映画「
それぞれが演じたキャラクターについて質問が飛ぶと、橋本は「カナコは男性恐怖症で、自分らしく生きられていないような不器用な人。遠回りして生きる姿がすごく愛おしいですし、私自身に重なる部分もあって共感しながら演じられました。なのでカナコの存在が皆さんの心に残るようでしたら、私自身も救われるような気持ちです」と答える。
中川は「長津田もすごく不器用。人間臭く、弱い部分を軸にして役を作っていきました。どんどん彼のことを好きになっていって、一心同体のようになって演じた記憶です」、山田は「爽快な女性で、演じていてどんどん麻衣子を好きになりました。麻衣子はモテることやかわいさに自分の価値を置いていたものの、(周囲の反応ではなく)自分自身の中に価値や魅力を見出せるようになっていって、それが素敵な成長だと感じました」とコメント。それを聞いた橋本は「山田さんのファンだったので共演できてうれしかったです。私自身が山田さんをかわいいと思う気持ちが、カナコが麻衣子に対してそう思っているのと重なるようなところがある気がしました。同じ相手(長津田)を好きになる2人ですが、お互いをエンパワメントし合う関係でもある。麻衣子にとって魅力的な人に見えているのか考えながら演じていました」と振り返る。
臼田は「亜依子はいつもしっかり準備して未来を思い描き、着実に歩いてきた人なんだろうな、かっこいいキャラクターなんだなと思っていました。ただ現場に入ってみたらカナコのまっすぐな力がすごすぎて、思っていたよりシャンとした気持ちで立てなくなってしまいました」と回想して、壁に直面したときの亜依子の心情と似たものを感じられることができたと語る。そして「もともとイメージしていた部分と、演じながら変わっていった部分がありました」「すごくいい刺激をもらって楽しかったです」と笑顔を見せた。
現場でのエピソードが明かされる一幕も。ダンスシーンに触れた橋本が「中川さんは踊りが上手ですよね?」「私は付いていくだけだったんですが上手だなと思って」と言うと、中川は謙遜して首を振りつつ「(振りを)決めすぎずに身を任せた長回しシーンでした」「動きは振り付けの先生にアイデアを少しいただいて。監督ともお話ししましたが、ダンスを見せるというよりここで何が起きているのか、そのやり取りを大事に見せたいと考えていました」と意図を説明する。
フリップトークのコーナーも展開。「これからチャレンジしたいこと」というお題に、中川は「おいしいけんちん汁を作れるようになりたい」、臼田は「百名山にもっと行きたいです。筑波山には行ったことがあるんですが、岩山だったのでがんばりました」、山田は「日記です。何度もトライしては断念しているので……」とそれぞれ目標を掲げる。橋本は「すでに始めているのですが、ヒップホップダンスです。踊ることが好きなのでコンテンポラリーダンスはやっていたのですが、今はヒップホップと日本舞踊もやっていて楽しんでいます」と述べた。
最後の挨拶で橋本は「キャラクター自身が欠点だと感じているような部分を、美しいもの、愛おしいものとして描いている映画が私は好きです。みんなのダメなところも含めて抱きしめてあげられるような映画になっていたらいいなと思います。感想はたくさん読みますので、思ったことをぜひいろんなところに書いてください」と呼びかける。矢崎は「ラストシーンの続きは皆さんにバトンタッチする、という映画を作ろうと思いました。新しい友達を紹介するような気持ちで、この映画を周りに薦めてほしいです。元気がなくなったらカナコたちに会いに来てほしい。そんな映画にしたつもりです」と言葉を紡ぎ「(来てくれて)ありがとうね」と観客に感謝を伝えた。
「早乙女カナコの場合は」は全国で上映中。
もこ @moko_yk
大志くんまた雰囲気変わった🥰 https://t.co/h9onSH0PkN