「ヤングケアラー問題を絡めてはいるが、中川駿監督の人生を投影した『巣立ち』の物語だと思いました」「監督が経験された介護の時間も、すべてこの作品につながる意味のある時間だったのだと感じました」というコメントや、「母子の“揺らぎ”を誠実に積み上げながら、一方で主人公に訪れる青春期特有の仲間との連帯やキラキラと光が差す瞬間をも鮮やかに描き出す。その社会性とエンタメの絶妙なバランスは見事で、中川監督の映画表現の素晴らしさを見た」と、手腕を評価する感想が届いた。

主題歌として使用されたのは、Mrs. GREEN APPLE大森元貴が書き下ろしたソロ楽曲「0.2mm」だ。中川は「この主題歌が入ったことによって映画が完成した」と語っており、観客も「作品の世界観を壊さない『0.2mm』という絶妙な距離感で寄り添ったことに、二人のプロフェッショナルな共鳴を感じました」とそのタッグをたたえる。エンドロールについて「まるですぐそばで歌ってくれているような感覚におそわれた」「今自分が冒頭の佑になって、曲が美咲のように包み込んでくれているような気持ちになった」と伝える声もあった。

「90メートル」場面写真

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映画「90メートル」本予告

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