映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

渡辺信一郎、「ブレードランナー」短編上映会で「やりすぎなぐらい力入れた」と告白

674

左から渡辺信一郎、荒牧伸志。

左から渡辺信一郎、荒牧伸志。

短編アニメ「ブレードランナー ブラックアウト 2022」の上映イベントが本日9月26日に東京・スペースFS汐留にて開催され、同作の監督・渡辺信一郎が登壇した。

本作は、リドリー・スコット監督作「ブレードランナー」で主人公デッカードが姿を消してから3年が経過した2022年の世界を舞台とするもの。イギーとトリクシーという2人のレプリカント(人造人間)が引き起こす大停電が描かれており、「ブレードランナー」の続編「ブレードランナー 2049」の前日譚でもある。

渡辺はオファーが来た際のことを思い返し「『ブレードランナー』には影響を受けたので、やりたいという気持ちが半分。あと半分は、ハードルが高いので気が進まないなという気持ちでした。でも、『ハードルが高いとかプレッシャーがあるとか言ってる場合じゃない、やらないと』と思い、引き受けました」と語る。そして「僕だけでなく、関わったスタッフの中にも『ブレードランナー』のファンは多い。だからいいかげんなものは作れなかった。Webで流れる15分のアニメにしてはやりすぎなぐらいに力を入れました」と自信をうかがわせた。

ここで、本作に登場する飛行車“スピナー”のデザインを担当した荒牧伸志も登壇。荒牧は「ブレードランナー」について「僕個人もそうですけど、アニメ業界の人間がすごくショックを受けた作品でした。特にSFをやってる人間にとっては、避けて通れないような映画」と話す。そして「今では霧が煙る高層ビル街とか汚い雨が降っている光景という近未来像は当たり前のものになってるけど、この映画で初めて僕らの前に姿を表した」と続け、「僕が自作で空に広告用の飛行船を浮かべるのは『ブレードランナー』の影響です」と述べた。

「ブラックアウト 2022」の制作について渡辺は「基本的には日本で作っていますが、英語版のアフレコはアメリカで行いました。音楽を手がけたのはフライング・ロータスというアメリカのアーティスト。コンセプトアートはPaul(Chadeisson)さんというフランス人の方がパリで描いたものを送ってくれた」と述懐。「そういったものを東京でミックスしました」と、多国籍な制作環境だったことを明かした。

「2049」のロケ地を訪れたという渡辺と荒牧。渡辺は「(製作総指揮を担当した)リドリーは『エイリアン:コヴェナント』の撮影が忙しくていなかった(笑)。でも監督のドゥニ・ヴィルヌーヴはいらっしゃって、わざわざ僕たちのために時間を作ってくれたんですよ。以前から彼は『AKIRA』などのアニメを観ていたそうで、こちらにも興味があったらしいです」と回想する。

「ブラックアウト 2022」上映後の質疑応答コーナーでは、来場者から「『2049』にどうつながっていくのか」という質問が。渡辺は「いい質問ですね。サクラかと思った(笑)。アニメの中で電子機器がすべてダウンした結果、レプリカントの登録情報も消えて、誰がレプリカントなのかわからなくなる。これが『2049』につながる。『2049』の中でも『あのときは大変だった』みたいなセリフがあるんですけど、説明は全然ない。だからこれを観て『2049』を観てもらえると『あのことか』とわかる。この短編を観てから『2049』を観るように、と周りの人に勧めてください(笑)」と呼びかけた。

「ブレードランナー 2049」は10月27日より全国で公開。前作でデッカードを演じたハリソン・フォードと、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがキャストに名を連ねている。

映画ナタリーをフォロー