クストリッツァ監督・主演作がヴェネツィアで上映「詩的で力強い作品を目指した」

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エミール・クストリッツァの監督最新作「ON THE MILKY ROAD(原題)」が、イタリアで開催中の第73回ヴェネツィア国際映画祭にて現地時間9月9日に公式上映された。

左からモニカ・ベルッチ、エミール・クストリッツァ。(c)Ernesto Ruscio

左からモニカ・ベルッチ、エミール・クストリッツァ。(c)Ernesto Ruscio

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「パパは出張中!」「アンダーグラウンド」でカンヌ国際映画祭のパルムドールを、「アリゾナ・ドリーム」でベルリン国際映画祭の銀熊賞を、「黒猫・白猫」でヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を受賞したクストリッツァ。彼が監督・脚本・主演を担当した「ON THE MILKY ROAD」は、戦時中の村で暮らしていたある男の人生を描くもの。男が村の娘に愛され牛乳配達人として働いている時代、謎の美女と恋に落ちて逃亡を図る時代、年老いて修行僧になった時代をそれぞれつづっている。ヒロイン役を「007 スペクター」のモニカ・ベルッチが務めた。

記者会見とレッドカーペットに、ベルッチとともに登場したクストリッツァ。作品を「場所や時代はまったく架空の設定で、名もない土地で起こっている戦争を描くが、敵や味方が誰かは特定していない。詩的で、同時に力強い作品を目指した」と説明する。さらに「3年かけて、小説を手がけるように作り上げていった。“長い旅”であればいろいろと試せる。突っ走ったら、決していいものはできない。ベストなものを見つけるのには本当に苦労した」と明かした。

ベルッチの起用に関しては、「ヒロインをイタリア人の設定にしたのは、モニカに合わせてのこと。男性が恋をしそうな役を書くのが一番楽しいね」とコメント。一方ベルッチは、クストリッツァについて「チャレンジングな監督よ。脚本はあるけど即興ばかり。監督だけでなく、役者、書き手、ビジネスマン、アーティストでもあるから多くのことを学んだわ。フェミニンで母性にあふれているし、今まででもっとも成熟した役かもしれない」と話す。

さらにベルッチは「美も苦痛も多い世の中を、政治的視点ではなく人間的視点で描いているの。戦争を描いているけど詩的だし、現実とイマジネーションの両方がある作品」と映画を紹介し、「希望、愛、セクシュアリティも伝えようとしている。性欲や官能性は、その人のエネルギーから来るもの。年齢は関係ないわ。現代の人はもっと愛を信じるべきだと思う」と考えを述べた。

なお本作のワールドプレミアにあたるこの上映では、エンドロールが始まる前から「ブラボー!」という声が響き、12分もの間スタンディングオベーションが続いた。

「ON THE MILKY ROAD」は2017年に全国ロードショー。

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