オペラ「魔笛」歌があるのになぜ芝居するのか、勅使川原三郎「ゼロから見直す」

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勅使川原三郎が演出・美術・照明・衣装を手がけるオペラ「魔笛」の稽古場が、8月2日に報道陣に公開された。

あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。

あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。

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あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。

あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。[拡大]

3年に1度開催される現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」のプログラムとして、9月17・19日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される本作。指揮をガエタノ・デスピノーサ、管弦楽を名古屋フィルハーモニー交響楽団、合唱を愛知県芸術劇場合唱団が担当し、国内外で活躍するソリストらとダンサーの佐東利穂子、そして東京バレエ団のメンバーが共演する。

あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。

あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」稽古の様子。[拡大]

今回公開された稽古の前段階にあたるワークショップには、勅使川原とソリストたち12名が参加。1時間かけて稽古場でひたすらウォーキングを繰り返し、各人がそれぞれの身体を把握する時間が設けられる。勅使川原は「エネルギーを溜め込んでいる状態を充実させて、その後に“流れ出す”、あるいは“爆発する”表現の準備を」と出演者に語りかけ、「大きい舞台、あるいは小さい空間であっても、充実した出演者の身体があればその人の役割は十分伝わります」と一人ひとりに声をかけた。キャストたちはピアノの伴奏に合わせ、足の裏やかかとを意識し呼吸を整えていく。

勅使川原三郎

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「なぜその作品を上演するのかということに、ちゃんと答えを持たないといけないと思いました」と休憩時間に行われた取材に応対する勅使川原。「今まで演出されてきたオペラの解釈を、ゼロから見直さなきゃいけない。たとえば歌があるのになぜ芝居をするのか。演技をしなくても歌で内面は表現できる。歌手の人には最高の状態で歌ってほしい。演技をして歌がおろそかになっては、いけないのではないか」と自身の考えを明かす。

「本作では内容をガイドするためのナレーションを、ダンサーの佐東利穂子が引き受けます。さらに東京バレエ団のダンサー16人を、キャストと対になる役割として登場させます」と構想を説明。「演劇的な空間ではない、音楽を主体にした身体表現の場所になる。そしてこれもオペラだと思っています」と結んだ。

※記事初出時、一部人物名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ W.A.モーツァルト作曲「魔笛」

2016年9月17日(土)・19日(月・祝)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

演出・美術・照明・衣装:勅使川原三郎
指揮:ガエタノ・デスピノーサ
ダンサー:佐東利穂子、東京バレエ団
合唱:愛知県芸術劇場合唱団
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

キャスト

賢者ザラストロ:妻屋秀和
夜の女王:高橋維
王子タミーノ:鈴木准
王女パミーナ:森谷真理
鳥刺しパパゲーノ:宮本益光
弁者&神官I:小森輝彦
恋人パパゲーナ:醍醐園佳
ほか

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小森輝彦 Teruhiko Komori @TeruhikoKomori

あいちトリエンナーレの魔笛。立ち稽古前のワークショップについてこういう記事が出ていました。
https://t.co/PSfsw3qJPy

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