「魔女の宅急便」「ゲド戦記」金ローでOA、元日深夜に「レッドタートル」TV初放送

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スタジオジブリのアニメーション「魔女の宅急便」と「ゲド戦記」が、1月5日と12日に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」でそれぞれ放送される。

「魔女の宅急便」 (c)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N 

「魔女の宅急便」 (c)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N 

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宮崎駿が監督した「魔女の宅急便」は、見習い魔女のキキが両親のもとを離れ、見知らぬ土地で奮闘する姿を描く物語。また宮崎吾朗が監督した「ゲド戦記」は、児童文学をアニメ化した冒険ファンタジーだ。均衡が崩れ始めた架空の世界“アースシー”を舞台に、災いの源を探るゲドと国を捨てた王子アレンの旅がつづられる。

「ゲド戦記」 (c)2006 Studio Ghibli・NDHDMT

「ゲド戦記」 (c)2006 Studio Ghibli・NDHDMT[拡大]

放送中は、特設サイトとデータ放送にて新企画「みんなで選ぶ!好きなシーンランキング」を実施。投票に参加した人の中から抽選で、文庫「ジブリの教科書」がプレゼントされる。

「レッドタートル ある島の物語」 (c)2016 Studio Ghibli - Wild Bunch - Why Not Productions - Arte France Cinéma - CN4 Productions - Belvision - Nippon Television Network - Dentsu - Hakuhodo DYMP - Walt Disney Japan - Mitsubishi – Toho

「レッドタートル ある島の物語」 (c)2016 Studio Ghibli - Wild Bunch - Why Not Productions - Arte France Cinéma - CN4 Productions - Belvision - Nippon Television Network - Dentsu - Hakuhodo DYMP - Walt Disney Japan - Mitsubishi – Toho[拡大]

また1月1日の25時59分からは、スタジオジブリ製作の「レッドタートル ある島の物語」をテレビ初放送。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが監督し、第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門の特別賞に輝いた本作では、無人島に漂着した1人の男の物語が映し出される。

この発表にあたり、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー鈴木敏夫からコメントが到着。「なんで受けるんだろう……。これは『魔女の宅急便』に限らず、宮崎駿にしろ、高畑勲にしろ、ジブリの作品が何故いろんな人に観てもらえるかっていうのはアナログ故だと思います。残念ながら人間の歴史って『人間なのに人間じゃなくなる』“非人間化”してきていると思うんです。そういうときに、ジブリの作品の芯にあるものは人間的であるということだと思います」と話している。

金曜ロードSHOW! 冬もジブリ

日本テレビ系
2018年1月5日(金)21:00~23:09「魔女の宅急便(1989年)
2018年1月12日(金)21:00~23:19「ゲド戦記」

新春特別映画天国「レッドタートル ある島の物語」

日本テレビ系(関東ローカル)2018年1月1日(月)25:59~27:49

鈴木敏夫 コメント

2019年に公開30周年を迎える「魔女の宅急便」が愛される理由

宮崎駿監督も僕も「何周年記念」という言い方があまり好きではありません。ただ、宮崎駿と2人で「1本作った作品が10年持つといいよね。10年でいろんな人が観てくれたらうれしいよね」という話をしたことがあります。それこそ、20年30年……皆さんに愛され続けているというのは本当にうれしいです。
なんで受けるんだろう……。これは「魔女の宅急便」に限らず、宮崎駿にしろ、高畑勲にしろ、ジブリの作品が何故いろんな人に観てもらえるかっていうのはアナログ故だと思います。残念ながら人間の歴史って「人間なのに人間じゃなくなる」“非人間化”してきていると思うんです。
そういうときに、ジブリの作品の芯にあるものは人間的であるということだと思います。人間ってそういうものが好きですよね。デジタルかアナログかっていったら、アナログが好きに決まっているんですよ。

「魔女の宅急便」のテーマについて

宮崎駿は「魔女の宅急便」をやることになって、この映画のテーマに悩んだんです。2人で吉祥寺の町や井の頭公園を歩いて、3時間ぐらい歩いて、疲れ切って、喫茶店に入ったんですね。席に着いた途端に宮崎駿が「この映画で何やったらいいの?」と聞いてきたので、苦し紛れに「正面から思春期ってやったことないですよね」と答えたんです。そしたら「それだ!」って。
宮崎駿という人は抽象的な概念で思考をしない人だから、すべてが具体化するんですね。(作中で主人公のキキが)パン屋へ行って次の日の朝起きてトイレに行くじゃないですか。あのシーンと、つまらなそうな顔をしながらパン屋でお留守番をする絵。宮崎駿がそういった形で思春期を表したんです。なんかわかる気がしました。

当初予定になかった、飛行船のクライマックスシーンが追加された理由

やっぱりお客さんは娯楽として映画を観に来るわけだから、サービスは必要ですよね。それで、宮崎駿と話してあのシーンを付け加えることになったんです。でも、メインのスタッフからは呼び出されて袋叩きに遭いました。「あのシーン(本来ラストシーンとされていた、老婦人からサプライズのプレゼントにケーキをもらうシーン)で終わればいい映画なのに、なんでそんな提案したんだ!?」って。そこで、「なんでもいいから付け足してやればいいシーンになるわけじゃない。宮崎駿がやるんだよ。面白くなるでしょ!」って……これが説得の言葉だったんです。宮崎駿本人は「鈴木さんそう思う? だったら付け足すよ」というあっさりした反応だったんですが(笑)。
ただ、映画が封切られていろんな批評の対象になるころ、キネマ旬報の映画評に「この映画は素晴らしい! ただ、あのケーキのシーンで終わってれば名作になったのに」って書いている人がいて。鋭いやつがいるな!と思いました。まぁ、大団円っていうやつですよね。付け足しでもいいから最後は楽しく終わるっていう。

「ゲド戦記」について

「ゲド戦記」は宮崎駿にとって念願の企画で、実は「風の谷のナウシカ」の前に原作者の(アーシュラ・K・ル=)グウィンさんに映画化を申し出ていたんです。でも当時からすればどこの馬の骨ともわからない日本人からの申し出……お断りされてしまいました。それが、年月を経て今度は向こうから打診がきた。細かいことは省きますけど、(宮崎)吾朗くんのデビュー作にいいなと思ったんですよね。「ゲド戦記」の第3巻。年老いたゲドとアレンのやり取りが、僕はいいなと思ったんですよ。
でもグウィンさんの了承はすぐに出なかったんです。望んでいるのは宮崎駿による映画化だったわけですから。そこで、宮崎駿と僕で会って話をすることになったんです。宮崎駿は説得のためにいろんなことを話していました。「僕のいろんな作品は全部あなたの影響を受けてる! 闇との戦い。僕にとってはすごい重要なテーマだった。だけど、それをやるには歳を取りすぎた。息子はやりたいって言ってるけど、自分がプロデューサーとして見守るから納得してくれないか」……という感じで。それを話したのがお昼で、その場では夜もう一度お話をしましょうっていうことになって、夜にやっと返事をもらったんです。わかりましたって。
実は「ゲド戦記」の映画化を断られたときに宮崎駿が「シュナの旅」っていう絵物語を書いていたんですけど、実際に映画を作るときに吾朗くんに「シュナの旅」を作ったらどうかと提案したんです。吾朗くんも基本的にはそれを受け入れて、大きくは違ってますけど、流れているものは同じなんですよね。

「レッドタートル ある島の物語」について

「レッドタートル」は今回お正月の深夜に放送するということで、作品の内容からすると一番いいんじゃないかと思います。お正月の深夜……今ふとそんな気持ちになってみたら、楽しんでもらえる気がしてますね。僕が本当に好きで作った作品なんで、ぜひ観てください。

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